転職-社風とは

社風が合わなくて働きにくいと感じているけれど、どのように対処すればよいのかわからない方は多いのではないでしょうか。社風が合わない職場で働き続けると心理的にも身体的にもストレスになるため、転職も視野に入れつつ適切に対処する必要があります。

この記事では、社風が合わないときの対処法と、社風が合う企業を見つける方法を解説します。自分の価値観に合う社風を持つ企業を見つける方法がわかれば、ストレスが減り働きやすい環境で働けるでしょう。

社風とは

自由な社風

社風とは、企業の歴史や創業者の考え方などから形づくられた、企業特有の文化や雰囲気、価値観のことです。転職活動で企業を選ぶ際に重要な基準になります。

社風には「企業全体の方針」「職場の雰囲気」「部署の働き方」などがあり、目に見えないためにイメージしにくい場合が多いです。具体的な社風として、以下のような例が挙げられます。

  • 風通しがよく、上司に意見が通りやすい
  • アットホームで職場のコミュニケーションが活発
  • 社外活動が盛んで休日もイベントがある
  • 伝統を重んじる
  • 個人の能力や実績を重視する

社風は雰囲気や価値観であるため、人により捉え方が異なることに注意しましょう。例えば、休日も社外イベントがあることを「社員同士が仲良くなりやすい」と感じる人もいれば、「休日も社外イベントに参加しなければならず、プライベートの時間がとれない」と感じる人もいます。

長く働けて自分の実力を発揮できる職場を見つけるためにも、自分に合った社風の企業を選ぶことが大切です。

社風が合わないときの対処法

社風_対処法

社風が合わないと働きにくさを感じるため、ストレスが積み重なり業務に支障をきたす恐れもあります。そのため、働きにくさを感じたら、早めに対処することが必要です。

社風が合わないときは、以下のような対処法があります。

  • 社風の何が合わないかを明確にする
  • 改善方法を相談する
  • 転職を検討する

項目ごとに詳しく見ていきましょう。

社風の何が合わないかを明確にする

漠然と社風が合わないといっても、何が合わないのかわからなければ対処方法を見つけられません。適切に対処するために、まず社風の何が自分と合わないかを明確にする必要があります。

「上下関係が厳しく意見が言えない」「コミュニケーションが少ない」「残業が多くプライベートの時間が取れない」など、違和感を感じる部分を具体的に書き出しましょう。

合わない社風を具体的に意識できれば、改善方法を見つけるきっかけになります。転職を検討する場合にも、企業選びの基準として役立てられるでしょう。

改善方法を相談する

社風が合わず働きにくい場合は、現状を改善する手段がないか上司に相談します。

例えば、コミュニケーションが少ない職場なら、上司が積極的に話しかけることにより同僚との会話が増えるきっかけになるでしょう。残業が多くワークライフバランスが良くないのであれば、業務の進め方や仕事の分担を検討することにより、業務の効率化を図れて残業を減らせるかもしれません。上司の協力により職場環境や仕事内容を改善できれば、働きやすい環境を得られる可能性があります。

また、社風は業務内容や上司の方針などに影響を受けるため、所属部署によって職場の雰囲気や慣習が異なる場合もあります。配属先を替えてもらうことにより自分に合う職場環境になるのであれば、異動を希望するのも選択肢のひとつです。

転職を検討する

仮に部署内の働き方や雰囲気を変えることができても、企業全体の価値観や方針を変えることは難しいでしょう。企業の価値観などに違和感がある場合や、上司に相談しても現在の職場で改善できない場合は、転職を検討することをおすすめします。

自分に合う社風の企業を選ぶことにより、働きやすい環境で実力を発揮し、キャリアアップを目指すことも可能になります。転職活動では複数の企業の社風を比較検討するため、入社後のミスマッチも防げるでしょう。

自分に合う社風の企業を見つける方法

自分に合う社風見つけ方

転職活動を成功させるために、企業の社風を見極めて自分に合う社風を選ぶことは大切です。

社風は、労働条件のように目に見えるものではないため、入社前にはわかりにくい場合があります。そのため、入社後にミスマッチを感じるケースは少なくありません。

この章では、自分に合う社風の企業を見つける方法を解説します。主に以下のような方法があります。

  • 自分が希望する社風を明確にする
  • 面接やOB訪問で質問する
  • ホームページや口コミで確認する
  • 複数の企業に応募する

それぞれの方法を試すことにより、自分に合う社風を見極め、ミスマッチを防いで働きやすい職場環境を手に入れましょう。

自分が希望する社風を明確にする

社風は企業によって特徴があるため、まず自分が希望する社風を明確にしなければなりません。そのために、どのような企業で働きたいか、希望する価値観や雰囲気をできる限り具体的に書き出しましょう。

