
営業ノルマを達成できないとクビになるのでは?と不安に感じる人は多いでしょう。ノルマが不安で営業職への転職を躊躇するケースは珍しくありません。
この記事では、営業ノルマが未達だとどうなるかを解説します。ノルマの良い面を知り、ノルマが不安でも営業職へ転職したいときのポイントを把握できれば、安心して営業職への転職を選択できるでしょう。
「そもそも営業職ってどういう仕事?」という方はこちらの記事を参考にしてください。
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営業のノルマは「目標」
ノルマとは、特定の期間内に達成しなければならないと企業が設定する仕事量のことです。
営業ノルマには売上や契約数などがあり、具体的な数値で設定されるのが一般的です。営業ノルマは企業が業績をあげるための目標として設定され、企業内の部署や個々の営業担当者に割り当てられます。
ノルマの捉え方は職場によって大きく異なります。本来、営業のノルマは「目標」であり、企業が営業担当者に業務の方針を示すものです。通常は、企業の業績向上や社員のモチベーションアップのために設定されます。
しかし、厳しいノルマを課してプレッシャーを与えることで、社員に売上を達成するよう強制する企業もあります。そのため、ノルマは厳しいというネガティブなイメージを持ち、営業職への転職を躊躇するケースは少なくありません。
一方で、ノルマを設定しない営業職を設けている企業もあります。ノルマのために数字ばかりを追い求めてしまうと、顧客のためにならないと考えているためです。顧客目線での営業をおこなうためにノルマを設定せず、社員が協力し合いながら業績を上げていこうという姿勢です。
営業ノルマ未達だとどうなる?
営業ノルマにはマイナスイメージがつきものですが、営業ノルマを達成できないとどうなるのでしょうか。ノルマ未達の場合、解雇にならなくても何らかの影響が出る場合があります。
ここでは、営業ノルマが未達だった場合に考えられることを具体的に解説します。
クビになることは原則ない
厳しすぎるノルマを押し付けられ達成できなくても、原則としてクビになることはありません。
本人に能力があっても達成できないほど厳しいノルマが課され、その未達を理由にクビになれば、不当解雇に該当する可能性が高いです。そもそも、達成するのが困難な厳しいノルマを課するのは、パワハラになりえます。
また、ノルマが未達だったとしても、「あと少しで達成できそうだった」など未達の程度が解雇になるほど大きいものではなかった場合も、ノルマが達成できないことを理由にクビになると不当解雇になる可能性があります。
ノルマには、必ず達成しなければならない法的な義務はありません。ノルマを設定するならば、企業側にも達成できるように環境を整えたり指導したりする責任があり、ノルマの未達がそのまま解雇の理由になることはないのです。
歩合給が少なくなる
給与は、毎月一定の金額が支給される固定給に加えて、営業成績によって変動する歩合給や、成績が良ければ基本給にプラスされるインセンティブなどがあります。
歩合給やインセンティブは売り上げや契約数などの営業成績に応じて支給額を決定するのが一般的です。そのため、営業ノルマを達成できないと、歩合給やインセンティブが減ったり無くなったりして、給与が少なくなる可能性があります。
歩合給があると見込んで毎月の生活費やローンなどの支払いを計算していると、万が一給与が想定より少なくなった場合に支払いが滞る恐れがあります。長期にわたって給与が少ないと家計を維持できずに再度転職する必要がでてくるかもしれません。
昇給・昇進に関する評価が下がる
昇給・昇進の基準は企業により異なりますが、営業成績が良ければ仕事の評価が上がり、昇給・昇進できるのが一般的です。
しかし、営業ノルマが達成できなければ、当然仕事の評価は下がります。結果として、昇給や昇進が困難になります。
営業ノルマの良い面
営業ノルマと聞くと良くないイメージがあるかもしれませんが、営業ノルマには良い面もあります。
例えば、以下のような良い面が考えられます。
