2022年12月15日(火)、MUSASHi Innovation Lab CLUEにて、豊橋市主催の「東三河オープンイノベーションミーティング」の第一回が開催され、ムサシの新事業展開から学ぶ講座とデザイン思考のワークショップが事業会社やスタートアップメンバー等に対して行われました。
本プログラムは、起業家とサポーターのコミュニティ形成、連携体制を構築し、双方の発展を目指す豊橋市の事業「共創コミュニティ創出支援事業」の一環として行われる取り組みです。起業家とサポーターで作られた豊橋共創コミュニティを基礎に、起業家向けの勉強会とサポーター向け勉強会を経て、両者のピッチ&交流会が行われます。
この「東三河オープンイノベーションミーティング」では、Section1で武蔵精密工業株式会社常務執行役員の伊作氏より、既にさまざまな新規事業に取り組んできたムサシの実例から事業立ち上げのヒントを掴み、Section2でWonder Design CEOの早瀬氏よりワークを通じたデザイン思考を身につける手法を学びました。
武蔵精密工業株式会社 常務執行役員 伊作猛氏
豊橋はもちろん全国から注目される、ムサシのオープンイノベーションの取り組みを、その旗振役であるChief Innovation Officerの伊作氏より、実例を踏まえた事業立ち上げのコツを交えて説明いただきました。
伊作氏よりムサシの新規事業全体の話を聞いて、ムサシの取り組みはどれも自社の強みをよく理解し、それを世界のスタートアップと上手く連携することで、大きな社会課題や世界の目指す方向性に対し最先端のアプローチを図っているように感じました。
どの取り組みも、テンポ良くお話し頂いたため、上場企業だから流石だなあと流してしまいそうになりますが、当然ながら紹介いただいた新規事業はどれもムサシの本業とは異なった事業です。本来なら、逆に大きな企業であるからこそ動きにくいこともあるはずですが、スピーディーかつディープな開発や関係にまで入り込んだ取り組みを、いとも簡単そうに紹介してしまうところに改めてムサシの凄さを感じました。
この講演で何度か耳にした言葉が、「掛け合わせ」と「何度も痛い目を見た」という言葉です。まず連携の一歩目として「自社の強み」と外部技術との掛け合わせを、自らで想像できている点が最初のステップなのかなと感じました。相手との掛け合わせの可能性をどれほど想像できるかが、聴講している事業会社にもスタートアップにも大切なポイントとして受け止めた方は多かったのではないでしょうか。そして、残念ながらその目利き力はいきなりできるようになったものではなく、ムサシでさえも過去に何度も痛い目を見てきたと言います。挑戦をする中で痛い目を見ながらも、それを失敗と捉えるのではなく実験として受け止めるとこで経験を積み重ねてきたのが、本日のムサシを作っているということがよくわかる講演でした。
Wonder Design CEO 早瀬由芙氏
2014年に創業した会社を売却し、現在も2つの事業を同時に経営されている早瀬氏。今回は、本来数日かけて学んでいくデザイン思考の技術を、ギュッと凝縮した1時間で講義からワークショップまでを行っていただきました。
昨今、スタートアップのみならず広くビジネスの場でよく耳にするデザイン思考。しかし本当の意味を理解し実践している人はどの程度いるのでしょうか。テーマを決めて行われた今回のワークショップを通じて、いかに自分自身の理解がフワッとしたものであったかがよくわかりました。
まず、デザイン思考とは、人間中心の課題解決手法かつ健在的な課題が見えないところから潜在的な課題を見つけ出す手法を言います。
今回のワークショップでは「お財布プロジェクト」というワークを通じて、参加者が理想のお財布をデザインしていく中で、ニーズよりも深いところにあるインサイトを見つめていく機会になりました。
最後に
初開催となる東三河オープンイノベーションミーティングでしたが、本プログラム全体を通じて感じたことは、これを無料で受けることができる驚きでした。何よりも今回お話をしていただいたお二人ともが、第一線で活躍している人であるからこそ、参加者からは生きた情報として捉えることができたのではないでしょうか。
しかも、お二人とも同じ東三河に在住する講師のため、今後も継続的に学びを得ることができるきっかけになったのではないでしょうか。
【東三河オープンイノベーションミーティング#1 Supported by 共創コミュニティ】
主催 | 豊橋市 |
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運営事務局 | MUSASHi Innovation Lab CLUE(武蔵精密工業株式会社) |
協力 | 東三河スタートアップ推進協議会 |
HP | 豊橋共創コミュニティHP |