求人票の見方

求人票とは、企業が人材を確保するために、募集の概要や条件を記載した書類のことです。企業に応募する際は、始めに求人票を確認します。

しかし、求人票には見慣れない言葉が多く使われているため、求人票を見ても見方がよくわからないという人も多いでしょう。

そこでこの記事では、求人票の見方と項目ごとのポイントを解説します。求人票を正しく読み解ければ、希望に合った求人に応募できて入社後のミスマッチを防ぎ、良い企業を見極めるのに役立つでしょう。

求人票に載っている項目は?

求人票の見方_求人票とスマートフォン

求人票には、募集内容や応募条件などが記載されています。いずれも雇用主が雇用される側に提示しなければならないと法律で定められている事項です。以下の書式は、ハローワークで使われている求人票です。

求人票の見方_厚生労働省「求人票の見方」

引用:厚生労働省「求人票の見方」p1

求人票には、以下の項目が掲載されています。

事項 項目名
募集内容に関する事項 ・職種・仕事内容
・雇用形態・雇用期間
・就業場所・マイカー通勤
・検索する時間がない
応募条件に関する事項 ・年齢・学歴
・必要な経験等・必要なPCスキル
・必要な免許・資格
雇用条件に関する事項 ・賃金・固定残業代・賃金形態等
・通勤手当・昇給・賞与
・就業時間・時間外労働時間・休憩時間
・休日
・加入保険
・試用期間
その他の事項 ・事業内容・会社の特長
・求人に関する特記事項

就業場所は、支店や店舗、工場など、企業の所在地と異なる場所が指定される場合があります。複数の支店などがあり、「いずれか」と記載されている場合は、通勤可能な地域かを確認する必要があります。

事業内容や会社の特長は、入社してから社風が合わないなどミスマッチを防ぐために把握しておくべき項目です。可能ならば、ホームページで会社概要や社員の声などを確認しましょう。

求人に関する特記事項は、企業が特に伝えたいことや伝えておくべきことが記載されています。企業を選ぶうえで参考になる内容であることが多いため、しっかりと読んでおきましょう。

その他の項目ごとの詳しい内容は、次章で解説します。

求人票を見る際の5つのポイント

求人票の見方_ポイントの字

求人票を見る際は、雇用の条件や仕事内容が自分の希望に合っているかを見極めることが大切です。

また、求人票は働きやすい企業を探す材料になります。求人票に掲載されている内容をしっかりと読み解くことで長く働き続けられる企業であるか確認が可能です。

この章では、求人票を見る際の5つのポイントと、内容から読み取れる優良な企業の見極め方をご紹介します。

給与金額と給与形態

求人票には、支給される給料の金額と給与形態が明記されます。

求人票に記載されている給料の金額は通常「額面金額」であり、そこから社会保険や税金を差し引いた「手取り金額」が実際に受け取れる金額です。

給与形態には、固定給や時間給、年俸制、歩合制などさまざまな種類があり、給与形態が変われば支給額の明細も変わります。どの給与形態で支払われるのかをしっかりと確認することが必要です。

求人票には、給与金額に幅がある企業が一定数あります。例えば、300~500万円と記載されている場合、記載された金額の範囲内での給料となります。経験が豊富な場合や経歴が充実している場合でも上限より給料が高くなるケースは少ないでしょう。

300~900万円など金額の幅が大き過ぎる場合、応募者を集めるために高めの金額を設定している可能性があります。金額の幅が大きい場合や、上限が同業の他の企業より明らかに高い金額の場合は、残業が多いなど大変な面があるかもしれませんので、理由や実際に自分がいくらになるのかを必ず確認しましょう。

雇用形態

雇用形態の欄には正社員・契約社員・派遣社員・パートなどの雇用形態が記載されています。非正規雇用の場合は雇用期間も明示されます。

雇用形態はライフスタイルに大きく関わる大切な部分です。給料とも大きな関係があります。希望の雇用形態に合っているか確認しましょう。

仕事内容

仕事内容は、入社後に実際に行う業務であるため、自分の経験や希望に合うかを確認する必要があります。

仕事内容が詳細に記載されていれば、入社後の仕事をイメージしやすくなります。働きやすい企業は詳細に記載しているケースが多いです。一日の業務のスケジュールを掲載している企業も一定数あります。

仕事内容は企業がどの業務を強化したいかを表しています。将来的に企業が目指すところを読み取ることも可能です。自分のライフプランに照らし合わせて、長期に渡って活躍していける企業かを判断する材料にもなるでしょう。

一方、仕事内容が抽象的で、具体的に何をするのかわからない場合は注意しなければなりません。入社後に厳しいノルマを課せられたり、思っていた仕事内容と違っていたりする場合もあります。選考を受ける際は、入社後にミスマッチがおきないよう面接時に仕事内容をよく確認しましょう。

休日・勤務時間

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査」によると、令和3年の1年間の年間休日総数の1企業平均は107.0日、労働者1人平均は115.3日となっています。この結果から、年間休日数が107日以上ある企業は、平均以上に休日がある企業といえます。年間休日数が120日という企業ならば、しっかりと休日を確保できるでしょう。

また、一年間を52週とすると、週休2日の場合年間休日数は104日です。年間休日数が100日という企業は週休2日より少ない可能性があるため、注意しましょう。

パートの場合、労働日数や勤務時間は重要です。求人票には企業が希望する勤務時間の条件が記載されています。自分の希望の勤務時間に合うかを確認しましょう。

社会保険・福利厚生

雇用保険と労災保険は、雇用する企業が雇用している者に加入させなければなりません。求人票に社会保険完備と記載されている場合は、雇用保険と労災保険、厚生年金保険、健康保険に加入できます。厚生年金保険と健康保険は労働時間数などの条件に合う必要があります。

