小さい会社に転職するメリット・デメリット

小さい会社に転職を考えている方の中には、待遇面や教育面などで不安がある方はいるのではないでしょうか。この記事では、小さい会社に転職するメリット・デメリット、小さい会社が向いている人の特徴について解説していきます。

小さい会社とは

小さい会社とは

小さい会社と聞くと、多くの方は零細企業や中小企業を思い浮かべるでしょう。これらの企業は、大企業とは異なる特徴があります。ここでは、零細企業と中小企業の定義や特徴について詳しく解説していきます。

零細企業は、従業員数が非常に少ない企業を指します。多くの場合、家族経営や個人事業主が該当します。柔軟な経営が可能で、地域に密着したサービスを提供することが多いのが特徴です。

業種 常時使用する従業員数
製造業・建設業・運輸業・他業種 20人以下
卸売業・サービス業・小売業 5人以下

(参考:中小企業・小規模企業者の定義)

中小企業は、零細企業よりも規模が大きく、より組織化された経営を行っています。地域経済の担い手として重要な役割を果たし、多様な産業分野で活躍しています。

業種 常時使用する従業員数
製造業・建築業・運送業・他業種 300人以下
卸売業 100人以下
サービス業 100人以下
小売業 50人以下

(参考:中小企業・小規模企業者の定義)

従業員数以外では、資本金の金額から会社の規模を考慮することもできます。

零細企業や中小企業といった小さい会社は、大企業とは異なる独自の魅力や課題を持っています。以下で、小さい会社に転職するメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

小さい会社に転職するメリット

小さい会社転職メリット

小さい会社に転職することで、大企業にはない5つのメリットが得られます。

  1. 幅広い仕事ができる
  2. やりたいことに挑戦しやすい
  3. 濃い人間関係が作れる
  4. 経営層に近いところで仕事ができる
  5. 自分の考えを業務に反映させやすい

それぞれ具体的に解説していきます。

幅広い仕事ができる

小さい会社の魅力の一つは、幅広い業務に携われる点です。大企業では、各部署や役職ごとに役割が明確に分かれていることが多いですが、小さい会社では境界線が曖昧になりがちです。

例えば、営業部門に所属していても、マーケティングや企画、ときには経理の仕事まで担当することもあります。こうした環境は、自身のスキルを伸ばす機会となります。様々な業務を経験することで、ビジネスの全体像を把握しやすくなり、将来的にはマネジメント能力の向上にもつながるでしょう。

やりたいことに挑戦しやすい

小さい会社では、経営層との距離が近いことが多く、自分のアイデアや提案を直接伝えやすい環境です。そのため、大企業よりやりたいことに挑戦しやすい傾向にあります。例えば、新規事業のアイデアといった提案も、経営層に直接プレゼンテーションする機会が得られやすいでしょう。

自分の提案が採用されれば、そのプロジェクトのリーダーとして活躍できる可能性も高くなります。このように、小さい会社では自分のアイディアを実現させやすい環境があり、やりがいを感じながら仕事に取り組める可能性があります。

濃い人間関係が作れる

小さい会社の特徴として、社員同士の距離が近いことが挙げられます。人数が少ないため、一人ひとりとより深い関係を築けます。大企業では同じ部署の人としか接点がない場合も多いですが、小さい会社では他部署の人とも日常的に交流する機会が多いです。この環境は、お互いの仕事内容や個性を理解し合うことに繋がります。

例えば、困ったときに気軽に相談できる同僚ができたり、仕事以外の話題でも盛り上がれる仲間ができたりするでしょう。こうした濃密な人間関係は、仕事のモチベーション向上にもつながり、長期的なキャリア形成にも良い影響を与えます。

経営層に近いところで仕事ができる

小さい会社の大きな特徴として、仕事の内容や意思決定プロセスにおいても経営層と密接に関わる機会が多いことが挙げられます。このような経験は、ビジネスを理解する上で非常に貴重です。

特に将来独立や起業を考えている人にとっては、小さい会社で経営層の動きを間近で見たり、ときには関わったりする経験は大きな財産となるでしょう。経営者がどのように意思決定を行い、どのような課題に直面しているかを直接見聞きすることで、経営者としての視点や考え方を学ぶことができます。

自分の考えを業務に反映させやすい

小さい会社では、組織の規模が小さいことから、個人の意見や提案が通りやすく、業務に反映させやすい環境があります。大企業では、新しいアイデアを実現するまでに多くの過程が必要ですが、小さい会社ではより迅速に意思決定が行われる傾向にあります。

例えば、業務効率化のツール導入を提案したり、新しいマーケティング戦略を考案したりした際に、すぐに実行に移せる可能性が高いです。自分のアイデアが直接的に会社の業績向上や改善につながる経験は、大きな達成感と自信をもたらします。

小さい会社に転職するデメリット

小さい会社転職デメリット

小さい会社に転職するデメリットは4つあります。

  1. 業績により経営が不安定になる
  2. 雑務が多い
  3. 教育環境が整っていない場合が多い
  4. 労働条件で大企業に劣る

それぞれ具体的に解説していきます。

業績により経営が不安定になる

小さい会社の課題の一つに、経営の不安定さが挙げられます。大企業と比べて経営基盤が脆弱なため、市場の変化や経済状況の悪化に影響されやすい傾向です。例えば、主要取引先が倒産したり、大口の受注が突然キャンセルされたりした場合、会社の業績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。

