転職_退職理由

退職理由

転職の面接で退職理由を聞かれたら心配だという方は多いでしょう。転職理由はマイナスな内容になりやすいため、印象が悪いのではないかと不安になりますね。

そこでこの記事では、面接で退職理由を答える際のポイントを解説します。面接官に好印象を与えられる回答を例文付きで紹介するので、自分の退職理由と照らし合わせてシミュレーションしてみるとよいでしょう。

面接官が転職理由を聞く理由

退職理由_面接

面接官は転職理由から、早期退職のリスクと仕事への考え方や積極性を確かめたいと考えています。

この章では、面接官が転職理由から確認したいことを詳しく解説します。なぜ面接官が転職理由を聞くのかを理解できれば、適切な対策を講じやすいでしょう。

早期に辞めないかを確認するため

転職理由を聞くのは、新しい職場で前職と同じ状況になった場合にまた辞めてしまう可能性を見極めるためです。

採用活動にはコストがかかっているため、早期退職のリスクを防ごうとします。仮に転職理由と同じことが入社後にあってもすぐに退職せず、自分で前向きに対処できるとアピールし、面接官の不安を払拭することが大切です。

仕事への姿勢や考え方を確認するため

職場や仕事で不満や困難があった場合に、改善に向けて行動を起こせるかどうかは面接官が知りたいことのひとつです。前の職場で不満やトラブルがあった際に何も行動せず、不満を募らせただけで退職したのでは、社会人として仕事上のトラブルに直面した場合にも対処できないのではないかと疑われてしまいます。

不満やトラブルにも責任を持って対処できる人材だとアピールすることが大切です。

面接で転職理由を答えるポイント

退職理由_面接ポイント

面接で転職理由を聞かれた際、答え方で印象が全く異なります。以下のようなポイントを押さえた答え方ができれば、面接官に好印象を与えられるでしょう。

  • 転職で実現させたいことを合わせて答える
  • 志望動機と一貫性を持たせる
  • ポジティブな姿勢を見せる
  • 前職の悪口や不満を言わない
  • 嘘をつかない
  • 言わないことも必要である

ここからは、ポイントをひとつずつ詳しく解説します。

転職で実現させたいことを併せて答える

前職の不満や不平から逃げるためだけの理由で転職するのは印象が良くありません。前職でうまくいかなかったと後ろ向きに答えると、新しい職場でも前向きに取り組めないのではないかと面接官を不安にさせてしまうでしょう。また、前職の不満や悪口に終始してしまえば、次に同じ状況になってもまた辞めてしまうと思われてしまいます。

転職により問題を解決したうえで、やりたいことを実現できるかが大切です。転職理由を答える際には、転職のきっかけとなった困りごとを新しい職場でどのように解決して、したいことを実現させるか具体的に回答しましょう。新しい職場では前職の不満をしっかり改善して、前向きに仕事に取り組めることをアピールすると、印象が良くなるでしょう。

志望動機と一貫性を持たせる

転職する理由となった不満の解決策として転職を希望するのであれば、転職理由と志望動機には一貫性がなければなりません。この企業に就職できれば問題が解決できるというのが志望理由になるためです。

転職理由と関係ない志望動機を述べると「なぜこの会社なの?」と面接官は疑問に思うでしょう。転職理由を答える際には、志望動機も絡めて説明することにより、この会社に入りたいという熱意を更に強くアピールすることが可能です。

嘘をつかない

転職理由がマイナスな印象を与えてしまうと心配でも、印象を良くするために嘘の理由やエピソードを作ってはいけません。嘘をつくと転職理由や志望動機のつじつまが合わなくなり、説得力にかけてしまう恐れがあります。

面接官は多数の応募者と話しているため、ごまかしているのではないかと感づかれる可能性が高いです。表面的には話を上手に作ったつもりでも、深く突っ込まれるとちぐはぐな印象を与えてしまうでしょう。

印象が良くないかもしれないと思っても、正直に話しましょう。マイナスな転職理由を隠すより、伝え方を工夫して正直に話したほうが好印象です。

言わないことも必要である

嘘をつくのはよくありませんが、全てを正直に話す必要もありません。応募先の企業にも当てはまりそうな理由は話さないほうがよい場合もあります。

例えば、繁忙期は残業があると求人に記載されている企業に、前職は残業が多かったので退職しましたと答えてしまうと「入社しても合わないかも」と面接官が不安に感じてしまうでしょう。

転職理由の全てを話すのではなく、面接で不利になりそうな理由は言わないのも選択肢のひとつです。いくつかの転職理由のうち、応募先の企業に合いそうな理由をひとつ選んで回答するのがコツです。

