
「豊川市で本当に仕事が見つかるのか」「どのような業種・職種の求人があるのか」「収入はどのくらい期待できるのか」といった疑問や不安を抱えていませんか?
とくに他県や他市から愛知県豊川市での転職を考えている人にとって、客観的な「お仕事事情」は気になるポイントのはずです。
本記事では、公的統計データをもとに、求人状況・産業構造・収入水準の実態を紹介/考察します。
豊川市の求人数から見える”仕事の多さ”

転職を考えるうえで最初に気になるのが「そもそもどのくらい求人があるのか」という点です。豊川市には豊川公共職業安定所(ハローワーク豊川)が設置されており、管轄エリアの求人や求職状況を毎月公表しています。
※ハローワークの求人統計は公共職業安定所単位で集計・公表されます。ハローワーク豊川の管轄区域は豊川市のほか蒲郡市・新城市・北設楽郡(設楽町・東栄町・豊根村)を含んでおり、豊川市単独の求人数を直接示す公的データは存在しません。そのため、以下のデータはこれらの市町村を含む管轄区域全体の数値である点をご留意ください。
ハローワーク豊川の有効求人数
厚生労働省・愛知労働局が公表しているハローワーク豊川(豊川公共職業安定所)の業務月報(令和8年2月分)によると、豊川公共職業安定所管内(豊川市・蒲郡市・新城市・北設楽郡)の令和8年2月の月間有効求人数は1,345人(常用フルタイム。新規学卒者を除く)でした。
正社員求人だけで月間1,000件超が常時流通しており、転職市場として一定の規模が確保されています。
ハローワーク豊川の有効求人倍率
正社員求人に限っていえば、正社員月間有効求人数は1,149人、正社員新規求人数は448人です。有効求人倍率(常用フルタイム、原数値)は0.86倍、正社員有効求人倍率は0.72倍となっています。
全国の有効求人倍率(季節調整値)が1.19倍、愛知県が1.22倍という水準と比較すると、豊川公共職業安定所管内の数値は低めに推移しているといえます。
豊川市の求人状況は厳しい?
ハローワーク豊川(豊川公共職業安定所)のデータをみると「豊川市での転職は思ったより厳しそう」と感じるかもしれませんが、ハローワークを経由しない求人(企業の自社採用、転職エージェント経由など)も実際には存在することから、豊川市エリアで流通している求人の総数はこれを上回ると考えられます。
さらに、ハローワーク豊川管轄エリア内の人口や世帯数を見ると、豊川市が圧倒的に多いことがわかります。人口規模から考えると、ハローワーク豊川に寄せられる求人のうち豊川市に関するものが多いことが予想されます。
| 自治体名 | 人口 | 世帯数 |
|---|---|---|
| 豊川市 | 183,126 人 | 77,291 世帯 |
| 蒲郡市 | 76,358 人 | 31,946 世帯 |
| 新城市 | 40,403 人 | 16,708 世帯 |
| 北設楽郡(設楽町、東栄町、豊根村) | 7,078 人 | 3,564 世帯 |
豊川市で盛んな産業は?事業所や雇用者数でチェック

