2024年2月18日豊橋サイエンスコアで「食農産業マッチング交流会 -食と農の未来をつくるふれあいフェア-」が開催されました。
企業や自治体、学校などさまざまな団体の食農に関する出展や講演会、室内でのイチゴ収穫体験など内容盛りだくさん!“産業マッチング”というとすごくビジネスライクな印象がありますが、一市民として参加しても楽しいイベントでした。
そんな「食農産業マッチング交流会 -食と農の未来をつくるふれあいフェア-」の様子をピックアップしてご紹介します!
食農産業マッチング交流会とは?
主催は食と農に関わる異業種の連携による新たな価値の創出を推進する食農産業クラスター推進協議会。
企業や自治体、学生などが開発した商品や事業の紹介を行う「食と農の未来をつなぐ ふれあいフェア」では活発な情報交換が行われ、実際に商品の販売や試食を行っているブースもありました。
”未来をつなぐ”というタイトルの通り、新しい技術を活用したものや現代社会が抱える課題を解決するアイディアなど未来を感じる展示が行われていたのが印象的でした。
出張!室内イチゴ狩り体験
とても来場者に人気だった室内イチゴ狩り体験。会場はごく一般的な会議室ですが、中へ入ると……素敵なイチゴ狩り空間が!
農業機械や設備の製造販売を行う日本オペレーター株式会社は、先進的な植物工場で設備の実証実験としてイチゴ生産を行っています。
本イベントは独自開発したトンネルプランターを使って栽培したイチゴを会場に持ち込み、室内でのイチゴ狩り体験を実施しました。
2019年に始まったイチゴ栽培は2020年に生産量の少ない”夏イチゴ”の栽培に挑戦、さまざまな品種の栽培にもチャレンジしながら2022年にはお菓子製造も開始しています。
会場では収穫したイチゴの重さ当てチャレンジやオリジナルお菓子の販売などで老若男女が楽しんでいました。
竹島水族館 V字回復の軌跡! 館長による特別講演会
2024年4月にリニューアルオープンを控えている竹島水族館。日本で4番目に小さな水族館ながらコロナ直前には過去最高来場者数47万人を超えるという全国でも稀な施設です。
しかし、そんな竹島水族館も平成初期には日本でも最低レベルの入館者数の赤字体質、閉館の危機にさらされていた時代もありました。
そんな状況から現在の人気ぶりになるまでどのような取り組みが行われてきたのか? 館長の小林龍二さんから実際にどのような考え方や打ち手を行ってきたのかわかりやすくお話していただきました。
「超グソクムシ煎餅」や「カピバラの落し物」など人気の竹島水族館オリジナルグッズの開発エピソードでは、地元のお菓子屋さんやパッケージ会社と協業して魅力的な商品開発を行う手腕がお話しされました。
講演後には竹島水族館オリジナルグッズやV字回復の軌跡を綴った小林さんの著書などが当たる抽選会が行われ、こちらもまた盛り上がりました。
竹島水族館は3月いっぱいまで休館、4月にはリニューアルオープンし、さらに秋には拡張する予定とのこと。新しい竹島水族館はどのようになるのか、これからまたどんな新商品が開発されていくのか、楽しみですね!
未来の食農ビジネスはどうなる!? スタートアップピッチ
名古屋市にあるPRE-STATION Aiで活躍中の食農に関するスタートアップ企業3社が事業の紹介などを行いました。
日本の四季を世界へ届けたい Umai Japan株式会社
海外へ調査へ行ったことをきっかけに、日本の農作物の知名度向上や農産業の衰退を根本から止めたいという思いを強く持ったことから創業したUmai Japan株式会社。海外で好まれる味の調査や農作物の食べ頃をAIで判定する技術を使ってサプライチェーンを再構築し、日本の美味しい農作物を世界で販売することに取り組んでいます。
公式サイト https://umai-japan.jp/
自らも生産しながら有機農業の自動化を目指す 株式会社トクイテン
「持続可能な有機農業へのシフトを加速する」をミッションに、自らも生産者として有機栽培を営みながらAIとロボットによる有機農業の自動化を目指すスタートアップ。開発した収穫ロボットの紹介や将来的な全自動農園のイメージ動画などの紹介がありました。
公式サイト https://about.tokuiten.jp/
株式会社TOWING
農地の良質化を早める世界初のスマート土壌「高機能ソイル」を開発し、2024年2月に豊橋市と「持続可能な地域農業の実現に向けた取組みに関する協定」を締結したばかりの株式会社TOWINGが登壇。こういった地域自治体との締結は全国初で、地域で課題となっている未利用バイオマスの活用促進などが行われます。
公式サイト https://towing.co.jp/
地域や異業種との連携で新しい農と食の未来をつくる
古代から人類の生存と繁栄を支えてきた農業。しかし現代においては世界的な気候変動、人口増加、資源の枯渇、市場のグローバル化などさまざまな危機や変革に直面しています。
大きな社会課題を解決する時に必要とされるイノベーション。AIなど先進的な技術革新だけでなく、既存の何かと何かの新結合でもイノベーションは生まれます。
今回の食農マッチング交流会は地域や異業種の連携で起こるさまざまな新結合を感じられる機会でした。これをきっかけに、またあらたな新結合が生まれるといいですね。