
現在、大手を中心に副業解禁に踏み切る企業が増えています。また、副業に関心を持つ人も増加傾向にあります。
しかし、副業を認めることに抵抗のある企業もいまだ少なくはありません。
この記事では中小企業が副業を認めるメリットとその効果について社労士が解説します。

1)副業・兼業をめぐる社会動向
民間会社の調査によると、2022年に副業・兼業を実施した人の割合は全体で調査対象者の約1割程度でした。このうち4割の人はコロナ禍がきっかけで副業・兼業に関心を持ったと答えています。ここから、在宅ワークなど副業に取り組みやすい環境が整い、またオンラインで完結する求人が増えたことが、労働者が副業・兼業に取り組みやすい状況に繋がっていることが示唆されます。
企業もまた、こうした状況を受けて副業を認める方向に進んでいます。従業員の兼業・副業を認める制度があると回答した人事担当者の割合は年々増加し、51.8%に達しました。
また、企業の副業・兼業人材の受け入れについてはポジティブな意見が多く、受け入れを実際にした企業のうち64.3%が「業績・生産性向上につながっている」、74.2%が「事業推進上プラスの効果があったと感じている」と回答しています(参照:「兼業・副業に関する動向調査2022」データ集|株式会社リクルート)。
2)副業を解禁した企業が得ている効果
前述の調査では、企業が副業を解禁したことで得られる効果について、下記のような結果が出ています。
- ①人手不足を解消することが出来た 47.4%
- ➁社内人材にはない知識やスキルを持った人材を確保することが出来た 46.8%
- ③イノベーションの創発や新事業開発につながった 37.5%
- ④多様な働き方が促進された 30.5%
- ➄組織文化や風土の変革につながった 27.6%
注目すべきは、理由の1・2位が人材獲得に関するものになっているということです。
昨今、正社員雇用は人材不足で採用難が続いており、また最低賃金・物価の上昇などで人材一人当たりの人件費は高騰傾向にあります。事実、企業が『人手が不足している要因』を調査したアンケートでは、「条件に見合った人材から応募がない」と回答した企業の割合が54.6%となり、最も高くなりました(参照:企業における人材確保・人手不足の要因に関するアンケート|帝国データバンク)。人材不足を感じていない企業では賃上げによる効果が高いことから、資本力で大手に劣る中小企業では採用に苦難している状況がうかがえます。
だからこそ、副業・兼業者を受け入れることは企業の人材獲得にとって大きなプラスになるのです。

3)副業・兼業者の活用が中小企業の人材獲得に与えるメリット
企業が副業・兼業者を受け入れることによる人材獲得上のメリットはいくつもあります。ここではその具体的な3つのメリットをお伝えします。
①即戦力が雇える
企業にとって、通常採用には教育する工程が伴います。その教育には一定の費用と時間がかかります。また、教育したからといってすぐ望んだような実績を挙げられるとは限りません。
しかし、副業・兼業人材はそもそも一定の能力・スキル・経験をもっていることが多く、採用時に業務に即対応できる人材を採用することが出来ます。また、過去の実績も選考時に確認することが出来るため、イメージと異なる人材を採用するリスクを低減させることが出来ます。
➁プロジェクト単位で雇える
副業・兼業人材を企業に迎え入れる場合、多くはプロジェクト単位で迎えていくことになります。常用雇用ではなくプロジェクト単位で雇入れることが出来るため、かならずしも全社で導入する必要はなく、「お試し」で取り入れていくことが可能です。正社員を貼りつけて対応させることが必ずしも求められない部署だけで導入する、常用雇用するほどではないといった規模の業務を試験的に導入する場合などには有効に活用できるでしょう。
③雇用ではなく業務委託でアサインできることも
プロジェクト単位で仕事を任せる場合は、任せたい仕事がはっきりしておりプロジェクトのゴールも見えやすい状態であるため、場合によっては「直接雇用」ではなく「業務委託(請負計約又は委任契約、準委任契約)」形式での仕事の依頼も可能です。業務委託の場合は直接雇用に比べて企業からの指揮命令権がないというデメリットはありますが、直接雇用する場合に比べて社会保険などの加入義務がないなどコスト面でメリットがあるほか、かりにその後雇用することも検討する場合、一種の試用期間のように双方の考え方や能力を見極める期間としても利用できるため、ミスマッチのない採用にも効果があります。

4)中小企業こそ副業・兼業人材を活用すべき
即戦力となる人材を求めている企業や、自社で十分な研修体制を整えることが難しい中小企業にとって、副業・兼業人材の活用は有効な選択肢の一つです。
また、副業・兼業人材の受け入れは、人手不足の解消だけでなく、新しい知識や視点を取り入れられるほか、社内のコミュニケーション活性化や業務の見える化につながるなど、さまざまなメリットがあります。
受け入れ体制の整備に課題を感じる企業もありますが、それ以上に得られる効果は大きく、企業成長につながる採用戦略として注目されています。
「自社でも導入できるのか相談したい」「採用課題に合った方法を知りたい」という方は、採用支援を行うGSパートナーズもぜひ参考にしてください。
参考:採用支援|中小企業求人部DX.、求人DXサポーター、動画作成DX、人材エージェントサービス|株式会社ジーエスパートナーズ