豊橋百儂人
日本有数の大農業王国、東三河地域。
この地で、先代から受け継いだ食農文化を後世に受け渡そうと、良き伝統を守りつつも革新的努力をし続ける団体がいる。
彼らは、「真」の農業経営者となるべく切磋琢磨する生産者を「豊橋百儂人(とよはしひゃくのうじん)」と認定し、活動の主旨に賛同してくださる応援者(サポーター)の皆様と共に、生産者、消費者が一体となった活動を目指している。
そんな、豊橋百儂人の生産者一人ひとりの農園にお邪魔して、努力と技術で作った生産物を調査し、豊橋百儂人とは何か?農業とは何か?
その答えを探してきた。
これまでの百儂人
- 鑑賞花儂人/中村孝康(菜ッ花園)
https://tasuki-inc.com/kanshoubana/ - 蕃茄儂人/鈴木教広(鈴木農園)
https://tasuki-inc.com/suzukinoen/ - 養蜂儂人/鈴木良近(鈴木養蜂園)
https://tasuki-inc.com/suzukiyouhouen/ - 柿儂人/鈴木義弘(百年柿園 ベル・ファーム)
https://tasuki-inc.com/bellfarm/ - 黒子儂人/清水貴裕(都デザイン)
https://tasuki-inc.com/100noujin01/ - 茶儂人/後藤元則(ごとう製茶)
https://tasuki-inc.com/gotoseicha/ - 葉葱儂人/村松典和(村松農園)
https://tasuki-inc.com/muramatsunoen/ - 玉蜀黍儂人/彦坂航(ホクシン)
https://tasuki-inc.com/tomorokoshi/ - 葡萄儂人/岩瀬宏二(チロルの農園 岩瀬果樹園)
https://tasuki-inc.com/grapes/ - 米儂人/安田仁(株式会社清須ライスセンター)
https://tasuki-inc.com/kiyosurice/ - 葱儂人/児玉賢一(彩園こだま)
https://tasuki-inc.com/negi2020/ - 甘藷儂人/鈴木直樹(甘い甘藷そもそも)
https://tasuki-inc.com/kansyoimo2020/ - 竜髭菜儂人/北河 芳泰(美緑の風ファーム北河)
https://tasuki-inc.com/asparagus2020/
竜髭菜儂人/北河 芳泰(美緑の風ファーム北河)
うまいアスパラガスって、本当に美味しいですよね。
けど、アスパラガスってどのように育てられているのか、知らない人も多いのではないでしょうか?
そんなアスパラガスの生産現場を調査しに、竜髭菜(アスパラガス)儂人である北河さんの「美緑の風ファーム北河」にお話を伺ってきた。
先にハウスの中を見せちゃうとこんな感じです!!
「美緑の風ファーム北河」という屋号の通り、美しい緑の細い葉が風通しの良いハウスで静かに揺れる気持ちの良いハウスでした。
美緑の風ファーム北河
豊橋百儂人 竜髭菜儂人
北河 芳泰
【アスパラガスの時期】
春アスパラガス:3月
夏アスパラガス:6~9月
豊橋百儂人の切り込み隊長、北河さん。
若い頃は山籠りをしながらプロからスノーボードを教えてもらっていたという。
ストレートに想いを語ってくれるアツい姿勢から、いつもメンバーみんなに刺激を与えてくれる存在です。
型にはまらない農業
ー ー ーアスパラガスを始めたきっかけってなんですか?
これ答えなきゃダメだよね?
実は、若い頃はスノーボードを真剣にやっていて、プロに教わりながら冬は山ごもりしてたんだよね。
その頃、実家がもともと農家で、たまたま手伝っていたら古いハウスにアスパラガスがほったらかしになっているのを見て、夏に育つアスパラガスを育てて売れば、冬はまるまる仕事をせずに大好きなスノーボードができる!!
そう思い、兄さんから築40年以上の普通なら解体するようなアスパラのハウスを買い、所持金2万円で開業しました。
ー ー ーそこからすぐ順調に?
そんなわけないでしょ!
確かに、今の奥さんと結婚して、家族を持ち、一生懸命アスパラガスを育てるようにはなったよ。
けど、結婚式から一週間後に大型の台風の被害に遭い、
朝起きて、ハウスを見に行ったら、隣の兄のハウスが自分のハウスの上に乗っかっている状態で、、、当時2ヶ所あったボロハウスのひとつが全壊し、もう一つが半壊。
結婚したてで、泣き崩れる義母と本当に崩れているハウスを見てショックが隠しきれなかったです。
何よりも、そのことから自然の脅威を本気で知りました。
しかし、そんな状態の中で、
妻に何て言われるか身構えていたが、妻から一言「たいしたことない」と言ってもらえたことをバネに、そこから頑張ってハウスを立て直し、周囲の助けもあって現在のようにアスパラガスをしっかりと育てるようになれました。
ー ー ー北河さんのアスパラガスの特徴は?
なんと言っても、うちの育て方の特徴は、毎年新しいウッドチップを投入していることだね。
アスパラガスは牛糞堆肥を投入して育てるのか一般的とされているが、自分はできるだけハウスの状況を、自然の森林の状態に近づける育て方をしています。
ウッドチップのような硬いものを入れることは、業界ではタブーとされているが、ウッドチップを利用することで、土壌の微生物が活発に動けるように工夫しています。
味の特徴としては、よく言われるのは「香りが強い」ということと「やわらかい」と評価していただくことが多いです。
アスパラは値段が高い分、味への期待値も高く、固いアスパラを食べたらすぐに嫌いになられてしまいます。
なので、そのアスパラガスへの期待に答えたいという一心で作っています。
土壌の他には、ハウス内の温度と湿度を時期ごとに適切に保ち、甘やかし過ぎず、過度なストレスを与えない環境づくりに気をつけています。
あと、アスパラは成長が早いので、、朝・夕 1日2回収穫できますが、、夕方の品質は自分が納得できないので、夕方収穫はやめました。
ー ー ー農業のやりがいってどこにありますか?
北河という名前を出して地元のスーパーマーケットであるクックマートで売っていますが、あのアスパラガス無いの?ってお客様に聞かれたり、自分のアスパラガスが必要とされたとき嬉しいですね。
自分が考えた最善の選択をとって育てた生産物。それが奇跡的にお客さんに選んでもらえ、そのうえ良いリアクションがあることが格別嬉しくて、台風でハウスが崩れた時に辞めなくて良かったと思います(笑)。
最近嬉しかったのは、お客様から「北河さんのと違うアスパラを買って帰ったら、子どもにいつものアスパラと違うとすぐにバレた」という話を聞いてとてもやりがいを感じました。
ー ー ー北河さんの今後の展望ってなんですか?
展望というか、悩みに近いけど
コロナのこの環境になるまでは売上を上げていくことを中心に考えていましたが、果たして売上だけを考えてつき進む農業で良いのか疑問が湧いてきています。
まだその答えが自分自身出てないので、豊橋百儂人など他の生産者との関わりの中で何かヒントが貰えれば良いなと考えています。
【会社概要】
美緑の風ファーム北河
代表:北河 芳泰
愛知県豊川市御津町上佐脇東区16