豊橋百儂人

日本有数の大農業王国、東三河地域。
この地で、先代から受け継いだ食農文化を後世に受け渡そうと、良き伝統を守りつつも革新的努力をし続ける団体がいる。
 
彼らは、「真」の農業経営者となるべく切磋琢磨する生産者を「豊橋百儂人(とよはしひゃくのうじん)」と認定し、活動の主旨に賛同してくださる応援者(サポーター)の皆様と共に、生産者、消費者が一体となった活動を目指している。
 
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そんな、豊橋百儂人の生産者一人ひとりの農園にお邪魔して、努力と技術で作った生産物を調査し、豊橋百儂人とは何か?農業とは何か?

その答えを探してきた。
 

これまでの百儂人

 
■鑑賞花儂人/中村孝康(菜ッ花園)
 http://tasuki-inc.com/kanshoubana/

■蕃茄儂人/鈴木教広(鈴木農園)
 http://tasuki-inc.com/suzukinoen/

■養蜂儂人/鈴木良近(鈴木養蜂園)
 http://tasuki-inc.com/suzukiyouhouen/

■柿儂人/鈴木義弘(百年柿園 ベル・ファーム)
 http://tasuki-inc.com/bellfarm/

■黒子儂人/清水貴裕(都デザイン)
 http://tasuki-inc.com/100noujin01/

■茶儂人/後藤元則(ごとう製茶)
 http://tasuki-inc.com/gotoseicha/

■葉葱儂人/村松典和(村松農園)
 https://tasuki-inc.com/muramatsunoen/

■玉蜀黍儂人/彦坂航(ホクシン)
 https://tasuki-inc.com/tomorokoshi/

鑑賞花儂人/中村孝康(菜ッ花園)


 
インタビューの会場となる、菜ッ花園のハウスに一歩足を踏み入れると、そこには色とりどりの鉢花が一面に広がっていた。
花に迎え入れられているようで自然と笑顔になれる空間に和んでいると、すぐに優しそうな男性が現れた。
今回は、この鉢花の生産者であり、豊橋百儂人の鑑賞花儂人でもある、菜ッ花園の中村孝康さんにお話を伺った。
 

菜ッ花園(なっかえん)
豊橋百儂人 鑑賞花儂人
中村孝康
【各お花の時期】
ボロニア:2〜3月
カーネーション:4〜5月
ガーデンシクラメン:9〜12月

 

豊橋百儂人の中で代表を務める中村さん。
いつもニコニコと優しく話かけて下さる中村さんは、豊橋百儂人で一番笑顔の似合う儂人だ。今回のインタビューを通じて、花に囲まれた中村さんの姿を見ると、なんとなくその笑顔のわけがわかった気がした。

 

鑑賞花との出会い

 

 
ー ー ー なんで鑑賞花を生産し始めたのですか?
 
なんでだっけかなぁ。
もともと先代は、メロンやキャベツ、エンドウなどを作っていました。
家業を引き継いだ当初は私も果物を作っていたのだが、高校の先生から紹介された研修先が鉢花農家であったことが、すべてのはじまりでした。
 
この研修をきっかけに花の魅力を知った私は、花のことをもっと知りたくなり、3年間の研修を経て、ドイツに渡り、現地の農家に住み込みで働くなど、それ以来ずっと花と向き合う日々を過ごしてきました。
 
そうこうするうちに、気がつけば、花づくりを初めてもう33年目になりました。
30年以上やっているのに、未だに花づくりの難しさに頭を悩ます毎日です。
 
ー ー ー その「花づくりの難しさ」とは、どういった所にあるのでしょうか?
 
私の考えだと、例えば、食べ物などは食べたら「甘い、苦い、酸っぱい」など味覚の要素によって「美味しい」といった正解があると思います。
しかし、花には美しい、キレイといった誰にでも共通する正解が出しにくく、表現がとても難しいものだと感じています。
 
実際に、当園の花を10人の方が見れば、10通りの感じ方をされます。

なので、見ていただいた方の多くの人に満足していただける花の生産には、とても苦労しています。
 
しかし逆に、菜ッ花園の花を見てくださった方が、キレイと喜んでくださった時には、私自身もとても嬉しい気持ちになります。
 

菜ッ花園オリジナルパテント品種

 

恋する日々 ロマンスのかけら

 
ー ー ー 菜ッ花園には、たくさんの花の種類があるんですね。
 
そうだね。
同じ花でも少し形が違ったり、ピンクやオレンジ、赤や黄色などの色があったりするから、その全てを数えると膨大な種類になります。
意外かもしれませんが、花の世界にはいろいろな特許があり、身近な花ではバラやカーネーションなどが特許になっている花の多い代表と言えます。
この菜ッ花園でも、初めて特許を取得した2009年から今日に至るまで、全6つの品種が特許として認定され、現在では4つの品種が登録がされています。

 

サラマンダーN
 
今では、たくさんの方から、そのオリジナルの花をご好評いただいており、本当にありがたい限りです。
 

【左側】恋する日々 オレンジチーク  【右側】恋する日々  ホワイトチーク
 
ー ー ー なるほど。例年同じ花を育てるだけでなく、少しづつアレンジをして行っているのですね。
 
そんなかっこいい感じじゃないけどね。
アレンジをすると言っても、結構、地味な作業だよ。
 

カシワバアジサイ
 
けどそんな時、お客さまに喜んでもらえると思うと、頑張ろうという気持ちになれます。
その気持ちを忘れず、これからも今までと同様に新しいものや珍しいものには、菜ッ花園のオリジナル品種の一つとしてアピールしていきたいと考えています。
 
特に、菜ッ花園では現在、日々草やシクラメン、ボロニア、カーネーションなどを栽培していますが、来年には「カシワバアジサイ」という花びらが特徴の少し変わったアジサイにも挑戦したいと思っています。
 

カシワバアジサイ
 

鑑賞花で見る人を笑顔に

 
今回のインタビューを通じて、花には人を笑顔にさせる効果があるような気がした。
それは、生産者である中村さんの笑顔がたくさん込められた花だからなのか、花本来の特別な効果なのかわからないが、確かにその効果を感じた。
 
一方で、自分の生活を見ても、最近花を眺める機会が減った。
母の日やクリスマスや、ちょっとしたお祝いで花を贈ったり、部屋に飾ってみたりと、花が生活に寄り添う機会が増えると、中村さんのようにニコニコと心に余裕のある生活ができる気がする。
 

 
【会社概要】
菜ッ花園
代表:中村孝康
愛知県豊橋市老津町鎌倉4
0532-23-1592
http://www.nakkaen.com