皆さんは、タクシーをどんな時に利用しますか?旅行や出張先、終電・終バスに乗りすごした時や、自家用車を運転しない人など、何度も助けられたのではないでしょうか?早朝でも、街が寝静まってからでも、ハンドルを握りどんな遠いところも目的地まで送り届けてくださるドライバ―さんには頭が下がります。
今回は、タクシードライバーってどんな風に仕事をしているの?という疑問に応えるべく、一日の仕事の様子を東海交通ベテランドライバ―、日中さんに教えていただきました。
タクシードライバーってどんな風に仕事をしているの?
東海交通株式会社 日中裕次さん(入社5年目)
一日の流れ
出勤形態は、日勤と夜勤の大きく2つに分けられていますが、始業時刻はもっと細かくグループ分けされています。午前の出社時刻は5時から9時までの4時間、1時間ほどの時差をおきながら5つの班に分かれていました。
今回は、典型的なタクシードライバ―の一⽇として日勤者のタイムスケジュールを紹介します。
6:30 出社
まずは、体調チェックから始まります。アルコールチェック、血圧測定、睡眠時間、薬の服用や前日の飲酒の有無など健康状態を細かくチェックしていきます。コロナ禍の今でこそ当たり前になっている体温チェックですが、コロナ前から導入されていたそうです。
そして、ここで気になったのが聞き慣れない『PSI』の文字。
これは、運輸局も推奨しているバイオリズムPSI理論といい、Physical身体、Sentiment感情、Intelligence知性の頭文字をとっていて、この3項目のバイオリズムから、その日の運転で気を付けるべきポイントを示してくれるそうです。このバイオリズムは、ドライバ―それぞれの生年月日から割り出されているので、一人ひとり異なります。まるで朝の情報番組で見る『今日の占い!』のようですが、「結構合っているんです。」と日中さんも絶賛。
「歩行者に気を付ける」や「お客さまの忘れ物注意」などその日に気を付ける点から注意点も具体的でピンポイント。業務にあたり「安全に、安心に」という思いは常にあっても、こうやって細かく言語化し注意点として示されると、改めて安全のためにすべき事が再認識できますよね。運転が少々苦手な筆者も交通安全を改めて確認するため、このバイオリズムを知りたいと思いました。
6:45 車両点検
人間の健康チェックの後は、車両の健康チェックです。ボンネットを開けてエンジンルームの様子を、また運転席ではブレーキペダルの踏み具合、エアコンの効き具合、外回りでは排気ガスの臭いまで、味覚以外の五感をフル活用し隅々まで確認します。こちらも確認項目がたくさんありますが、毎日同じ項目をチェックしています。安全に対する徹底した管理がされていることがわかります。
7:00 出庫点呼
出庫点呼は営業所管理者がドライバーごとに対面で行い、個人ごとの体調を確認します。その後、出勤時刻で分かれている班ごとに点呼を行います。点呼場所の壁には、掲示物が何枚も貼ってありました。これは、その日の交通情報や、イベント情報などお客さまを安全に、そして無駄なく的確に目的地まで送り届けるための重要な情報です。これらの情報やその日の天候を皆で共有します。
さらに安全運転のための行動規範を読み上げます。
ドライバ―の健康チェック、車両の点検、さらに、声に出して安全運転を再確認。『安全確認』が何重にも行われていました。
これで、営業がスタートです!
行ってらっしゃい!!
12:00 休憩
仕事の状況により前後することもありますが、ほっと一息つける時間です。
お昼は、営業所に食堂があり、安くて美味しいランチが食べられます。
13:00 昼の営業スタート
ドライバ―がタクシーに乗り込んでまず操作したのは、運転席と助手席の間にあるカーナビゲーションシステム。実は、ここに営業を効率的に進める東海交通さん独自のどすごい最新システムが隠されていました。
ピピっと簡単な画面タッチ操作で、今、どこの待機場所に何台のタクシーが待っているのか、また空車で走っているタクシーは何台か、それらはどの地域を走っているのかなど仲間の営業の様子が分かります。この小さな画面の中に、営業が成功する情報がギュッと詰め込まれているんです!
このシステムによって、現在時刻や他の車の走行状況を確認しながら、どこの待機場所でお客さまを待つのが良いのか、ベストな方法を効率的かつ容易に導きだせるのです。
効率的に営業ができるということは、それは売上につながります。未経験からでもタクシードライバ―として十分に売上をあげられる秘訣のひとつが、このシステムにありました。
ベテランとビギナーのドライバ―とでは、その経験値の差が如実に売上に出てしまうのではないかと筆者は思っていました。しかし、その差をカバーできる現代のテクノロジーはすごい!カーナビを使う必要のないほど裏道まで熟知したベテランのドライバ―でさえも、売上UPのため、この営業効率化システムは積極的に活用しているんだそう。
乗務中はこのシステムを使って営業しつつ、配車センターから連絡を受けご予約のお客さまを送り届けます。
15:30 営業所へ戻り⾞両清掃、⽇報処理
一日の疲れをシャワーで流すかのごとく、相棒の車両をピカピカに洗車します。
ドライバ―と車両の組合せは一週間程度のローテーションになっているんだとか。こうすることによって、ドライバ―の癖で見逃した掃除すべき箇所などを、別のドライバ―がカバーしているそうです。
16:00 帰庫点呼 業務終了
売上金や走行情報などを報告し終了です。
お疲れ様でした!!
やりがいは「ありがとう。」
ドライバ―の皆さんに、仕事のやりがいや喜びを伺うと、多くの方から「お客さまの『ありがとう』が1番嬉しく、それがやりがいになっている。」との返答がありました。
リピーターのお客さまの中には、指名で予約する方、飲み物やお弁当を差し入れして下さる方もいらっしゃるそうです。
「お客さまにありがとうと感謝されることで、一日の疲れがとれます。」
と言う日中さんの笑顔が、この仕事を大切に思い、そして楽しんでいらっしゃる証であるように感じました。
誰かに必要とされていること、そして感謝されることって、ちょっぴり落ち込むことがあっても明日も頑張ろうという活力になります。
お客さまの命を預かる責任のある仕事ですが、「ありがとう」というやりがいを毎日ダイレクトに感じられることは、タクシードライバ―という仕事の魅力であると言えるでしょう。
東海交通では、現在運転士を募集しています。
7月30日(金)には、豊橋市内でバス・タクシー運転士として働きたい方をサポートする豊橋市主催の『バス・タクシー運転士確保支援事業』の説明会が開かれますので、運転士に興味がある、もっと知りたい、という方は是非ご参加ください。
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