2024年3月19日、豊橋市役所にて「衛星データで業務効率化・新規事業創出！まずは気軽に衛星データに触れてみよう」ワークショップが行われました。
前半は衛星データの基礎解説や実際に衛星データプラットフォームへアクセスして操作してみるワークショップ、衛星データ活用事例の紹介が行われました。
後半は令和５年度豊橋市衛星データ利活用促進支援事業補助金の成果報告として地域事業者による衛星データ活用サービス開発について発表が行われました。
実際に衛星データプラットフォームを触ってみよう！
前半のワークショップ、講師は一般社団法人リモート・センシング技術センター 高橋 典之 氏。省庁や自治体、民間企業、海外政府における衛星データ利活用の実証実験等に従事しています。
テーマは「非プログラマーのための衛星データの可視化体験」ということで、参加者はパソコンを使って実際に衛星データプラットフォームへアクセスして解説を受けながら操作することができました。
ワークショップの最後には衛星データの活用事例についても紹介されました。
農業への衛星データ活用事例
農地の情報は衛星データで判別しやすい情報のひとつです。農地がどういう状況下かを視覚的に表現したアプリケーションはすでに実際に活用されており、農林水産省からも衛星データを使った農地の調査マニュアルも公開されています。
またカーボンクレジットの観点から森林の増減を衛星データで調査するといった取り組みなど、さまざまな地域で衛星データの利活用が検討・実証されているそうです。
衛星データ利活用に取り組む2社からの成果報告
イベントの後半では令和５年度豊橋市衛星データ利活用促進支援事業補助金の成果報告が行われました。
株式会社sorano me
今回の補助事業ではコーヒー生産について農家や中間業者へ向けての衛星データ利活用によるサービスが検証されました。
コーヒー豆の消費量は年々増加している一方で気候変動の影響により従来のコーヒー栽培適地で同じ品種を育てにくくなるなど変化が起きています。農家が最適な品種の苗木が選定できるよう、衛星データによる土地の調査を行おうという取り組みです。
実際に衛星データによって可視化したレポートを持って農家や関連事業者にヒアリングを行いました。その結果、農家向けのサービスよりも将来的な顧客として想定していた中間事業者向けサービスという方向性を検討するに至りました。
フィードバックから事業化へ向けて今後もブラッシュアップを進めていくそうです。
株式会社IT工房Z
農地状況確認サービスを開発するため、地域自治体へのヒアリングを行うほかランディングページを作成して市場の反応を確認するなどの取り組みを行いました。
豊橋市の農地データと詳細な衛星画像データを組み合わせることで、現地に出向かなくても解析によって必要な情報を取得できる可能性があります。
ヒアリングからは田園の水張りチェックというニーズがあること、ランディングページからは東三河地域外からも問合せがあり、「作付状況の可視化」に衛星データ利活用の需要が高いことがわかりました。
今回の補助事業を通じて作付状況の可視化について観測地域を全国とするデモアプリを作成し、来年度から具体的に案件として進める予定だそうです。
会場からは同じく需要を感じるという声とコスト感などの質問が行われました。
自社の課題やアイディアを活かすには？
成果報告会の総括では、衛星データを実際に利活用する際の考え方が紹介されました。まずは衛星データを知り触ってみることが大切ですが、必ずしも自社でソリューションを開発する必要はありません。
衛星データを利活用できるITソリューションの開発者とタッグを組むことで、自社の課題やアイディアを盛り込むという手もあります。
交流会も実施
成果報告の後には交流会が行われ、関心のある参加者と活気のある情報交換が行われていました！
まとめ
衛星データはどんなセンサーで情報を得るか、得たデータをどう組み合わせるか、さらにそれをどう利活用するかで本当に多くの選択肢と可能性を秘めています。
想像するだけではなかなかピンと来ない方も多いかもしれませんが、実際にワークショップ形式で自分の手元で体験したり、地域で具体的にどのように利活用されているのかを知ると身近に感じられますね。
今回のイベントはまさにそんな内容でした。今後もさまざまな分野で衛星データの利活用が進むといいですね！
「興味があったのにイベントへ行けなかった！」という方は、株式会社サイエンス・クリエイトが行なっている宇宙ビジネス相談デスク【宙サポ】をぜひご利用ください。