豊川市ではどのような産業の事業所が多いのか、どの産業で働いている人が多いのかを理解することは「どの分野で仕事を見つけやすいか」を判断する上で重要な視点です。
公的データをもとに、事業者数や従業者数(常用雇用に限定)が多い産業をピックアップしました。
なお、本セクションのデータは令和3年経済センサス活動調査「産業(中分類)別民営事業所数、男女別従業者数、常用雇用者数、出向・派遣従業者数及び事業従事者数-全国、都道府県、市区町村」に基づいています。
製造業
常用雇用で勤務する全従業者69,827人中、製造業に従事しているのは25,849人と多くを占めています。製造業従事者のなかでも、輸送用機器器具製造業に従事する人が10,263人と多いです。
豊川市は東名高速道路(豊川インターチェンジ・音羽蒲郡インターチェンジ)、国道1号・国道23号(名豊道路)・国道151号をはじめとする主要幹線道路が縦横に配置されており、輸送機器・一般機器・電気機器を中心に多くの工場が進出し、東三河内陸工業地帯の中核を担っています。
市内には、以下のような工業団地が複数展開されています。
- 穂ノ原工業団地
- 北西部の音羽工業団地
- 北東部の御油工業団地
- 三河港臨海工業団地など
日本列島のほぼ中央に位置し、三大都市圏(東京・名古屋・大阪)のいずれにもアクセスしやすいという地理的優位性が、多くのメーカーを豊川市に引き寄せています。
参考:豊川市公式HP「とよかわの工業」
令和3年経済センサス活動調査「産業(中分類)別民営事業所数、男女別従業者数、常用雇用者数、出向・派遣従業者数及び事業従事者数-全国、都道府県、市区町村」
卸売業、小売業
製造業に次いで従業者が多いのが、卸売業・小売業の分野です。卸売業・小売業には11,832人が従事しており、うち9,678人は小売業で雇用されています。事業所数においても、卸売業・小売業の合計で1,560事業所、小売業のみで1,230事業所と、小売業の事業所や従業者が多いです。
豊川市は古くから豊川稲荷(妙厳寺)の門前町として栄えてきました。豊川稲荷は「商売繁盛」の神様として全国的に知られ、年間数百万人もの参拝客が訪れます。参拝客をターゲットとした飲食店、土産物店などが集まっているため、小売業がさかんになっていると考えられます。
参考:令和3年経済センサス活動調査「産業(中分類)別民営事業所数、男女別従業者数、常用雇用者数、出向・派遣従業者数及び事業従事者数-全国、都道府県、市区町村」
宿泊業、飲食サービス業
卸売業・小売業に次いで従業者数が多いのが宿泊業、飲食サービス業です。ただし、従業者数が4,661人と前述の製造業、卸売業・小売業と比べると大幅に人数が減ります。
宿泊業や飲食サービスで従業者数が多い理由として、豊川稲荷の参拝客をはじめ、東三河エリアでも豊橋市に次ぐ人口基盤があることから、外食需要が非常に高く保たれやすい背景が考えられます。
参考:令和3年経済センサス活動調査「産業(中分類)別民営事業所数、男女別従業者数、常用雇用者数、出向・派遣従業者数及び事業従事者数-全国、都道府県、市区町村」
豊川市の求人は豊富?有効求人倍率からチェック

