食農産業マッチング交流会|愛知県

地域の企業・大学・行政の「食」と「農」の様々な取り組みを紹介する「食農産業マッチング交流会」が開催されました。

スタートアップから老舗企業まで11事業者が登壇し、食と農の課題解決に向けた最前線の挑戦を発表、会場を訪れた93名の参加者らと交流を行いました。

食の未来を描くヒントと、新たな連携の可能性が詰まったイベントをレポートします。

食農産業マッチング交流会とは?

本イベントを主催する食農産業クラスター推進協議会は「食と農」を中心に産業クラスターを形成し、地域の特性を活かした新商品開発や、新しい価値を創造する活動を行っています。

食農産業マッチング交流会とは

協議会による恒例イベントである「食農産業マッチング交流会」では、会員だけでなく食農産業関係者であれば出展できる交流の機会です。会場内の展示・商談ブース設置のほかに、事業アピールタイムとして食農に関する地域企業やスタートアップ企業によるショートスピーチが実施されました。

エディブルフラワーを6次産業化 ユタカコーポレーション株式会社

エディブルフラワーは全国生産量1位でありながら食品としての認知度が低いことに着目し、植物工場での完全無農薬生産から加工・販売まで一貫して行う6次産業化のプロジェクト計画を説明しました。

生花販売に加え、乾燥花、保存食、砂糖漬け、パウダー化などの多様な加工を検討し、飲食店向け業務用商品や体験型ギフト商品の開発も視野に入れています。

水不足で栽培がピンチ!株式会社木耳のお店 よび田屋

地域循環型農業を目指して無農薬・自社栽培した国産きくらげや加工品を販売中。現在5000個以上の菌床を管理し、日々10トン近くの水を使用していますが、深刻な水不足による井戸水枯渇という深刻な課題に直面しており、延命治療的な対応を余儀なくされている状況が共有されました。

そんな中で生まれたのが「おうちで育てる国産木耳(きくらげ)菌床キット」。ECサイトで販売のほか、イベント当日のブースでも販売が行われていました。

食農産業マッチング交流会_株式会社木耳のお店 よび田屋

誰もが災害時にも安心な食事を 株式会社オリジン

同社は約20年前に介護事業からスタートし、メディカル事業、産学連携によるリハビリ用具開発を経て、3年前にフード事業を開始しました。

今年の4月からアレルゲンフリーのレトルト食品製造を開始予定で、被災者全員が食べられる現実的な備蓄食の開発を目指しています。介護施設運営法人としての経験から、災害時の食事継続の重要性を強調し、行政・企業・家庭の三位一体での対応の必要性を訴えました。

国産コーヒーを東三河で生産 株式会社アスラン

日本のコーヒー消費量は世界第4位である一方、生産量は0.01%程度と輸入依存が99.99%以上という現状を指摘。豊橋市天白町で5年間にわたりコーヒー栽培を行い、現在800本を育成中です。

無農薬・手摘み収穫により循環型サイクルを確立し、栽培から加工・販売、副産物を利用した商品開発やブランド化まで一貫した6次産業化を目指しています。

食べられるスプーンでゴミ削減 株式会社勤労食

50年以上にわたり社員食堂運営を行っている同社は2020年から新規事業として食べられるスプーンを開発しました。

さまざまな味があり、着色料・香料・添加物は不使用。温かいものでも20-30分、冷たいものでも1時間以上の使用が可能で、最終的に食べることでゴミを削減できる環境配慮型商品です。

食農産業マッチング交流会_株式会社勤労食

“お土産にしづらい”問題を解決! 株式会社地元カンパニー

ミニギフトを店頭販売し、購入者がスマホから住所を入力すると後から現物が届く「あと配り土産」。設備や十分なスペースがなくてもさまざまな商品が観光地等で販売可能となり、購入者にとっても面倒な伝票記入や送料計算が不要に。

持ち運びにくい農産物やお酒など、「お土産にしたいけど買いづらい」品目の売り逃しを防止する新サービスです。

食農産業マッチング交流会豊橋市

プロフェッショナル人材を活用 公益財団法人あいち産業振興機構

地方の中小企業のための副業・兼業やプロボノ活動を通じた人材マッチングの制度が紹介されました。補助金制度もあり、プロフェッショナル人材活用に対し実質負担金を抑えて利用することができます。

日本一アグリテックフレンドリーなまちへ 豊橋市

多種多様な農業が営まれる中で異常気象や高齢化などの課題解決のため、地域農業者と全国のアグリテック企業をマッチングする取り組み「TOYOHASHI AGRI MEETUP」の紹介やアグリテック導入支援補助金について紹介されました。

食農の健全な発展を 東海農政局

国産農林水産物の取扱い増加を支援する企業に対する産地支援の取り組みや設備投資に対する補助金や2025年6月に成立した食料システム法が紹介されました。

GREEN OFFSHORE株式会社

中古温室に後付けで窓換気と灌水の自動化・遠隔化を実現する設備とシステムによって、数千万円から億単位する最新の環境制御温室に比べて格段に低コストで行えるスマート農業の導入が紹介されました。

窓の開閉や水やりはスマートフォンのブラウザ上で操作するハウスキーパーアプリを通じて個別に制御できます。

Floatmeal株式会社

北海道大学発ベンチャーとして、微生物を活用した水耕栽培により浮き草を効率的・低コストで生産しています。浮き草は大豆よりも高いタンパク質含有量を持ち、1日で約2倍に増殖する高い生産性と環境負荷の低さが特徴です。

4月から豊橋市下北町でのハウス生産開始を準備中で、原料提供、共同研究、自社ブランド販売の3つのビジネスモデルを展開予定です。

まとめ

今回の「食農産業マッチング交流会」は地域資源を活かした挑戦や課題解決によって“食と農の未来”を多角的に描く場となりました。

ショートスピーチ後の自由交流も大変盛り上がり、スタートアップから老舗企業、行政、支援機関までが一堂に会し、それぞれの強みを持ち寄ることで新たな連携やビジネスの可能性が生まれたことでしょう。

食農分野の健全な発展には、単独の取り組みではなく、クラスターとしての“つながり”が不可欠です。本交流会は、そのつながりを具体的なアクションへと変える起点となる場であり、地域から広がる次の一歩を感じさせるイベントとなりました。