転職平均回数

転職回数が多いと転職が不利になるのでしょうか?何度も転職を繰り返してしまうと、応募する企業からのイメージが悪くならないか不安になりますよね。今回は、転職回数が採用に与える実態と、転職回数が多くても転職を成功させるポイントを解説します。

これを読めば、転職回数が多い人でも安心して転職活動に臨めますし、採用されるチャンスが増えますよ。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

転職回数が採用に与える実態

転職回数_影響

転職回数が多いと、採用にどのような影響があるのでしょうか。悪影響があるのか・企業側のイメージ・短期の転職の影響などについて解説します。

転職回数が多いと採用に悪影響なのか

転職回数の多さが影響する仕事と、影響しない仕事があります。深く広い知識や経験を必要とする仕事は転職回数の多さが影響しますが、もともと転職者が多い業界や業種はそこまで影響しません。

例えば管理職などの業種は多くの経験や深い知識などが必要とされるため、転職回数が多いと経験や知識不足と見なされる可能性があり、よい影響があるとはいえません。しかし以下のような仕事はもともと転職する人が多いので、悪影響はそれほどないといわれています。

  • 電車・バスの運転手
  • 美容師・接客業・ホームヘルパー
  • 警備員・監視員
  • 機械修理工・自動車整備工

また、転職回数が多くても、明確な理由があれば採用担当者は理解してくれます。
例えば以下のような場合です。

  • 明確なキャリアプランがあり将来なりたい姿が明確な人
  • 自身のスキルを客観的に理解しており転職先でどんなことをしたいかが明確な人
  • 家庭の事情や職場の倒産など周りの影響で転職を余儀なくされた人

転職回数は多ければ不利、少なければ有利と、単純に分けられるものではありません。さまざまな理由で変わるので、今の自分の状況を正しく把握しておきましょう。

企業側が多いと感じる転職回数

実際企業側は、転職回数の多さを気にしているのでしょうか。株式会社リクルートが企業の人事担当者に実施した結果によると、採用担当者が「気になる」と感じる転職回数は以下のようになりました。

企業側_転職回数

参照:転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態

転職回数が3回~4回になると、気にする採用担当者が多いことがうかがえます。採用は、転職回数の多さだけが直接影響するわけではなく、転職希望者がどのようなキャリアプランを持っているか年齢・経験など、ほかの要因や状況なども含めて判断されるようです。

短期間での転職はどう影響するのか

転職希望者が短期間で転職してきた場合重要なのは、転職理由です。転職理由を具体的に把握しないと、希望者の状況がわからないからです。例えば以下の2つの場合、転職希望者の印象はまったく変わります。

  • やってみたものの前職は自分に合わない仕事だった
  • 家族が病気になってしまって仕事を変えざるを得なくなった

自分以外の要因で転職回数が増えてしまう場合は、仕方がありません。反対に「前職は自分に合っていませんでした」といわれると、企業研究をしない人、自分のスキルを客観的に見れない人と判断されてしまう可能性があります。

短期で転職する場合は、自身の状況をきちんと伝えたり、ポジティブな理由にいい換えて伝えたりする必要があるのです。

転職経験者の平均転職回数は?

オフィスでスマホを操作するスーツのビジネスマン

転職経験者の年代別平均転職回数です。自分がどこに当てはまるのかを確認してみましょう。

20代の平均転職回数

転職回数 20歳〜24歳 25歳〜29歳
1回 69.7 49.3
2回 16.9 23.9
3回 9.9 17.8
4回 1.2 5.9
5回 2.0
6回以上 1.2 1.0
不明 1.1

