ものづくり王国_愛知ブランド企業認定

愛知県はものづくり王国と呼ばれるほど製造業が盛んです。県内のものづくり企業の中でも独自の強みがある、顧客起点の経営を行っている、イノベーションに取り組んでいるといったような優れた企業『愛知ブランド企業』として認定されていて、東三河にも40以上の企業があります。
今回は愛知ブランドとは何なのかと、東三河の愛知ブランド企業の中からイトモル株式会社・株式会社平松食品・大三紙業株式会社・シンニチ工業株式会社・株式会社トヨテックをピックアップしてご紹介します。

愛知ブランドとは

自動車に代表される輸送機械が有名で、製造品出荷額等が43年連続全国1位(令和元年時点)である愛知県はものづくり王国と呼ばれています。
愛知県では県内製造業の実力を国内外にアピールし愛知のものづくりを世界ブランドにすることを目的に、平成15年度より優れたものづくり企業を愛知ブランド企業として認定し、広く情報発信しています。

愛知ブランド認定の視点

愛知ブランド企業の認定には以下の条件があります。

  1. 理念、経営トップのリーダーシップ
  2. 人の活性化
  3. 業務プロセスの効率化、革新
  4. コア・コンピタンス(独自の強み)
  5. 顧客との関連性の質、深度を高める顧客価値構築
  6. 社会、環境への配慮
  7. イノベーションへの取組

(引用元:認定の視点)

独自の強み(コアコンピタンス)は、顧客に利益やメリットを与えることができ、競合他社には真似ることのできないような自社の核となる能力・スキルです。
顧客起点のブランド価値等の構築による顧客価値の形成とは、現場で実際に起こっている事実や現実を自社の製品・サービスや事業の戦略として活かし顧客の望むものを提供する「顧客起点」の経営を行っていること、なかでも顧客が製品・サービスに対して適正と認める「顧客価値」を高めることを経営戦略として行っていることをいいます。
イノベーションに取り組むとは、新分野への進出・デジタル化の促進・外部との連携、このいずれかにおいて付加価値を高めるための取り組みがあることを指します。

イトモル株式会社

愛知ブランド_イトモル

イトモル株式会社は、自動車や家電に使われていれる「小物プラスチック部品」の開発・設計・製造をしている会社です。
愛知ブランド企業には平成17年度に認定されました。

イトモル株式会の強みは、小物精密プラスチック複合部品の製造ができることです。
また、単品部品は、「1ミクロンへのこだわり」を持ち続けています。高機能樹脂を使った超精密成形を実現し、生産工程に移行する前段階として、形状・精度・コストを考慮に入れ、量産までのラインつくりを構築。
3次元CAD・CAEを駆使した図面解析等により、研究開発を進めています。これにより従来から懸念されていた、量産の際に発生しやすいトラブルを事前にクリヤすることが出来ます。

今はどんな製品にも、プラスチックが使用されていて、無くてはならない部品です。培ってきた技術力とノウハウで、さらに「1ミクロン」へこだわり、「世界品質」を目指しています。

株式会社平松食品

愛知ブランド_平松食品

株式会社平松食品は大正11年から、豊富な海の幸と山の幸、そして清らかな水に恵まれた豊橋市にて、日本の伝統食品であるつくだ煮を製造・販売する佃煮専門店です。
愛知ブランド企業には平成16年に認定されました。

平松食品では「より高品質で、より安全・安心なつくだ煮づくり」を徹底しています。そのため、大正11年創業より100年かけて培った伝統の技法と、現代に必要な安全基準(ISO、HACCP)を組み合わせ、時間をかけて丁寧に仕上げています。

商品のサイズや種類も豊富で、手のひらサイズのトレイパックや常温長持ち真空パック、各種ご贈答、季節ごとのつくだ煮など、30種類以上のつくだ煮、甘露煮を販売しています。
また、日本の伝統を大切に仕上げたつくだ煮や甘露煮に加え、海外シェフとのコラボつくだ煮やつくだ煮ジュレ、「TERIYAKIFISH」としてつくだ煮を海外に売り出すなど新しい商品の開発にも力を入れています。

大三紙業株式会社

愛知ブランド_大三紙業パッケージ

(画像:DAISANのしごと)

大三紙業株式会社は食品・工業製品・農産物などのパッケージ関係製品を製造・販売してる、この業界で長い歴史を持つ企業です。愛知ブランド企業には平成17年に認定されました。

大三紙業株式会社では厳しい衛生管理の下、製版から最終工程まで社内で一貫して行える加工設備と体制が整っています。
また、培ってきた技術や加工設備を活かし、顧客の要望に応えるとともに新製品開発や新分野での製品の利用提案などにも積極的にチャレンジしています。

独自の強みとして自然環境へ配慮した経営を掲げています。
豊橋市雲谷町にある本社は無公害、環境保全、省資源を目的にプランニング。増設した新工場には工場排気を回収・再利用する装置を完備、飲料用以外の工場で使用される水には雨水を貯蔵して利用しています。製品を加工する過程で出るプラスチック廃棄物の削減などにも取り組んでいます。製品に関しても一定の条件下で分解され自然に還る「生分解性プラスチック」「生分解性グラビアインキ」などを提案しています。

シンニチ工業株式会社

シンニチ工業株式会社は豊川市に本社を持つ大径薄肉パイプ専業のトップメーカーです。愛知ブランド企業には平成18年に認定されました。

「技術を革新し、たぐい稀な大きな価値を提供する」という理念のもと、ユニークな製造・管理方法と充実した設備により、お客様のニーズに合った、他社では真似できない商品特性を持つパイプを作っています。同社製造のパイプは径が大きくても薄い他、パイプ全体にわたってのびが良いという特徴があります。そのため曲げる・縮める・拡げる等の加工をした際に割れたりシワになるといった加工不良を低減することができます。

同社は自動車部品業界、とりわけ排気系部品メーカーの技術革新に大きく貢献してきました。乗用車・トラック・建設機械・家電業界など幅広い業種のトップメーカーに採用されています。
また、アメリカの関連会社とタイの協力会社には国内と同仕様の設備を保有しており、日米同時に同一品質の製品を供給することができます。

株式会社トヨテック

愛知ブランド_

株式会社トヨテックは総合光学レンズメーカーです。本社は豊川市にあります。愛知ブランド企業には平成17年に認定されました。

株式会社トヨテックの製品はカメラにはじまりバーコードリーダーやコピー機、車載カメラ、顔認証センサーなど私たちの身近なところで使われています。現在は光センサ(光を検出し電気信号に変換するセンサ)ビジネスを主力に日本、アジア、米国、欧州などグローバルに提供しています。光電センサ(光を使い、物体の有無や物体までの距離を検出するセンサ)セーフティセンサ(稼働中の機械の危険領域に人体が侵入したことを検知するためのセンサ)用レンズの分野は業界トップです。

トヨテック株式会社を中心とした企業集団トーヨーサークルは中国に工場、フィリピンやドイツにも営業所を持っています。国内にて開発設計や量産試作、中国工場にて量産といったようなグローバルな展開を行っています。

まとめ

ものづくり王国愛知県のなかでも、優れたものづくり企業は愛知ブランド企業として認定されます。今回は東三河の愛知ブランド企業5社を紹介しました。どの企業も固有の技術と企業独自の設備を備えているだけでなく、新分野への進出や新商品開発へも意欲的です。今後もどんなものを生み出していくのか気になるところですね。