面接での転職理由の回答例

退職理由_回答例

転職理由は抽象的な言葉ではなく、具体的に説明することにより印象が良くなり、説得力が付いて上手にアピールできます。

この章では、転職理由の6つのケースについて、面接官に好印象を与えられる回答例を紹介します。面接に向けた準備の参考にしてください。

人間関係の場合

人間関係を退職理由にする場合は、仮に新しい職場で同じ不満を持ったときでも、周囲の責任にせず解決しようと行動できることが大切です。

回答例

前職は個人主義の傾向が強く、ひとりで成果を出していくように求められる職場でした。緊張感があるのは良いのですが、情報の共有がなく、上司や同僚とのコミュニケーションが取りづらい雰囲気がありました。個人で成果を出していくのも大切ですが、私はチームで結果を求めていくのにも魅力を感じていたため、上司にコミュニケーションを増やせないかと相談したり、部署内で情報を共有すれば更に仕事がやりやすくなると提案したりしましたが、古くからの体質であるため変えるのは困難でした。
御社では、個人の責任をしっかり果たしながら、チームとしてひとつのプロジェクトを達成させていく体制が整っていることを知り、ぜひ御社で働きたいと考え転職を希望いたしました。上司や同僚とコミュニケーションを取りながら、プロジェクトを良い方向へ進め、会社の利益に貢献できると考えています。

労働環境の場合

労働環境を退職理由にした場合、自分の工夫や上司への提案で改善しようと試みる態度が大切です。

回答例

現在の職場では、営業活動以外の紙ベースでの提出書類など事務作業も多く、夜12時までの残業が当たり前の状況です。同僚も同様に深夜まで残業しています。業務を効率的に進めるためのシステム導入やフローの見直し、アウトソーシングなどを会社に提案しましたが、昔ながらの体質を変えるのは難しく、改善が見込めませんでした。ワークライフバランスを考え、レベルアップのための勉強もしたいと考えているため、転職を決意いたしました。

キャリアアップの場合

キャリアアップを転職理由にした場合、前職で達成できないキャリアを新しい職場でどのように達成するのか具体的に回答すると説得力が増します。

回答例

前職では、アシスタントとして商談日程の調整や資料作成などを行っておりました。ベテラン社員が多く仕事の役割分担が決まっておりましたので、幅広い業務にチャレンジしてスキルアップを図るのは難しい環境でした。将来の自分の成長を考え、自分の業務の範囲を超えて新しいことにチャレンジしたいと考えるようになり、転職を決意いたしました。

仕事が向いていない場合

仕事が向いていないために未経験の仕事に転職したい場合、なぜこの会社でこの業種なのかを具体的に説明しましょう。

回答例

前職では商品開発を担当し、顧客がより使いやすくなる商品の開発を目指してまいりました。しかし、企画を考える段階でもっと顧客の声を直に聞き、どのように使えばより効率的に便利になるかを提案したい気持ちが湧いてきました。そこで半年前より営業職へ転属の希望を出してまいりましたが、人事から転属は難しいとの返答でした。
御社の求人を拝見したところ、今までの商品開発の経験を活かしながら、未経験でも営業として顧客と直に関わる仕事ができる魅力的な環境だと感じました。将来的に顧客の生の声を取り入れた商品の開発に貢献してまいりたいと考えております。

年収の場合

給料や年収を転職理由にする際は、給料が上がればどこでもいいと面接官に思われないように注意する必要があります。評価制度など企業の体制に触れることにより、やりがいや将来の展望を述べましょう。

回答例

前職では営業として部署内でトップの売上を上げるなど成果を出していました。しかし、先輩社員の話を聞くと、将来的に昇給や昇格が見込めない状況です。評価制度の見直しなどを半年間にわたり上司に提案しましたが、成果に見合った評価を得られるには至りませんでした。
御社では、インセンティブの明確な基準やポジションなど、モチベーションを保ちながら積極的に業務に取り組める環境が整っている点に魅力を感じました。

体調不良の場合

体調不良を理由にした場合、現在は回復していることを明確に伝えましょう。そのうえで、再び体調を崩さないように注意しながら貢献していくと説明することが大切です。

回答例

前職で営業として毎月目標をクリアしていましたが、深夜までの残業となる場合も多く、体調を崩してしまいました。思い切って退職し治療に専念したため、今は働くことに全く問題ありません。
療養中に今までの働き方を見つめ直し、自己管理を大切にしてまいりました。働き方改革を実践されている御社でなら、ワークライフバランスに気を配りながら、積極的に仕事に取り組み貢献できると考えています。

面接で退職理由を上手に答えて好印象を与えよう

退職理由_好印象

退職理由は、面接でよく聞かれる質問のひとつです。印象が悪いかもしれないと不安になりがちですが、上手に答えればマイナスにはなりません。

転職理由を答える際は、不満や困りごとから逃げるのではなく、解決するために転職するとアピールすることが大切です。転職を決意する前に、上司へ相談や提案するなど、改善に向けた行動を起こしたと説明しましょう。そのうえで、改善が見込まれなかったために転職を決め、応募先の企業でどのように解決できるかを伝えます。

転職理由は抽象的な言葉ではなく、具体的に説明することにより説得力が増します。回答例を参考にして、退職理由を上手に回答して、面接で好印象を与えましょう。