では、実際に求人がどのくらいあるのかをハローワーク豊川が公表している職業別求人・求職バランスシート(令和8年2月内容)の常用フルタイム(パートタイム・新規学卒者除く)のデータから読み解いていきましょう。
なお、上記データはハローワーク豊川管轄区域全体(豊川市のほか蒲郡市・新城市・北設楽郡を含む)の数値です。
建設・採掘職種
建設・採掘従事者の有効求人倍率は5.04倍と、全職種の中で最も高い水準のひとつです。
有効求人数136人に対し、有効求職者数はわずか27人にとどまっており、求人が求職者を大きく上回る深刻な人手不足の状態が続いています。
職種別に見ると、電気工事の職業が6.67倍、土木の職業が5.77倍、建設躯体工事の職業が4.75倍、建設の職業が3.67倍と、いずれの職種も高い求人倍率を示しています。
豊川市エリアでは建設・インフラ整備の需要が継続しており、該当する資格・経験を持つ転職者にとっては有利な市場環境といえます。
参考:ハローワーク豊川 職業別求人・求職バランスシート 令和8年2月内容(PDF)
製造・生産系職種
生産工程従事者(機械組立・製品製造加工・金属材料製造・機械整備など)の有効求人数は245人(常用フルタイム)となっており、有効求人倍率は0.90倍です。求職者数272人に対してほぼ拮抗した状態といえます。
職種別に見ると、機械整備・修理の職業の有効求人倍率は3.90倍、製品製造・加工処理は2.03倍と、技術・経験が求められる職種ほど求人倍率が高い傾向があります。
一方、機械組立(有効求人倍率0.18倍)のように競争率が高い職種もあります。
製造・生産系の職業といっても、職種によって売り手市場/買い手市場が大きく変わってくるのが特徴的です。
参考:ハローワーク豊川 職業別求人・求職バランスシート 令和8年2月内容(PDF)
医療・介護・福祉職種
豊川市において特に求人が活発な分野が医療・介護・福祉です。ハローワーク豊川の令和8年2月バランスシート(常用フルタイム)によると、介護関連の有効求人倍率は3.73倍にのぼります。有効求人数183人に対し、有効求職者数は49人にとどまり、求人が求職者を大きく上回っている状態です。
また、看護師・保健師等の有効求人倍率は4.77倍、医療技術者(臨床検査技師・理学療法士等)は5.88倍と、医療専門職も慢性的な人手不足の状況にあります。社会福祉の専門的職業(保育士・福祉相談員等)も2.00倍と求人超過が続いています。
医療・介護・福祉の需要は今後も安定して継続することが見込まれ、資格保持者や資格取得を視野に入れた転職者にとって有力な選択肢といえます。
参考:ハローワーク豊川 職業別求人・求職バランスシート 令和8年2月内容(PDF)
販売・サービス・事務職種
販売従事者(商品販売・営業)の有効求人倍率は1.48倍と求人超過です。そのなかでも営業の職業は3.29倍と特に高水準である一方、商品販売は0.35倍と職種によって差があります。
サービス業従事者は有効求人倍率2.03倍と高水準で、なかでも介護サービスが大きく牽引しています。調理の職業(0.43倍)、接客・給仕(0.57倍)は求職者が多く、やや競争率が高いといえそうです。
事務従事者は有効求人倍率0.31倍と、求職者が求人を大きく上回っており、競争の激しさが窺えます。とくに一般事務員は0.25倍と特に競争率が高く、事務職への転職を考える場合はスキルや経験面で他の求職者との差別化が重要になるでしょう。
参考:ハローワーク豊川 職業別求人・求職バランスシート 令和8年2月内容(PDF)
豊川市で働くとどのくらいの収入が期待できる?

転職先を選ぶ際、収入水準は重要な判断材料のひとつです。
ただし、豊川市単体の給与水準を直接示す公的統計は限られていることと、就労先や職種、ポジション等によっても収入は大きく変わってくることをおさえておかなければなりません。
このセクションでは、公的データから豊川市の平均的な所得の目安を解説します。
愛知県の市町村民経済計算統計表(2023年度)によれば、豊川市の2023年度の「人口一人当たりの家計所得」は390万7,000円と発表されています。
家計所得とは、家族全員の収入から各種控除を差し引いたものです。一人ではなく、世帯の所得と考えるとわかりやすいでしょう。そして、”人口一人当たりの”家計所得は、子どもなど就労していない人も含めた人数で割り算したものをさします。
したがって、豊川市民の平均所得を正確にあらわすものではありませんが、390万7,000円よりも少し高い値が豊川市民の所得(収入から控除を引いたもの)が、ひとつの目安になりそうです。
なお、同統計における愛知県民一人当たりの家計所得は388万3,000円であり、豊川市の390万7,000円はこれをやや上回る水準です。
豊川市での転職|重要ポイントをおさらい

豊川市での転職を検討するにあたり、重要なポイントをおさらいしましょう。
ハローワーク豊川管内では正社員求人だけで月間1,000件超が継続して出ており、転職市場としては一定の規模が確保されています。
職種別では、建設・採掘、医療・介護・福祉、製造系の機械整備・修理などの有効求人倍率が高い傾向がみられました。
一方、一般事務職や、調理や接客などの職種は競争が激しく、他の求職者との差別化が強く求められることが予想されます。
収入面は個々の条件で大きく変わるため、目安をおさえつつ自身が納得できる給与を得られるか求人探しの段階で個別に見ていく必要があります。ハローワーク以外でも豊川市の求人を探し、納得の行く転職を実現させましょう。
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