希望する社風の具体例は、以下のとおりです。

  • 実力主義で成績を評価してくれる制度がある
  • 風通しがよく、上司が積極的に部下とコミュニケーションを取る雰囲気がある
  • プライベートの時間を大切にする風土があり、定時で帰ることを推奨している

自分が希望する社風を具体的に知ることにより、企業を選ぶ基準を明確に意識できます。希望する社風が複数ある場合は、優先順位をつけるとよりわかりやすくなります。

また、志望動機に社風を盛り込む際に、具体的なアピールポイントとして役立てられるでしょう。

面接やOB訪問で質問する

面接やOB訪問で質問するのもひとつの方法です。事前の企業研究でわからないことも、実際に働いている人に質問すれば生の意見を聞くことができます。社風は入社しないとわからないケースも多いため、入社前に実際の社風を知るチャンスとなるでしょう。

ただし、社風は人により感じ方が異なるため、面接官やOBに合うからといって、自分にも合うとは限りません。聞いた意見を鵜呑みにせず、自分に合うかを検討することが大切です。

ホームページや口コミで確認する

企業のホームページには企業理念や経営方針などが記載されており、企業が考える理想の企業像や社会で果たしたい役割、大切にしたい価値観などを知ることができます。示されている指針は社風にも影響するため、企業を選ぶ際はホームページを確認することをおすすめします。

また、実際の社員のインタビューや口コミでも社風をつかめる可能性があるため、参考にするとよいでしょう。

複数の企業に応募する

社風は企業独自の価値観や歴史で形づくられるものであるため、同じ業種でも企業によって社風は異なります。企業の規模や創業者の価値観、事業の目的などにより、働き方や価値観、職場の雰囲気が変わるためです。

複数の企業に応募することにより、希望の業種のなかで自分に合う社風の企業を探すことが可能です。また、営業職や事務職など職種によっても社風は変わるため、同じ職種で複数の企業に応募するのもよいでしょう。

社風を志望動機にするときの注意点

社風_志望動機

社風で企業を選ぶケースは多いですが、志望動機に社風を盛り込む際には注意すべきポイントがあります。

主な注意点は以下のとおりです。

  • 全員に合う社風はない
  • 所属部署により環境は変わる
  • 具体性・独自性に欠ける

ここからは、注意点をひとつずつ詳しく解説します。

全員に合う社風はない

社風の捉え方や感じ方は人により異なるため、全員に合う社風はありません。志望動機で社風を語る際は、全員にとって良い社風という切り口ではなく、自分の価値観や考え方に合う社風であることを説明しましょう。

自分に合う社風であることのメリットを採用担当者に具体的に訴えると印象に残りやすいです。過去に似たような環境で成果を出した経験があるなどのエピソードを添えるとよいでしょう。社風が合えば職場で実力を発揮できて企業の利益に貢献できるとアピールできます。

所属部署により環境は変わる

社風は、同じ企業内でも、上司の方針や部署の慣習などにより変わる可能性があります。所属先の職場の雰囲気と会社全体の価値観は常に同じとは限りません。

そのため、志望動機に「社風に共感した」と書くだけでは、希望する部署の社風と合わない場合があり、志望動機として成り立ちません。営業部やマーケティング部など希望する部署の働き方や業務の目的などに合わせて、志望動機として盛り込む社風を考える必要があります。

具体性・独自性に欠ける

社風に共感したというだけでは漠然としたイメージしか伝わらず、志望動機としてアピールになりにくいです。志望動機に社風を盛り込む志望者は少なくないため、他の志望者との区別がつかず、採用担当者の印象に残りにくい可能性もあります。

社風を志望動機にするには、具体性を持たせて他の志望者と差別化を図る必要があります。自分の価値観とどこに共通点があるのか、社風がどのように自分に合うのかなど、独自のアピールポイントとするのがおすすめです。

例えば、業務の進め方が固定化されていて自由度の少ない社風であれば、「決められたマニュアルを守りながら、与えられた業務を迅速に正確に行うことが得意です」と自分の良さを社風に絡めてアピールすることで、志望動機に具体性・独自性を持たせることが可能です。

社風は企業選びの基準のひとつ

社風_企業選び

社風とは、企業特有の文化や価値観、雰囲気のことです。社風は職場の働きやすさに影響するため、転職活動の企業選びにおける重要な基準になります。

現在の職場で社風が合わないと感じたら、何が合わないかを明確にし、改善方法を検討しましょう。企業全体の価値観や方針に違和感を感じる場合は、転職により自分に合う価値観の企業を見つけることをおすすめします。

自分に合う社風の企業を見つけるには、企業をよく知り、自分の希望に合う社風を見極めることが大切です。志望動機で社風が自分に合うことを具体的にアピールできれば、自分に合った社風の企業でのびのびと働けるでしょう。