
転職活動中には応募先企業から「在籍確認」をされる場合があります。「拒否したら内定が取り消される?」と不安に思う人も多いでしょう。
在籍確認は、特に金融業界など信頼性が重視される業界で実施されています。企業が在籍確認を行う目的は、信頼できる人材を採用することです。確認を拒否すると虚偽の申告を疑われるリスクもあるため、適切な対応が大切です。
この記事では、在籍確認の概要や行う理由、注意点について解説します。
在籍確認とは?
在籍確認は、企業が応募者の職歴や職務経験が事実と一致しているかを確認する手続きです。経歴詐称を防ぐ目的で実施され、内定前後や最終面接の前後で実施されることが一般的です。企業側にとっては、採用リスクを減らし、信頼できる人材を確保するための重要な手段となります。
近年では、在籍確認を行う企業は減少しており、多くの業界では実施されていません。しかし、金融業界など信用をより重視する業界では在籍確認が行われるケースがあります。
転職活動においては、在籍確認が実施される可能性を考慮し、提供する書類には正確な情報を記載することが大切です。不正確な情報を記載すると、後から誤解を招いたり、内定取り消しにつながるリスクもあります。信頼性を高めるためにも、過去の職歴を正直に伝え、スムーズな転職活動を進めましょう。
転職時の在籍確認は違法?
転職時の在籍確認は、本人の同意があれば違法ではありません。しかし、転職者の同意なしに行うと個人情報保護法第27条に違反します。この法律では本人の同意なしに個人情報を第三者に提供してはいけないと定められています。
転職活動を前職の上司や同僚に知られたくない場合もあり、同意なしでの確認はトラブルの原因となります。もし事前の同意なく在籍確認を行う企業があれば、個人情報の管理が甘い可能性があるため注意しましょう。
企業が在籍確認を行う理由
在籍確認を行う理由は大きく3つ挙げられます。
- 職歴詐称を防ぐため
- 現職での勤務状況や勤務態度を知るため
- 信頼できる人材を採用するため
詳しく解説します。
職歴詐称を防ぐため
企業は、職歴詐称を防ぐために在籍確認を行います。多くの企業は、採用活動で応募者のスキルや経験を重要視するため、その情報が正確であるか判断することが必要です。
例えば、履歴書に「大手広告代理店で5年間、マーケティング業務を担当」と記載していても、実際には1年しか勤務していなかったり、事務職だったにもかかわらずマーケティング担当と偽るケースがあります。企業がこうした詐称を見抜くため、在籍確認は重要です。
職歴詐称が発覚した場合、応募者は内定取り消しを言われる可能性があります。正確な経歴を記載し、誠実な姿勢で転職活動を行うのが、最終的には応募者にとっても有利に働くでしょう。
現職での勤務状況や勤務態度を知るため
もう一つの理由は、応募者が面接などで答えた現職または過去の勤務先での勤務状況や勤務態度が正確かを確認するためです。
例えば、前職の上司や同僚が「この人は期限を守らず、顧客対応に問題があった」と評価した場合、採用を見送る可能性が高くなります。反対に「チームワークを大切にし、顧客からの信頼も厚かった」といったポジティブな情報が得られれば、企業にとって採用の後押しとなるでしょう。
上記のように、在籍確認により応募者の勤務状況や勤務態度に関して第三者の客観的な意見がわかるため、企業は信頼性のある情報を得られます。
信頼できる人材を採用するため
企業が在籍確認を行う大きな目的は、信頼できる人材を採用することです。企業は、新しく採用する従業員に対して給与を支払い、業務を任せるため、採用する人材が信頼に足るかどうかを慎重に見極める必要があります。信頼できる人材を採用することは、企業の業績や組織の安定性に直結するため、在籍確認は重要です。
特に、責任のあるポジションや顧客との関係を築く業務に携わる場合、過去の勤務先での実績や信頼性が重視されます。
例えば、ある銀行が管理職として応募者を採用しようとした際、前職の勤務先で「顧客情報の管理に不備があった」と言われれば、採用を見送る可能性が高くなります。一方で、「過去に重要なプロジェクトを成功させた」「チームを牽引するリーダーシップがあった」と評価が得られれば、企業は安心して採用できるでしょう。
在籍確認に伴う注意点
転職者が在籍確認を受ける場合、2つの注意点があります。
- 現職の会社に転職活動がバレる可能性がある
- 拒否すると虚偽を疑われる可能性もある
それぞれ解説します。
現職の会社に転職活動がバレる可能性がある
在籍確認により現職の会社に隠れて転職活動をしていることがバレる可能性があります。転職を考えていることを上司や同僚に伝えていない場合、在籍確認をきっかけにバレてしまいます。その結果、社内での立場が悪くなったり、評価に影響を与えたりしてしまうかもしれません。
在職中に転職活動すること自体は違法ではありません。日本国憲法第22条第1項では、職業選択の自由が保障されており、自分の意志で転職先を選べる権利があります。
しかし、会社という小さなコミュニティの中では、転職の意思が明るみに出たことが原因で働きにくくなったり、退職を急かされたりするケースも実際には考えられるでしょう。
拒否すると虚偽を疑われる可能性もある
在籍確認は原則として本人の同意なしに行うことはありません。ただし、在籍確認を拒否すると、採用担当者から「何か隠しているのではないか?」と疑われる可能性があります。
職歴詐称を防ぐために在籍確認を重視する企業では、在籍を証明できないのを理由に内定を取り消すこともあり得るでしょう。そのため、無闇に拒否するのではなく、適切な説明をして納得してもらうのが大切です。
どうしても在籍確認を断りたい場合は、現職に転職活動していることを話していないため避けてほしいなど、相手が納得する理由を伝える必要があります。
在籍確認を受けるメリット
在籍確認を受けると、応募先企業が求職者の経歴に間違いがないと把握できるため、スムーズに採用を進められます。これにより、求職者は自身の職歴やスキルを証明しやすくなり、信頼性を高められるでしょう。
例えば、求職者が「前職でプロジェクトマネージャーとしてチームを率いた経験がある」と履歴書に記載していた場合、在籍確認を通じて、企業はその経験が事実であるのを確認できます。在籍確認により第三者の意見があるため、求職者の信頼性が高まり、採用担当者が安心して選考を進めることが可能です。
また、在籍確認は企業が正式に内定を出す前の最終確認の一環でもあるため、受けることで内定の確実性が高まります。万が一、経歴詐称が疑われる場合でも、適切な確認を通じて誤解を解消できる点もメリットの一つです。
転職中の在籍確認に誠実に対応して信頼性を高めよう
転職時の在籍確認とは、職歴や職務内容が正確であるかを企業が確認する手続きです。近年では、在籍確認は減ってきていますが、金融業界など信頼性が重視される業界では、今も実施される場合があります。
企業が在籍確認を行う理由は、主に職歴詐称の防止、勤務態度の確認、信頼できる人材の確保のためです。応募者の職歴が正しいかを確認し、実際の勤務態度を知ることで、企業の価値観に合った人材を選定します。特に責任のあるポジションでは、過去の実績や信用が重視されます。
在籍確認を拒否すると職歴詐称を疑われる可能性もあるため、どうしても避けたい場合は現職に転職活動していることを話していないと正直に伝えましょう。在籍確認は、自身の信頼性を高めることにつながるため、誠実に対応してスムーズな転職活動につなげましょう。