参照:​​厚生労働省 雇用の構造に関する実態調査/転職者実態調査/令和2年報告書統計表個人調査

20代の平均転職回数は、1回〜2回です。20代前半では7割以上、20代後半では半分以上が2つ以上の仕事を経験していることになります。

0代の平均転職回数

転職回数 30歳〜34歳 35歳〜39歳
1回 27.1 14.6
2回 24.9/td>

22.2
3回 23.6 25.0
4回 14.8 17.5
5回 3.5 8.3
6回以上 5.7 12.2
不明 0.3 0.2

参照:​​厚生労働省 雇用の構造に関する実態調査/転職者実態調査/令和2年報告書統計表個人調査

30代の平均転職回数は、2回〜3回です。30代前半では1回から3回までの割合は同じくらいですが、30代後半になると4回の割合も多くなります。

40代の平均転職回数

転職回数 40歳〜44歳 45歳〜49歳
1回 14.9 13.9
2回 12.9/td>

14.1
3回 20.0 22.6
4回 15.4 17.1
5回 11.5 11.7
6回以上 25.1 20.6
不明 0.2

参照:​​厚生労働省 雇用の構造に関する実態調査/転職者実態調査/令和2年報告書統計表個人調査

30代の平均転職回数は、3回〜4回です。40代になると3回と6回以上の割合が高くなります。

この記事を書いている私の場合、30代で3回の転職を経験しました。

  • 1回目:パチンコ屋店員→医療事務
  • 2回目:医療事務→乳製品宅配営業
  • 3回目:乳製品宅配営業→製造業

3回の転職先は割と転職離職が多い業界だったので、そこまで転職活動に苦労した記憶はありません。しかし3回目の時は30代後半での転職でしたので、ここで終わりにしないと後がないという危機感は持っていたように思います。

とはいえ大事なのは、採用を得るために希望する企業に対して何ができるのかをアピールすることです。しっかり企業研究し、自分ができることやりたいことを明確にしておきましょう。

転職回数が多い人でも採用されやすくなるポイント4つ

勉強 在宅ワーク 自己啓発イメージ

転職回数だけが採用の決め手になるわけではないですが、採用担当者にとってひとつの指針です。そのため転職回数が多い人は、採用を得られるか不安になるでしょう。そこで転職回数が多い人でも採用されやすくなるポイントを4つ解説していきます。

転職理由を明確にする

転職理由を明確にしましょう。キャリアアップ、家庭の事情や前の会社の倒産など、受け入れられやすい理由があれば採用担当者にも転職回数が多いことを納得してもらえる可能性があります。

以前の会社を「やりたいことができなかった」「思っていた会社と違った」など、自身にも転職しなければならなくなった原因がある場合は、ポジィティブに変換して転職理由を伝えましょう。

  • 〇〇をやってみたいと考えそれが可能な御社で働きたいと考えたからです
  • △△業界で第一線をいく御社で〇〇にチャレンジしたいと思ったからです

マイナスと思われる部分でもポジティブに変換すれば、採用担当者によいイメージで伝わりやすくなります。

スキルとやりたいことを明確にする

自分がこれまでしてきたことやスキルを明確にし、希望する企業との共通点を探し出しましょう。転職回数が多くても、自社に必要なスキルと経験を持っている人材は欲しいはずです。

さらに希望する企業でどのような貢献ができるかまで明確にしておけば、採用担当者に活躍する姿をイメージさせられます。今までの経歴で得意な共通の業務内容がある場合には、その要素を明確に記述し自己アピールに繋げることが大切です。

経歴で一貫性に欠ける部分がある場合は、応募先の仕事内容に関連する経験に焦点を当てて記述しましょう。応募先の仕事内容と関連が薄い職歴については、経験よりも、自身の思考過程や課題解決能力、仕事への姿勢やスキルにフォーカスして伝えることが大切です。

中途採用が多くなる時期を狙う

転職回数が多い人は、中途採用が多くなる時期を狙ってみましょう。短い期間でより多くの求人を見つけられるので、転職回数を気にしない企業を探すことができるからです。

中途採用が多くなる時期は「2月・3月」「8月・9月」です。この時期を狙い、自己分析・転職サイト登録・ハローワーク登録など、転職の準備をしておきましょう。

▼転職に適した時期はこちらの記事で詳しく解説しています。

転職回数を偽らない

どんなに転職回数が多くても、転職回数を偽るのはやめましょう。嘘をついて入社しても嘘がバレた場合、解雇される理由になりますし、民法上の不法行為に該当する可能性があります。

転職回数を偽って入社するより、なぜその転職回数になったのか事実を伝え、ポジティブに転職理由を伝えた方が採用されやすいです。転職回数は正直に伝えましょう。

まとめ

男女 ビジネス オフィス

採用されるか否かは転職回数だけで決まるわけではありません。転職回数も含めさまざまな要因で決定されます。採用担当者からすると、応募者が今までどんなことをしてきたのかも気になりますが、重要視しているのは自社でどのような活躍をしてくれるのかです。

転職回数が多くて採用されるか不安な人は、転職理由・今までのスキル・経験を明確にし、いかに希望する企業に貢献できるかを軸に転職活動を進めていきましょう。

なお、転職回数が多い看護師の採用担当者の本音についてはこちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。参考:【年代別】転職回数が多い看護師でも大丈夫?病院や施設の採用担当者の本音とは?| 転職レシピ