
「理系に比べて文系の転職は難しい」と耳にして、不安になっていませんか?実は、文系の転職先は多岐にわたります。
本記事では、文系の転職は難しいと誤解されている背景や、具体的な文系の転職先について解説します。併せて、文系の転職を有利に進めるために役立つ資格やスキルも紹介しますので、ぜひ転職活動の参考にしてください。
文系の転職は理系に比べて難しい?
「文系は理系より転職先が少ない」と誤解している人が多いようです。その背景には、文理それぞれの採用傾向の違いがあるでしょう。
理系出身者は、化学や機械工学といった専門分野に特化した知識を有することが多いため、専門職として採用されるのが一般的です。その結果、専攻分野に応じて転職先があるとイメージされています。
一方の文系者は、経済学や文学など汎用的な専攻分野が多いのが特徴です。そのため、汎用的な知識を活かしやすい総合職(企画・営業・管理など幅広い業務を担当)や一般職(定型的な事務作業が中心)での採用が一般的です。
実際には、文系出身者が活躍できる職種は多岐にわたります。「文系は理系より転職先が少ない」というのは、特定の転職先を思い浮かべにくいことからくる誤解かもしれません。
文系の主な職種6選とおすすめの業界
では、文系の転職先にはどのような職種があるのでしょうか。おすすめの業界と併せて確認しておきましょう。
①営業職
営業職は、文系の代表的な職種です。対法人対個人などさまざまな分野があります。
営業職では、コミュニケーション能力や商品・サービスの知識はもちろん、顧客の課題を見出し、最適な提案を行う力が求められます。
②事務職
事務職は、文系の転職で人気の職種です。総務・経理・法務など専門性の高い分野から一般事務まで、幅広い求人があります。
事務職では、正確性や効率性、デジタルツールの活用力、ビジネスマナーなどが求められます。
③人事職
人事職は、企業の人材に関わる業務全般を担当する職種です。採用や労務管理、教育研修などを担当し、社員の成長支援やキャリア開発、組織づくりに携わります。
人事職では、高いコミュニケーション能力と人間理解力に加え、労働法規の知識や人事制度の企画立案能力なども求められます。
④企画・マーケティング職
企画・マーケティング職は、商品・サービスの企画から市場調査、プロモーション戦略の立案などを担う職種です。データ分析力とクリエイティブな発想力を活かし、消費者ニーズを見極めながら開発や策定を行います。
近年では、デジタルマーケティングの知識やデータ分析スキルなども重視されるようになってきています。
⑤クリエイティブ職
クリエイティブ職は、広告やデザイン、映像制作などに分野でアイデアを形にする職種です。制作だけでなく、企画から携わるケースもあります。
クリエイティブ職では、発想力や表現力が求められます。
⑥コンサルタント職
コンサルタント職は、企業や個人の課題を分析し、解決策を提案する職種です。経営や医療など、多様な分野でニーズが高まってきています。
コンサルタント職では、論理的思考力やコミュニケーション力が求められます。
①~⑥におすすめの業界
ここまで紹介してきた業種は、さまざまな業界で求人募集が行われています。なかでも文系転職におすすめなのは、次のような業界です。
商社/小売/メーカー/公務員/広告・出版/マスコミ/コンサルティング など
未経験者でも歓迎されやすい文系の転職先
ここからは、未経験者でも歓迎されやすい文系の転職先を紹介します。未経験の場合、人手不足が深刻な業界が狙い目です。
サービス業
未経験者でも挑戦しやすいのは、接客や販売などのサービス業です。これらの業界では、文系出身者の特長によく挙げられるコミュニケーション力や柔軟な対応力を活かせます。
働きながら顧客対応スキルや営業スキルを身につけられる点も魅力です。
介護職
介護職も、未経験者でも挑戦しやすい文系の転職先のひとつです。未経験でも介護士として勤務可能で、特に資格の所有を求めない求人が多く見られます。
働きながらの資格取得を支援する制度が整っているところもあるため、上手に活用すればキャリア形成にもつながります。
保育職
意外に感じる人が多いかもしれませんが、保育職も未経験者が歓迎されやすい転職先です。実は 、保育士資格がなくても「保育士補助」として勤務できるのです。
働きながら現場で経験を積むことで、資格取得を目指すことも可能です。子どもとふれあうのが好きな人は、やりがいを感じながらキャリア形成が図れるかもしれません。
収入アップを狙える文系の転職先
続いて紹介するのは、報酬が高い傾向にある転職先です。収入アップを望む人は、ぜひ確認しておいてください。
金融業界
収入アップを望む場合にまずチェックしたいのは、金融業界の求人情報です。
金融業界は「銀行・証券」「クレジット・信販・リース」「保険(生命・損害)」の3つの領域に分けられます。銀行・証券会社では資産運用や融資、クレジット業界では決済サービス、保険業界ではリスク管理を通じたサポート提供などを行います。
不動産業界
