新型コロナウイルス感染予防のため、窓口業務等での飛沫感染防止の対策が急務となっている。そのため、多くの店舗や窓口でビニールカーテンや飛沫防止のための仕切りボードが置かれるようになっている。
 
しかし、ビニールシートや透明ボードなどの需要が逼迫しているため、資材の確保に遅れをとり、対応に苦慮している企業も出始めている。
 
飛沫感染防止の対策に困っているという声は、老津木工(有)の松井社長の耳にも届いた。
 

松井 誠 さん
老津木工有限会社
代表取締役社長

 
 
松井社長は、仕事のネットワークを活かして透明ボードを調達し、現場で働く従業員や来客者の安全性を確保する、飛沫防止パネルを製作した。
 

(完成品 手頃な価格の合板(奥)と除菌効果も期待される米ヒバ材(手前)の二種類がある)
 
 
 
老津木工(有)は、長年培った木材の知識と加工技術を活かし、小回りの利く対応を強みに、オーダーメイド家具の製作を行っている。
 
また、地元の豊橋技術科学大学と連携して、親子で楽しめるDIY椅子造りキット「POMchair」などの開発や、体験ワークショップなどを行っている。
 

 
今回も地元の金融機関から窓口対応の相談を受け、翌日には試作品を提供するなど、スピーディーに製作に取りかかったという。
 
 

パネルの特徴①


(出典:老津木工HP
急造のパネルといえども、利用者の立場に立った工夫が随所に込められている。
自立型で、ボードと脚部が取り外し式になっているため、組み立てと運び出しが簡単な造りとなっている。
加えて、縦横切り替えての使い分けが出来ているのが特徴だ。
 
横向きに使うと 横幅約99cm×高さ75cm(台座の高さを含む)×脚部の奥行き28cmのサイズ。
縦向きに使うと 横幅約63.5cm×高さ109.5cm(台座の高さを含む)×脚部の奥行き28cmのサイズとなる。
 
設置場所の状況に合わせて使い分けるのが良いだろう。
 
下部に10センチほどの空間を残し、来客者との資料のやりとり等がスムーズにできる仕様にしている。
 

(出典:老津木工HP
 
 
 

パネルの特徴②


 
組み立てに当たっては、ネジや釘などの金属を一切使っていない。
家具や建具づくりの技術を活かし、ほぞ組みによって制作しているのである。
 
さらに、中央のボードは塩ビ製で、取り外しが可能になっているため、営業終了後にボード部分の洗浄や消毒が容易になっている。
 

(出典:老津木工HP
 
ネジ止めや釘止めなどと遜色ない強度を保ちながら、ウイルスの付着に最大限気を使った造りになっている。
 

パネルの特徴③


 
他の飛沫ボードやビニールカーテンと異なる特徴として、コロナ終息後も有効活用出来る点が挙げられる。
 
こうした飛沫防止対策の現場の声として耳にするのは、「コロナ終息後の処分に困る」という点である。
老津木工が制作する飛沫防止パネルは、脚部の取り外しが可能であるため、コンパクトに収納が出来る。万が一の流行再来に備えて保管が効く。
 
 
また、オシャレで実用的な活用方法がある。

 
ボード自体は水溶性のマーカーで文字を描いたり消したりする事ができるため、ホワイトボード代わりに活用したり、宣伝パネルとして、企業の広告ツールとして活用する事も出来る。
 

 
 
また、中央の透明ボードを取り外せば、ハンガーラック代わりに使用する事が出来る。
 

 
 
 
こうして完成した飛沫防止パネルは、地元の金融機関をはじめ、携帯ショップや自動車学校、医療機関など様々な企業から問い合わせが来ているという。
 
自社で運営しているHPの製品ページにも、購入の窓口を設けている。
 
製品ページはこちら▽
→OITSUMOKKOU
 
 

同業者へ図面・デザインを無償提供


 
今回の取り組みについて、小規模な木工会社を対象に飛沫防止パネルの図面・デザインを無償で提供する予定だという。
 

松井社長
「新型コロナウイルスの影響で、経済活動の自粛により、オーダー家具・建具の受注は激減しています。
そのため、今のような自粛が続くと想定した場合、弊社だけでなく家族経営の小規模な木工会社にとって長期的に厳しい現実に直面することになります。
そこで、少しでも仕事・収入の創出に繋がればという想いと、受注が激増している飛沫防止パネルを少しでも早く届けるため、職人同士が手を組んで生産に取り組みたいという想いで、図面・デザインを無償で提供することにいたしました。」

 
 
新型コロナウイルス対策に協力をしたいという家具・建具の木工会社は是非【お問い合わせ】頂きたい。
 
※図面・デザインの無償提供は、受注が激減した家族経営の同業者を想っての対応につき、個人への提供は致しかねますので、ご了承下さい。
 
 

緊急事態宣言を乗り越えるアイテム


 
令和2年4月7日に発令された緊急事態宣言は、5月6日に1ヶ月を迎える。
 
営業を継続している企業や店舗でも「うつさない、うつらない」を徹底するため、ソーシャルディスタンスを保ち、三密を避ける取り組みが様々行われている。
 
生活を支えるインフラとなる産業では営業を継続しながら、窓口に立つ従業員を守るため、飛沫感染防止の対策が取られるようになった。
 
そんな中で社会のインフラを支える従業員の不安を軽減するアイテムだといえる。
 
 
 

おわりに

新型コロナウィルスの影響は、様々な生産に影響をあたえ、大手企業の生産休止も出始めている。
しかしながら、地元の困り事に耳を傾け、既存の技術を活かして製品化に取り組む姿勢から、東三河におけるものづくりの底力を感じた。
 
 
 
【会社情報】
老津木工有限会社
代表取締役:松井 誠
愛知県豊橋市老津町中聖38-1
電話番号:0532-23-2528
HP:https://oitsu-wood.com/
オンラインショップ:https://pomchair.thebase.in/
 
 
【会社紹介ページ】