- 目標や役割が明確になる
- インセンティブ支給や昇給の可能性がある
以下にひとつずつ見ていきましょう。
目標や役割が明確になる
ノルマとは企業が業績向上のために達成すべき売り上げや契約数の目標です。目標が定まることにより、自分の役割や業務遂行の目安が明確になります。
さらに、目標に向けて努力して達成できたときは達成感が得られます。また、仕事に対する自信もつくはずです。達成できた満足感がモチベーション向上につながるのが、具体的な目標を設定する良さです。
ノルマがプレッシャーではなく達成するべき目標として糧になれば、ノルマのある仕事でも積極的に取り組めるでしょう。
インセンティブ支給や昇給の可能性がある
前述のように、営業ノルマをインセンティブの支給の基準としている企業は少なくありません。ノルマを達成できれば、基本給に加えて歩合給やインセンティブが支給され、給与をアップできます。
また、ノルマを達成し社内基準を満たせれば、早期に昇給や昇進のチャンスをつかめる可能性があります。
実力主義の企業で給与アップや早期昇進を目指したい人には、ノルマのある企業は向いているといえるでしょう。
ノルマが不安な人が営業職に転職するポイント
ノルマは不安だけど営業職にチャレンジしたい場合は、以下のようなポイントを押さえて転職することにより、ノルマの不安を減らせます。
- スキルや力量に合った営業職を選ぶ
- ノルマが少なめの営業職を選ぶ
- ノルマに対する職場の意識を把握する
ここからは項目ごとに詳しく解説します。
スキルや力量に合った営業職を選ぶ
営業ノルマを達成できない原因のひとつに、スキルや力量の不足が挙げられます。
自分のスキルや力量を客観的に把握し、それに合った営業職を選ぶことで、自分にもできると自信を持って仕事に取り組めます。
転職活動時に注意したいのは、条件のいい仕事に就きたいばかりに、背伸びをしすぎてしまうことです。面接でスキルや経験を大幅に盛って話したり、自分を大きく見せすぎたりすると、企業側からの期待度も大きくなります。その結果、入社後のノルマ達成に苦労するかもしれません。
実力に合った仕事に就くことで、ノルマの不安を解消できます。
ノルマが少なめの営業職を選ぶ
ノルマが不安で達成する自信がない人は、ノルマが少なめの営業職を選ぶのも選択肢のひとつです。
例えば、ルート営業は顧客のフォローが中心になるため、新規顧客獲得のノルマは課されにくいでしょう。クロスセルやアップセルのノルマはあるかもしれませんが、ある程度顧客との信頼関係ができあがっている状態での営業です。新規開拓の営業に抵抗感がある人でも取り組みやすいでしょう。
また、カウンターセールスは反響のあった顧客にセールスするのが一般的であり、飛び込み営業や訪問営業のように相手方へ出向いて営業するプレッシャーは少ないといえます。
募集内容や面接で営業方法を確認し、営業ノルマがどれくらいあるのかを把握できれば、ノルマの少ない営業職を選べるでしょう。
ノルマに対する職場の意識を把握する
営業ノルマといっても、職場により捉え方が異なる場合があります。
絶対に達成すべきで未達だと責められるような職場もあれば、あくまで「目標」として捉えている職場もあるでしょう。
また、達成できなくても責めずに達成に向けて熱心にフォローしてくれる職場であれば、スキルアップにもつながります。
ノルマに対する職場の意識や姿勢を求人や面接で把握し、入社後にこんなはずではなかったと後悔しないようにするのが大切です。
「ノルマ=悪」ではない!自分に合う営業職へ転職しよう
「営業職=ノルマ」「ノルマ=厳しい」というマイナスイメージから営業職を敬遠してしまうケースは多いです。ノルマが原因で営業職への転職をためらっているなら、実力や志向に合った仕事を選べば不安が和らぐはずです。
ノルマの良い面に目を向けてみるのもよいでしょう。ノルマ達成のためのフォローを受けられる企業であればスキルアップできるはずです。また、達成したときには自信がつきますし、昇給のチャンスも得られます。ノルマを「モチベーションアップの燃料」としてとらえると、営業職への転職に踏み出しやすくなるかもしれません。