不動産業界への転職も、収入アップにつながりやすい一手です。不動産売買や賃貸仲介などでコミュニケーション力を活かせるほか、成果に応じたインセンティブが収入に直結するため、高収入が期待できます。
【文系から理系への転職なら】IT業界がおすすめ
文系から理系への転職を考えているなら、IT業界がおすすめです。具体的には、システムエンジニア(SE)、プログラマー(PG)、Webデザイナーといった職種があります。
最近、人手不足などの要因から文系出身者を積極的に採用するIT企業が増えています。ITの知識やスキルがあれば有利ですが、管理やクライアント対応といったコミュニケーションの点でも文系出身者の強みが活かせます。
未経験でも、興味があるなら選択肢のひとつに含めておくとよいでしょう。
文系の転職を成功させるポイント
ここでは、文系の転職を成功させるために押さえておきたいポイントを紹介します。
スキルを棚卸しし、プロフィールを作成する
文系の転職を成功させるためには、自分のスキルを棚卸しし、強みを明確にすることが重要です。また、実績や能力を一目でアピールできるプロフィールを作成することで、転職活動を効率的に進められます。
仕事に活かせるスキルを身につける
仕事に活かせるスキルを身につけておけば、転職活動を有利に進められます。また、明確に求められる資格がある職種に応募する際には、必要な資格を取得しましょう。
応募に必須の資格がなかったとしても、自分のスキルや知識を客観的に証明する証拠として資格を取得しておくと面接時にもアピールしやすくなります。
【文系の転職を有利に進めたいなら】挑戦したい3つの資格
文系の転職を有利に進めるなら、どのような資格を取得すればよいのでしょうか。ここでは、おすすめの資格を3つピックアップして紹介します。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、マイクロソフト社のMicrosoft Office製品の知識・操作スキルを客観的に評価・証明する資格です。事務職への転職を狙うなら、積極的に取得を考えたい資格のひとつといえます。
転職活動で評価を得やすく、即戦力としてのアピールにつながります。
TOEIC® Tests
TOEIC® Testsは、実践的な英語力を測定する世界共通のテストです。英文事務など英語を使った事務や、グローバルに活躍する仕事へ転職したい場合には、必須ともいえるでしょう。
受験のための勉強は、ビジネスだけでなく日常的な会話にも役立ちます。
日商簿記検定
日商簿記検定は、簿記(企業の経営活動を記録・計算・整理して経営成績と財政状態を明らかにする技能)の習得度を測る検定試験です。どの企業でも必要とされる会計事務の知識を身につけることで、転職先の幅を広げられます。
経理や財務に関わる場合には、ぜひ取得しておきたい資格です。
IT業界への転職に役立つスキルや資格
最後に、IT業界への転職に役立つスキルや資格を紹介します。文系から理系へ転職する場合は、ぜひ習得・取得しておきましょう。
プログラミングスキル
IT業界へ転職する場合、応募するポジションに応じたプログラミングスキルは身につけておきたいところです。どのような仕事をしたいかによって、学ぶべきプログラミング言語も異なります。転職先で必要とされるプログラミング言語をリサーチしてから学習すると効率がよいでしょう。
本や動画、スクールなど初心者からでも学ぶ方法は豊富にあります。スキル習得のために学習した内容は、やがて採用時や実務で武器となる可能性があります。
ITパスポート試験(iパス)
ITパスポート試験(iパス)は、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。ITに関して幅広く基本的な知識を得られるため、ビジネスパーソンとして最低限押さえておきたいITにリテラシーが身につきます。
持っていれば転職に有利になるとまではいえませんが、実務経験がなくても知識は得ておこうとする意欲を伝えることにもつながります。次に紹介する基本情報技術者試験にチャレンジする前に受ける人も多い試験です。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、「ITエンジニアの登竜門」とされる試験です。IT パスポートよりも難易度は高くなりますが、未経験かつ他業界からIT業界への転職を目指す場合に取得しておけば、本気でIT業界を希望していることを伝えられる資格です。
まとめ:文系の転職先は多種多様!求人サイトを活用して、自分に合った仕事を探そう
「文系は理系より転職先が少ない」と誤解されがちですが、実際には多くの選択肢があります。営業職や事務職といった代表的なものから、未経験者でも歓迎されやすい職種、収入アップを狙える業界など、文系の転職先は実に多様です。さらに、IT業界のように文系出身者を積極的に採用している理系の転職先も存在します。
求人サイトを活用し、幅広い選択肢のなかから自分にあった仕事を探してみましょう。