転職を考えている人で、ハローワークがどんなところか気になっている方はいるのではないでしょうか。ハローワークは職業訓練の相談や就活セミナーなど転職サービスにはない特徴があります。この記事では、ハローワークでどのようなサポートを受けられるか、また利用の流れ、転職サービスとの違いについて解説していきます。
目次
ハローワークはどんなところ?
ハローワークは、厚生労働省が運営する就職支援機関です。全国500箇所以上に設置されており、すべての都道府県にあります。誰でも無料で利用可能であり、就職・転職希望者に対して、求人の紹介や職業訓練など様々なサポートを提供している施設です。
ハローワークで受けられる7つのサービス
ハローワークで受けられるサービスは7つあります。
- 職業紹介
- 自己分析のサポート
- 応募書類のサポート
- 面接対策のサポート
- 就活セミナーの案内
- 職業訓練の相談
- 適職診断
それぞれ具体的に解説します。
1:職業紹介
ハローワークでは、経験やスキル、希望する業種を詳しく聞き取り、求人を紹介してくれるサービスがあります。障碍者向けの窓口や、外国人向けの窓口、子育て中の方向けなど、ニーズに応じた相談窓口が設置されているため、状況に応じた専門的なサポートを受けることが可能です。ハローワークでは、さまざまな業種・職種の求人情報が蓄えられているため、豊富な情報が得られるでしょう。
2:自己分析のサポート
ハローワークでは、自己分析のサポートを受けられるサービスがあります。窓口の職員や就職支援ナビゲーターに相談すると、自己分析に関するアドバイスをもらえるため参加すると自己理解を深められるでしょう。自分の強みや弱みが分からず、自己分析ができていない方におすすめです。
3:応募書類のサポート
ハローワークでは、履歴書や職務経歴書の作成サポートが受けられます。応募書類は、最初に知られる応募者の情報であるため、よい第一印象を持ってもらうために大切です。応募書類の書き方がよくわからない、クオリティを上げたい方におすすめのサポート。
4:面接対策のサポート
ハローワークでは、模擬面接による面接対策のサポートが受けられます。「企業からよく聞かれる質問」「企業にとって印象がよい答え方」など、企業の視点を考慮したアドバイスがもらえます。また、こちらから疑問点などを相談して面接に臨めるため、本番前にしっかり準備ができます。
5:就活セミナーの案内
ハローワークでは、就活に関するセミナーを受けられます。例えば、就活の基礎知識、自己分析、応募書類の作成、面接対策のセミナーなどです。セミナーでは、転職者同士でディスカッションや情報交換も可能なため、不安や疑問を解決できる場になるでしょう。
6:職業訓練の相談
ハローワークでは、職業訓練の相談を受けており、転職のサポートを行っています。希望の仕事に就くために必要なスキルを身に着けられるでしょう。例えば、医療や介護、建築など幅広い分野のコースがあります。
しかし、職業訓練はだれでも受けられるわけではありません。ハローワークに求職の申し込みをしているなど、複数の条件を満たす必要があります。また、受講するタイミングによっても選べる職業訓練は異なり、人気のコースでは選考が行われる場合があります。受講料金は無料ですが、テキスト代など一部自己負担が必要な場合があります。職業訓練の相談は専門的な知識やスキルを身に着け、転職活動でアピールしたい方におすすめです。
7:適職診断
ハローワークでは、自分に合った仕事を見つけるための適職診断を無料で受けられます。適職診断は4種類あります。
検査の種類 | 内容 |
---|---|
一般職業適性検査(GATB) | 仕事に必要な9種類の能力を測定 |
職業興味検査(VPI) | 興味を持っている職業が客観的にわかる |
職業レディネス・テスト(VRT) | どのような職業でやっていく自信があるかを測定 |
キャリアインサイト | 自分に適性のある仕事がわかる |
電話で予約し、ハローワークで検査を受けます。ハローワークによっては実施していない検査や、中止しているところもありますので、各自で確認しましょう。自分に合った仕事が分かると、転職の視野が広がるでしょう。未経験の仕事に挑戦してみたい方や自分に合った仕事を知りたい方におすすめです。
