今、日本ワインがアツい!豊橋のテロワールを表現したワインとは?
今年もボジョレーヌーヴォーが解禁されましたね!
早くもボジョレーヌーヴォーを味わったワイン通の方も、これから飲まれる予定の方にも、知って頂きたいワインが、ここ豊橋にあります。
今、日本ワインは世界で注目を集めています。日本各地で生産され、産地やぶどうの品種によって味わいや特徴の異なる個性豊かなワインを、沢山選べるようになってきています。
しかし、あまりの豊富さに、どれを選んだらいいのか迷うこともしばしば。そんな時にワイン選びの選択肢として、知っておいてほしい言葉があります。それは、「テロワール」(Terroir)という言葉です。テロワールとは、ワインの原料となるぶどう畑を取り巻く、気候や土壌などの自然環境要因のことをいい、ワインの個性を決める、大事な要素の一つです。
これから紹介する豊橋産ぶどうのワインは、豊橋産まれ豊橋育ち、豊橋百儂人の葡萄儂人でもある岩瀬さんが、豊橋のテロワールを表現できる個性的なワインを作りたい!
という、アツい想いから出来上がったワインです。
少し長い記事になりますが、これを読めばボジョレー ヌーヴォーが話題になる時期と、クリスマスしかワインを飲まないそこのあなたも、テロワールを表現したワインを飲んでみたくなるはず!3分ほどお付き合いください!
豊橋ワインはどこで作られているの?
JR東海道新幹線の「ひかり」停車駅である豊橋駅から車で30分、東名高速道路がすぐ横を通る愛知県豊橋市石巻地区に、今回の記事の主役、豊橋産ぶどうのワインの産地は位置しています。ワイン用のぶどうを生産するのは、チロルの農園(岩瀬果樹園)。
鉄道・自動車双方のアクセスが良い地にありながら、驚くほど自然豊かな石巻地区で“豊橋初”となるワインづくりにチャレンジしています。
石巻にあるぶどうの圃場と、笑顔の岩瀬さん
ゼロから作り上げる豊橋ワイン
ワインづくりを行う岩瀬さん、農家になる前はテニスのストリンギング(糸張り)をしていました。長男誕生を機に農業の世界に飛び込み、先代から続く岩瀬果樹園のこだわりを表現するために、新しいことに挑戦してきました。その一つが、厳選したフルーツをブランド化した「チロルの農園」です。
岩瀬さんは次に、大学生時代に山梨で甲州ワインと出会って以来、大好きだったワインづくりに挑戦し始めます。
新しい挑戦には困難がつきもの。ゼロからのワインづくりにも、幾つもの困難があります。そのうちの一つをご紹介します。
ワイン製造を始めるには、酒税法に定められた免許を受ける必要があります。この免許を受けるには、年間6,000リットル(ワイン1本750mlとしたら、約8,000本!)もの量を生産しなければ、受けることができません。例外として、所属する自治体が国の構造改革特区「ワイン特区」の認定を受けていれば、年間2,000リットルの生産量で、免許を受けることができます。
岩瀬さんは豊橋の地にワイナリーを設立するために地道な活動を行い、豊橋市がワイン特区の認定を取得できるよう、行動してきました。
最高の果樹栽培技術でつくる、ワイン用ぶどう
チロルの農園で栽培するワイン用ぶどうはマスカットベーリーAという品種です。
このぶどうの生産には、岩瀬さんがチロルの農園で培ってきた、最高の果樹栽培技術が惜しみなくつぎ込まれています。
果樹栽培の基本は木を元気にさせること、と岩瀬さんは語ります。木を元気にさせるためには益虫を駆逐しないことが大事であり、農薬の使用は害虫が多く発生する時期にだけ、必要最小限の量を散布しています。
また、農業は「物質循環業」とも。畑から利用した有機的な物質を畑に戻すため、なんと、役目を終えた「畳」や、キノコの菌床を土づくりに利用して、有機土壌をつくりあげています!これまでに使用した畳の数は6,000枚以上!斬新なアイデアが豊橋ワインを一層美味しくさせています。
また、それらの取組が、環境保全型農業を実践しているとして、愛知県からエコファーマーの認定を受けました。
紹介したような斬新なアイデアを実践しながらも、普段の作業は超丁寧な岩瀬さん。
美味しいぶどうを作るべく、日々、土づくり、剪定、摘花・摘果・摘粒、誘引(新梢管理)、草刈り、収穫作業に真摯に取り組んでいます。
ひとふさひとふさ、真摯に向き合います!
いざ試飲!
今回頂いたのは、2021年産の「いわせさんちのワイン」(750ml、ロゼ)
ワインボトルは、チロルの農園のイメージで作成したかわいいラベルと、ロゼワインの鮮やかな赤が印象的です。
軽く冷やして開栓し、愛用の槍ヶ岳ロックグラスに注ぐと、槍ヶ岳を染めるモルゲンロート(朝焼けで山が赤く染まること)が現れました。まだ飲んでいませんが、美しさで既に大満足です。
気を取り直してグラスを揺らすと、爽やかな香りが広がります。一口いただくと、香りのとおり爽やかで軽い飲み口で、心地の良い酸味が口の中に広がります。
爽やかな晴天の中取材した圃場の風景と、岩瀬さんの輝く笑顔が思い浮かぶ味わいで、岩瀬さんから伺った、「豊橋のテロワール」を感じることができました。
槍ヶ岳ロックグラスを赤く染めるロゼワイン
三河地域初となる、ワイナリーの立ち上げを目指して!
岩瀬さんに今後の展望を伺いました。
岩瀬さん「現在、醸造は愛知県内のワイナリーに委託していますが、2026年度に農園のすぐ近くに、豊橋新城スマートIC(仮称)が整備される予定があり、それまでに自社ワイナリーを立ち上げることを目標に、ワインの生産販売、ワイン用ぶどうの栽培・醸造技術の確立や、よりおいしいワインづくりのための研究をおこなっています。
今は赤とロゼのみの生産ですが、今後は巨峰や甲州などの品種を使用して赤・ロゼ・白・オレンジワインなどにも挑戦していく予定です。ゆくゆくは、柿などを使った果実酒ワインも作りたいですね。
完成したワインは、自社販売、地元出身者や地元企業(三遠ネオフェニックス)とのコラボ販売、市内酒販店で販売しております。是非一度、手に取ってみてください!」
「また、様々な分野の方々から協力・応援を頂きながら、ブドウの栽培からワインの販売まで手掛けることで、弊社の目指すワインづくりの目標を定めました。それは、
「豊橋、東三河のテロワールを表現できる個性的な豊橋ワインを作ること」
この目標に向かって、長いスパンでワインづくりに取り組んでいきます。」
委託先のワイナリーで、ワインの醸造を研究中
取材を終えて
原材料のぶどうから全て手作りのワイン、ワイン好きな方ならば究極の夢ではないでしょうか?明るく優しく爽やかで、チャレンジ精神にあふれる岩瀬さん、周囲の方に期待され、信頼されるお人柄を感じました。
また、チロルの農園では、ワインづくりに一緒に挑戦してくれる方を募集しています。
ご興味を持って頂けた方は、TASUKIの求人情報をチェックしてみてください。
チロルの農園(岩瀬果樹園)の情報はコチラ!
代表 | 岩瀬宏二 |
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住所 | 愛知県豊橋市石巻西川町字北之谷60-2 |
TEL | 0532-88-3984 |
WEB | チロルの農園公式HP https://iwasekajuen.com// |
SNS | Facebook https://www.facebook.com/iwasekajuen/ https://www.instagram.com/thirorunonouen/ |