物価や光熱費などの高騰傾向が続くなか、「収入源を増やすために副業を始めたい」という声をよく耳にするようになりました。現在、副業が禁止されている会社で働いている場合には、副業OKの会社への転職を考えている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、副業OKの会社に転職するためのコツや注意点を解説します。併せて副業OKの転職先を見つける方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
副業OKの会社を探す前に
はじめに、副業OKの会社を探し始める前に知っておきたいデータや知識を紹介します。現在の転職市場を取り巻く状況を正しく理解した上で、効率的に転職活動を進めましょう。
副業をしている人の割合やその理由
「果たして副業をしながら会社員として働くことは現実的なのか」と疑問を抱いている人も多いでしょう。そこでまずは、副業をしている人がどのくらいいるのかを紹介します。
2022年に独立行政法人労働政策研究・研修機構が厚生労働省の要請を受けて実施した調査によると、仕事をしている人のうち、副業をしている人の割合は6.0%でした。そしてその内訳は、約38%が正社員、約41%が非正規社員、約21%が非雇用者となっています。
また、本業を持ちながら副業をする理由として最も多く挙げられているのは、「収入を増やしたいから」というものです。特にコロナ禍に大きな打撃を受けた宿泊業や飲食サービス業では、現在も本業と副業を両立させている人が多いことがうかがえます。
参考:副業者の就労に関する調査|独立行政法人労働政策研究・研修機構
副業をするメリットは?
副業をするメリットは、追加の収入が得られる点だけではありません。
副業によって本業とは異なる分野の仕事を経験することで、新しいスキルや知識も身につけられます。また、本業だけでは気づけなかった仕事への向き・不向きに気づくきっかけになるとも考えられます。
さらに、活動の場が広がることから新たな人脈づくりにもつながるでしょう。
このようにキャリアや人脈の幅が広がるといった副業の特徴は、将来的に異業種への転職や、独立・起業を考えている人には収入源の増加と同等以上のメリットをもたらすかもしれません。本業で一定の収入を確保しつつ、副業を通じて新たなビジネスのノウハウや人脈を養えるため、余裕を持って将来の基盤を築いていける可能性が高まります。
それでも副業をNGとする会社が多い理由
働き手にとってメリットの多い副業ですが、それでも副業をNGとする会社が少なくありません。なぜなら、副業には会社として見過ごせないデメリットも存在するためです。
副業のデメリットは、労働時間が増加する点です。つまり会社側は、従業員が副業に熱を入れるあまり集中力が散漫になったり、過労状態が続いたりすると、自社の業務に悪影響を及ぼしかねないと危惧しているのです。
また、コンプライアンスが厳しい業界では、情報漏えいなどのトラブルを未然に防ぐ意味からも、副業を禁止しているところがあります。
労働時間の増加は、働き手にとっても体力の消耗やプライベートの時間の削減といったデメリットにつながります。副業OKの会社へ転職を希望するなら、高い自己管理能力が求められることを覚えておきましょう。
【副業OKの会社に入るために】転職活動のコツ
ここからは、副業OKの会社に入るための転職活動で押さえておきたいコツを紹介します。
転職活動は希望する求人を見つけて応募書類などを送付するところから始まりますが、応募時の志望理由では、副業OKという部分以外の魅力を伝えることが重要です。
副業OKを志望理由のひとつに含めること自体は問題ないものの、はじめから副業ができることだけを志望理由に挙げていると、会社側は「副業ができるならほかの会社でもよいのでは?」といった疑念を抱くかもしれません。まずは、本業として募集職種の業務で自分がしっかりと貢献できることを伝える必要があります。
現在すでに副業をしている人は、今の副業で得た経験やスキルを活かせる業種や職種を次の仕事に選ぶのも手でしょう。即戦力として活躍できる人材であることをアピールできます。
副業OKの会社へ転職する際の注意点
では、実際に副業OKの会社への転職する際にはどのような点に気をつける必要があるのでしょうか?ここでは、主な注意点を2つピックアップして紹介します。
本当に副業してよいのかしっかりと確認すること
求人段階では副業OKとしているものの、実際には、積極的に推奨はしていなかったり、特定の条件をつけていたりする会社も少なくありません。また、ひとくくりに副業OKといっても、認められる範囲は会社によって異なります。
そのため、書類審査を通過し、面談や面接に進んだタイミングで本当に副業してよいのかどうかを確認しておきましょう。この際に、副業の可否だけでなく、認められる範囲や条件、働き方などについて念入りに意思疎通を行っておくと、よりミスマッチを防げます。
覚えておきたいのは、会社が転職者向け求人を出すときは「即戦力を期待している」場合がほとんどということです。そのため、多くの時間や体力を使うような副業は認められにくいと考えておいたほうがよいでしょう。
また、会社で働く従業員には雇い主と競合する事業の起業や競合他社への就職が禁じられています(競業避止義務)。たとえ副業が認められたとしても、「本業と競合しないこと」は誰もが必ず守らなければならない条件です。
スキルを棚卸ししておくこと
副業の可否に関わらず、転職市場ではスキルを持っている人のほうが有利な傾向にあります。そのため、転職活動を始める前に、自分のスキルや強みを整理しておくのが理想的です。
また、スキルの棚卸しは、転職先へのアピールポイントの明確化につながるだけにとどまりません。自分の強みを客観視することから、思わぬ適正やキャリアの方向性が見出せることもあります。
結果、転職先や転職後の働き方などを具体的にイメージしやすくなり、満足度の高い転職を実現できる可能性が高まるでしょう。
副業OKの転職先を見つける方法
最後に、副業OKの転職先を見つける方法をいくつか紹介します。
代表的な方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 転職サイトや求人サイトで検索する
- 転職エージェントに依頼する
- 転職サービスを活用する
上記を見てもわかるとおり、基本的には一般的な転職活動の場合と仕事の探し方自体に大差はありません。より効率的に探すためには、「副業OK」などの検索条件を指定することがおすすめです。
まとめ:求人サイトを活用して、副業OKの会社への転職を実現しよう!
物価高やコロナ禍以降の情勢を受けて、副業をしたいという声が大きくなってきています。
副業と聞くと「収入源を増やせる」ことをメリットに挙げる人が多いかもしれませんが、それだけにとどまりません。副業は、新たなスキルの習得や人脈の形成にもつながるものです。
一方で、副業によって労働時間が増加するのも事実です。その疲労などが本業に悪影響を及ぼすことを危惧して、副業を認めていない会社も少なくありません。
求人数があまり多くない副業OKの会社を見つける方法はいくつかありますが、なかでも手軽に取り組めるのは、転職サイトや求人サイトで「副業OK」などの検索条件を指定して探す方法でしょう。まずは転職サイトや求人サイトを活用して、効率的な転職活動への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。