ハローワークを利用する際の5つのステップ
ハローワークを実際に利用するには、5つのステップがあります。
- 近くのハローワークを探す
- 求職の申し込みをする
- 求人を探す
- 紹介状を受け取る
- 採用面接を受ける
それぞれ詳しく解説します。
1:近くのハローワークを探す
ハローワークは、すべての都道府県にあるため、まずはお近くのハローワークを探しましょう。こちらの「全国ハローワーク所在案内」で見つけられます。初回登録や雇用保険などの手続きは、居住地を管轄しているハローワークでしかできないため注意しましょう。
2:求職の申し込みをする
初回利用時に窓口で求職申し込みの手続きをします。申し込みするとハローワークカードが発行され、ハローワークに設置されているパソコンから求人検索が可能です。ハローワークカードは、求職者の情報が登録されたカードであり、ハローワーク利用時に毎回必要になります。ただ、登録しなくても一部を除いて情報の閲覧はできます。
また、求職申し込みは「ハローワーク インターネットサービス」からも可能です。一部制限はありますが、ハローワークに行く時間がない方はインターネットからの登録がおすすめです。求職申し込みでは、希望する雇用形態・職種・勤務地・職歴・資格を記入するため、履歴書や職務経歴書を準備しておきましょう。
3:求人を探す
人情報は、ハローワークにあるパソコンや自分のスマホから検索できます。ハローワークに設置されているパソコンでは、求人票をすぐに印刷できるため、そのまま応募まで可能です。また、1人で探すのが不安な場合、窓口で担当者に相談可能です。求人内容について疑問点があれば、担当者を経由して企業に確認してもらうこともできます。
4:紹介状を受け取る
応募したい求人を見つけたら、窓口で求人票とハローワークカードを提出します。そして、ハローワークの職員が応募先企業へ連絡し、企業の了承を得られたら紹介状が発行されます。紹介状は、会社の住所・会社までの地図・面接日時・求職者の希望条件が書かれている書類です。ハローワーク窓口で手渡しの受け取りであるため、早めに紹介状を受け取れるように申し込みましょう。
5:採用面接を受ける
紹介状を受け取ったら、履歴書と職務経歴書と一緒に企業へ提出します。選考の日程が確定したら採用面接を受けに行きます。服装は、指示がなければスーツで行きましょう。採用されるとハローワークに採用通知が届きます。
ハローワークに行くときに必要な持ち物
ハローワークへ行くとき、初回はメモと筆記用具があればよいです。2回目以降は、求職申し込み時に発行したハローワークカードが必要になります。施設によっては、ハローワーク受付票を貰う場合がありますが、どちらも同じ用途です。ハローワークへ行くときの服装は私服で問題ありませんが、仕事を探す場であることをふまえて華美にならないよう気をつけましょう。迷う場合はオフィスカジュアルがおすすめです。
ハローワークを利用するメリット
ハローワークを利用するメリットは4つあります。
- 求人数が多い
- 支援サービスの申し込みができる
- 地域での転職に強い
- 職業訓練やセミナーが受けられる
それぞれ詳しく解説します。
求人数が多い
ハローワークでは、扱う求人数が他の転職サービスと比べて多数です。なぜなら、雇用安定のための公共機関であるため、企業も求職者も無料で利用できるからです。そのため、大手の転職サービスには載っていることが少ないスタートアップ企業や地域の中小企業など素晴らしい会社に出会える可能性があります。
また、トライアル雇用制度を取り入れている企業もあり、常用雇用の前に求職者と企業が相互に適性を見極めることが可能です。それによりお互いのミスマッチを防げます。仕事や職場に対して不安がある場合は、トライアル雇用のある求人を探してみるのも良いでしょう。ただ、トライアル雇用制度の対象者は、いくつか条件を満たしている必要があるため注意です。例えば、過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返している、離職している期間が1年を超えているなどの条件があります。
支援サービスの申し込みができる