このような状況下では、給与の遅配や削減、最悪の場合は会社の倒産といったリスクも考えられます。従業員にとっては、自身の雇用や収入の安定性に不安を感じる要因となります。

雑務が多い

小さい会社では、人員が限られているため、一人の従業員が担当する業務の範囲が広くなりがちです。メリットと考えることも可能ですが、同時に雑務の多さというデメリットにもつながります。具体的には、バックオフィス業務を兼務することが多くなります。

例えば、経理処理、備品の発注、清掃、来客対応など、本来の業務とは直接関係のない仕事も担当することになるでしょう。大企業であれば専門の部署や担当者がいる業務も、小さい会社では社員全員で分担するのが一般的です。

このような状況は、本来の業務に集中できない時間が増えたり、キャリアアップに直結しない仕事に時間を取られたりするため、モチベーションの低下につながる可能性があります。

教育環境が整っていない場合が多い

小さい会社の課題として、教育環境や研修制度が整っていないことが挙げられます。大企業では新入社員研修や階層別研修、専門スキル研修などが充実していることが多いですが、小さい会社では教育や研修制度が十分に整備されていない場合があります。

例えば、新入社員向けの導入研修が存在しなかったり、あっても短期間で終わってしまったりすることがあります。また、業務に必要なスキルを学ぶための専門的な研修も、予算の制約から実施できないケースも少なくありません。

このような環境では、主に OJTによる学習が中心となります。先輩社員から直接指導を受けながら仕事を覚えていく形式です。これには、実践的なスキルを身につけられるというメリットがある一方で、体系的な知識を習得しにくいというデメリットもあります。

労働条件で大企業に劣る

小さい会社の多くは、労働条件で大企業に比べて劣る傾向にあります。これは主に経営規模や財政状況の違いに起因しています。昇給や賞与の額は、会社の業績に大きく左右されるため、財政状況により異なる場合があります。

福利厚生面でも大企業との差が見られます。例えば、社員が利用する設備の充実や、各種手当(住宅手当、家族手当など)の種類や金額において、小さい会社では十分に整備されていないことが多いです。

また、キャリアの面でも大企業ほど明確でない場合があります。昇進・昇格の基準が不明確だったり、管理職ポストが限られていたりすることで、長期的なキャリアを描きにくいこともあるでしょう。

小さい会社に向いている人の特徴

小さい会社向いている人の特徴

小さい会社には、大企業とは異なる魅力があります。そのため、特定のタイプの人にとっては、小規模な環境で働くことが仕事の充実につながるでしょう。ここでは、小さい会社に向いている人の特徴を3つ紹介します。

経営を学びたい人

小さい会社は、経営を学びたい人にとって理想的な環境です。大企業では経営層と一般社員の距離が遠く、経営の実態を間近で見る機会は限られています。一方、小規模な会社では、社長や役員との距離が近く、日々の業務を通じて経営の過程を直接観察できます。

経営会議に同席したり、重要な意思決定の場面に立ち会えたりすることも珍しくありません。また、会社の財務状況や経営戦略についても、より詳細な情報にアクセスしやすい環境です。このような環境で働くことで、経営者の思考や行動を学び、将来の起業に向けて貴重な知見を得ることができます。

さまざまな経験をしたい人

小さい会社では、多様な業務を経験できることが大きな魅力です。大企業では専門性を重視するあまり、担当業務が限定されがちですが、小規模な会社では一人で複数の役割をこなすことが求められます。マルチタスクが得意な人や、ジェネラリストとして活躍したい人にとってはうってつけの環境といえるでしょう。

多彩な業務を経験できる環境下では、自然と幅広いスキルを身につけることができ、ビジネスの全体像を把握しやすくなります。また、新規プロジェクトの立ち上げや新サービスの開発など、チャレンジングな仕事に携わる機会も多く、自己成長のスピードが格段に上がります。

転勤したくない人

転勤を望まない人にとって、小さい会社は最適な選択肢となります。多くの小規模企業は単一の拠点で事業を展開しており、支店や営業所を持たないケースがほとんどです。そのため、入社後も同じ地域で長期的に働き続けることができます。これは、地元での生活を望む人や、家族の事情で転居が難しい人にとって大きなメリットです。

転勤のストレスがない分、仕事とプライベートのバランスを取りやすく、充実した生活を送ることができるでしょう。

地元中小企業の求人を探してみましょう

地元中小企業求人

小さい会社に転職することは、大企業とは異なった魅力があります。大企業では、役割がしっかりと分担されてますが、小さい会社では幅広いさまざまな業務を行える可能性があります。また、経営層に近いところで仕事ができるのもメリットの一つです。一方、大企業に比べて経営が不安定だったり教育環境が整っていなかったりすることがデメリットとして挙げられます。

どのような会社でもメリット・デメリットは付き物ですが「経営を学びたい」「さまざまな経験をしたい」「転勤したくない」と考えている方は、小さい会社に転職するのはおすすめです。TASUKIでは地元の中小企業や小規模企業の求人が多数記載されています。ぜひ活用してみてください。