企業の福利厚生が充実していると魅力的です。ただし、過剰な福利厚生がある場合、応募者を集めるためにしている可能性があるため注意しましょう。

求人票で気をつけるべき7つの注意点

求人票の見方_ポストイットに注意の文字

求人票を見る際には、以下のように気をつけるべき注意点があります。

  • 職種の呼び方や仕事内容は企業によって異なる
  • 賃金に含まれている金額を確認する
  • 基本給が低いと損をする可能性がある
  • 残業の有無を読み取る
  • 試用期間中の給料が低くないか確認する
  • 応募資格を確認する
  • 会社概要を確認する

この章では、それぞれの項目について解説します。注意点をしっかり把握すれば、求人票から良い企業を見つけられるでしょう。

職種の呼び方や仕事内容は企業によって異なる

同じ職種や仕事内容でも、企業によって呼び方が異なる場合があるため、注意が必要です。

例えば、営業事務といっても、営業をサポートする事務の仕事をする企業もあれば、仕事内容は営業ですが営業事務と呼ぶ企業もあります。

求人票の仕事内容の欄を読めば、入社後に担当する仕事の内容の詳細がわかります。職種の名称にとらわれず、仕事の内容をしっかりと確認しましょう。

賃金に含まれている金額を確認する

賃金は表示される形態が複雑なため、実際にいくらもらえるのか確認するのが難しい場合があります。そのため、賃金の欄をきちんと読み取って、賃金に含まれている金額を正確に確認することが大切です。

例えば、固定給は基本給や手当が含まれた金額です。一定の歩合給が含まれている場合もあれば、歩合給は別途支給される場合もあります。特に残業代が含まれているかどうかを迷う人は多いでしょう。

優良な企業は、記載された金額に何が含まれているかを明確に提示している企業が多いです。基本給、歩合、残業代、交通費、その他の手当など、どこまでが含まれていてどこからが含まれていないのかをきちんと確認して、入社後のミスマッチを防ぎましょう。

基本給が低いと損をする可能性がある

固定給で支給される総額が記載されている場合、基本給や手当などがそれぞれいくらになるのかが求人票に明記されていないケースも一定数あります。

しかし、基本給の金額は退職金などの基準となる金額であるため、基本給の金額を確認することは大切です。同じ固定給でも、基本給の金額が少なく手当の金額が大きいと、将来的に受け取れる金額が減ってしまう可能性があります。私も、固定給のうち基本給がいくらなのかを確認しなかったために、入社後してみたら基本給が低かったという失敗をした経験があります。

特に、給与形態が固定給の場合記載されていないケースが多いため、基本給がいくらになるのかをしっかり確認しましょう。

残業の有無を読み取る

残業時間の長さは良い企業を見極めるポイントのひとつです。求人票の残業時間の欄はしっかりと確認しましょう。

残業時間が法律で定められている上限ぎりぎりで記載されている場合は、多忙で残業が多い可能性があります。また、給与金額が高いのに、記載された残業時間が短い場合は、表面上の残業時間だけ短く実際は長時間の残業が発生するおそれもあります。

残業時間の欄だけでなく、求人票に記載された他の項目も合わせて検討して、残業時間を読み取れれば、良い企業を見極められるでしょう。

試用期間中の給料が低くないか確認する

入社後に試用期間を設けている企業は一定数あります。試用期間は、企業と就職者が互いを見極めるお試し期間で、3ヵ月から6ヵ月間で設定されている企業が多いです。求人票には試用期間中の条件も明示されます。

試用期間の注意点は、正式採用と比較して給料が低くないかという点です良い企業は、試用期間であっても正式採用と同水準に設定されています。大幅に低い場合は気をつけなければなりません。

応募資格を確認する

求人票の応募資格は、企業が求める人材の条件です。応募資格を満たしていない場合、応募しても採用される可能性は低いでしょう。資格や経験など、応募資格を満たしているか確認しましょう。

ただし、応募資格に合わないからといって、絶対に採用されないわけではありません。相性がよい場合や企業にとって魅力的と思える経験があるなど、採用されるケースもあります。どうしても入社したい企業であれば、チャレンジするのもひとつの選択肢です。

また、応募資格の欄に、抽象的な内容しか書かれていない場合は注意が必要です。例えば、熱意がある人や意欲がある人などと記載されている場合は、社員の出入りが激しいために応募資格を決めず応募者を集めているおそれがあります。

良い企業は、欲しい人材を明確に設定して求人を出しているため、応募資格がはっきりしています。応募資格がきちんと記載されているかが、企業選びの大切なポイントのひとつです。

会社概要を確認する

求人票を確認したら、ホームページなどで会社概要を確認しましょう。

求人票は記入欄の余白が少ないため、会社概要の詳細は記載されません。しかし、会社概要を確認すれば、企業の規模や取引先など、企業を知る手がかりを得られます。ホームページに会社概要をきちんと掲載している企業は、体制がきちんとしている良い企業といえるでしょう。

企業を知ることは企業選びの重要なステップです。気になる求人票があれば、会社概要を確認しましょう。

まとめ

求人票の見方_ビジネススーツの女性

求人票には、募集内容や応募条件、雇用条件など、企業に応募する際の大切な内容が記載されています。自分の希望に合っているか、企業が求める条件が明記されているか、しっかりと確認する必要があります。

求人票は難しい言葉や内容が多いため理解しにくい項目もあるでしょう。しかし、求人票を正しく読み取れば、良い企業を見極める判断材料にもなります。

求人票を見る際のポイントと注意点を把握して、希望通りの求人を見つけましょう。

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