ハローワークでは、雇用保険や失業保険など支援サービスの申し込みができます。そのため、経済的に安定しつつ、転職活動を行えます。手続きには、雇用保険被保険者証やマイナンバー、印鑑が必要なため事前に準備しておきましょう。
地域での転職に強い
ハローワークは、地元企業とのネットワークがあり、地域に特化した求人に強いです。あまり知られていない優良企業や表には出ていない良い情報が聞ける場合もあります。そのため、地元で働きたい方におすすめです。
職業訓練やセミナーが受けられる
ハローワークでは、必要なスキルを取得するための職業訓練やセミナーが受けられます。ただ、受講対象者がそれぞれ異なり、実施施設がハローワークではないため注意しましょう。愛知県の職業訓練については、以下のリンクから調べられます。
厚生労働省愛知労働局「ハロートレーニング(公的職業訓練)Q&A」
職種によっては、スキルがあると選考で有利になる場合があります。職業訓練やセミナーでは、無料または低価格で利用できるため「新しいキャリアに挑戦したい」「新しいスキルを得たい」方におすすめです。
ハローワークを利用するデメリット
ハローワークを利用するデメリットは3つ挙げられます。
- 平日に行かなければならない
- 求人に応募するのに紹介状が必要
- 職場のイメージが湧きづらい
それぞれ詳しく解説します。
平日にいかなければならない
ハローワークは、平日の午前8時30分〜午後5時15分までの開館であるため平日に活動しなければいけません。そのため、平日は仕事をしている方は利用しづらいでしょう。ハローワークは、基本的に土日祝日は休館日ですが、一部、平日夜間や土曜日も利用できる施設があります。お近くの施設を調べてみてください。
求人に応募するのに紹介状が必要
ハローワークの求人に応募するには、窓口で発行される紹介状が必要です。オンラインで求人検索ができるハローワークのインターネットサービスで見つけた求人に応募する際も紹介状は必須になります。そのため、紹介状を受け取りに窓口まで直接行くのが面倒に感じるかもしれません。
職場のイメージが湧きづらい
ハローワークの求人情報には、職場の写真や情報が少ないため、職場の雰囲気をイメージしづらいです。また、ハローワークは原則として求人を掲載する企業を選定できず、企業から求人掲載の手数料を取っていません。明らかに労基法に違反している求人を除いてはすべて掲載されることになり、慢性的に人手の少ない企業でも繰り返し求人を出しやすい状態といえます。そのため、なかにはブラック企業の求人が掲載されている場合もあります。そのため、自分でも企業の情報を集めて慎重に判断する必要があります。
転職サービスとの違い
ハローワークは求人の幅が広く誰でも利用できますが、企業の情報が少ないため判断が難しいです。また、企業側も無料で利用できるため、地元の中小企業などの求人も豊富に掲載されています。一方、転職サービスは企業から手数料を取って求人を掲載しており、求人数はハローワークより少数ですが、主に優良求人を扱っているのが特徴です。転職サービス独自の非公開求人を紹介してもらえるというメリットもあります。また、転職サービスでは専門のアドバイザーが在籍しているため、応募書類や面接対策など手厚いサポートが受けられます。
ハローワークがおすすめな人
ハローワークは以下の特徴に当てはまる人におすすめです。
- 地元で働きたい人
- 中小企業で働きたい人
- 必要なスキルや知識を身に着けてから就職したい人
- 積極的に行動できる人
また、転職回数が多い、職歴が短い人は転職エージェントでは書類選考の段階で不利になる場合があります。一方で、ハローワークでは転職回数や職歴にかかわらず採用している企業が多いです。
ハローワーク以外の求人サイトも活用しよう
ハローワークは誰でも無料で利用でき、求人数も豊富です。一方で、職場の情報が少なく雰囲気がわかりづらいなどのデメリットがあります。
TASUKIでは、地元に密着した求人情報を扱っており、また写真が記載されているため職場の雰囲気がわかりやすいです。そのため、転職の際にはハローワークだけでなくTASUKIなど他の求人サイトも活用すると自分に合った転職先を見つけられるでしょう。