
東三河の起業支援拠点・Startup Garageでコーディネーターとして活動する藤井琢也さんが、このたび「東三河ものづくり大賞」を受賞しました。
藤井さんは、製造業の品質検査に使われる光学装置を開発するスタートアップ「株式会社OptTech」の代表でもあります。
学生起業家としてスタートし、研究を事業へと発展させてきた藤井さん。
実際に挑戦してきた人は、今どんな視点で起業家を支えているのでしょうか。
受賞プロジェクトの裏側とともに、「挑戦することの本質」について話を聞きました。
▼Startup Garageについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
東三河ものづくり大賞とは

東三河ものづくり大賞は、地域産業の発展に寄与する優れた技術や製品を表彰する制度です。
主催するのは、豊橋商工会議所・豊川商工会議所・蒲郡商工会議所と近隣の2商工会で構成される東三河広域経済連合会。
地域の産業を支える経済団体が中心となり、東三河のものづくりを支援する目的で実施されています。
評価される主なポイントは次の3つです。
- 地域産業への貢献度
- 技術の独自性
- 将来性や波及効果
東三河は、自動車関連や精密部品など製造業が集積する地域です。
その中で評価されるということは、地域の産業界から技術力と将来性を認められた証とも言えます。
受賞者インタビュー

https://kk-ymg.co.jp/jp-065/ より引用
藤井琢也さんプロフィール

藤井琢也 さん
株式会社OptTech代表取締役。広島商船高等専門学校 電子制御工学科を卒業後、技科大に3年次編入。2021年1月、修士2年在学中にOptTechを創業し、2026年現在は6期目を迎える。
受賞したプロダクトについて教えてください
「私たちは、製造業の品質検査を自動化するための光学技術を開発しています。
工場では、完成した商品を撮影し、その画像を分析することで製品に傷や汚れ、へこみなどの不良がないかを確認する“外観検査”が行われています。
しかし、こうした微細な欠陥は、撮影時の照明の当て方によって映りが変わるため、正確に検査するのが難しいという課題がありました。
そこで開発したのが、“ハイブリッド照明技術”です。
この技術では、同軸・高角度・側方の3方向から光を当てる照明を一体化し、それぞれの光を電子的に独立制御できる仕組みにしています。
これにより、従来の照明では見えにくかった傷や打痕、シミなどを鮮明に映し出すことができます。
さらに、この映像データをAIの画像認識と組み合わせることで、検査の精度向上にもつながります。
また、放熱構造や電流制御も独自に設計し、従来と比べて10倍以上の高輝度を実現しながら、小型化と低価格化も両立しました。」

販売までは順調でしたか?
「正直、最初の2年間はほとんど売れませんでした。
ハードウェアなので、設計を一つ間違えるだけで数十万円単位のコストがかかります。
“あと何回失敗できるんだろう”“あとどれくらい資金が必要なんだろう”というプレッシャーは大きかったですね。
3年ほど前からターゲットを大手企業に絞り、撮像データの精度や排熱処理、故障時の安全設計などを徹底的に見直しました。
その結果、大手自動車メーカー2社に販売・納品することができました。
販売に至るまでの道のりは、本当に長かったです。
今年は量産体制を整えて、さらに広げていきたいと思っています。」
受賞につながった要因は何だと思いますか?
「一つは東三河という地域性だと思います。
製造業が強い東三河で、その中核産業に直接関わる技術だったこと。
もう一つは技術力ですね。
特許も取得していますし、他社では難しかったことを実現できた点を評価していただけたのではないかと思います。」
少し間を置いて、藤井さんはこう続けました。
「実は、学生の頃に豊橋青年会議所の催しに参加したことがあって、それが起業の大きなきっかけでした。
そのときに、“就職だけが道じゃないんだ”と気づいたんです。
だったら、豊橋でものづくりをしてみよう、と。
だからこそ、商工会議所主催のものづくり大賞を受賞できたことは、個人的にも本当にうれしかったですね。」
挑戦し続けるコーディネーターとして
Startup Garageでの役割
「私は主に、ものづくり系やIT系の相談を担当することが多いです。
他の相談員が事業計画書を一緒に作ったり、伴走型で支援することが多いのですが、私は技術的な視点から“できる可能性”や“リスク”、そして“できないこと”もはっきり伝えるようにしています。
夢を否定するわけではありません。
実現するために何が足りないのか、どこがボトルネックになるのかを明確にする、というイメージですね。」
── 実際にはどのような相談が多いのでしょうか。
「例えば、“地域の困りごとをアプリで解決したい”という相談です。
その場合は、アプリの構成を一緒に考えたり、開発費や運用コストを具体的に精査したりします。
ただ、“本当にアプリが最適解なのか?”という視点も大切にしています。
場合によっては、ハードウェアという選択肢のほうが適していることもありますから。
私自身も学生起業からスタートしています。
“何か始めてみたい”という段階の相談も、ぜひ歓迎したいですね。」
これから挑戦する人へ一言!
「最近はAIに聞けばある程度の答えが出る時代ですよね。
でも、ぜひ“ひとつのAI”だと思って、僕のところにも気軽に聞きに来てほしいです。
完璧な事業計画じゃなくていいです。
アイデアがぼんやりしていても大丈夫です。
まず話してみること。
それが最初の一歩だと思います。」
挑戦してきた人が、挑戦者を支える
売れない時間も、資金の不安も、設計ミスの重みも。
そのすべてを経験してきたからこそ、伝えられるリアルがあります。
Startup Garageには、実践を重ねてきたコーディネーターがいます。
もし今、挑戦を迷っているなら。
一度、話してみてはいかがでしょうか。
スポット情報

| 運営 | 株式会社サイエンス・クリエイト |
|---|---|
| 営業時間 | (平日)10:00〜20:00(土曜)10:00〜17:00 |
| 定休日 | 日曜・祝日(年末年始など) |
| 電話番号 | 0532-44-1117 |
| 公式サイト | https://startupgarage.jp/ |
