
高卒の転職は難しいと聞いて、仕事を変えたくても躊躇してしまうケースは少なくありません。高卒での転職が難しいといわれるのには理由がありますが、対策をたてれば成功させることは可能です。
この記事では、高卒での転職を成功させるためのコツやおすすめの業種・職種を解説します。高卒ならではの強みをアピールして、理想の転職を実現させましょう。
高卒で転職が厳しい・難しいといわれる理由
高卒で転職するのが難しいといわれるのには、以下のような理由があります。
- 求人数が少ない
- 学歴を重視する企業がある
- 高卒はすぐ辞めてしまう印象を持たれやすい
そもそも高卒で応募できる求人の数は多くありません。企業のなかには学歴を重視する企業があり、特に応募が集まりやすい大手企業や人気の業種では学歴で応募者を絞り込む場合もあります。
また、高卒はすぐに辞めてしまうのではないかと疑う企業もあります。令和6年10月に厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)を公表します」によると、令和3年4月に就職した新卒者のうち、令和6年3月までに離職した割合は、高卒で38.4%、大卒で34.9%でした。つまり、高卒の離職率が極端に高いわけではないことがわかります。ただし、業種や企業の規模によっては、大卒より高卒のほうが離職率が高くなる場合があるため、企業側は高卒は辞めてしまうイメージを持ちやすいのです。
すべての高卒の方が当てはまるわけではありませんが、そのような印象を企業が持つために、応募できる求人が限定されてしまうといえます。
高卒の転職は可能
高卒の転職は簡単ではありませんが、対策をたてれば転職は可能です。
学歴不問など高卒を採用対象としている求人に応募し、企業の業績に貢献できることをアピールすれば、採用される可能性があります。
大卒や短大卒との違いを明確にし、高卒ならではの強みを印象づけることが重要です。差別化をはかることで、採用するメリットを具体的に説明するのが、高卒の転職を成功させる道です。
高卒ならではのアピールポイント
高卒で転職活動を成功させるには、高卒ならではの強みを上手にアピールしなければなりません。高卒の方がアピールしやすいポイントは以下のとおりです。
- 大卒・短大卒より経験や知識がある
- 柔軟で適応力がある
- 実力主義の企業を探す
- 選択肢を幅広く持つ
- 資格を取得する
- 入社後やりたいことを明確にする
- 経験やスキルを具体的にアピールする
- 給与など条件だけで企業を選ばない
- IT業界
- サービス業
- 建設業
- 介護・福祉関連
- 製造業
- 営業職
項目ごとに解説します。
大卒・短大卒より経験や知識がある
高卒の方は、同じ年齢の大卒・短大卒よりも早く社会人として働き始めています。そのため、大卒や短大卒の方が働き始めるころには、すでに社会人としての経験や仕事に関する知識を身につけているでしょう。即戦力を求めている企業に対して、前職での経験や知識がアピールポイントになります。
柔軟で適応力がある
一般的に、若い人材は柔軟性があり、どのような環境にも馴染みやすい適応力や対応力があります。また、新しい知識やスキルを素直に習得する傾向があるため、未経験でも成長できる伸びしろが期待できます。新しい職場にも馴染みやすく、成果をあげやすいため、学歴に関係なく転職先で重宝されるでしょう。
高卒の転職を成功させるコツ
高卒の転職を成功させるには、次のようなコツをふまえて対策をたてることが大切です。
以下に、詳しく解説します。
実力主義の企業を探す
学歴に関係なく、実力主義の社風がある企業を探すのがひとつの方法です。学歴より実力を重視する企業なら、高卒の方を採用する可能性があります。「いかに実績をあげられるか」「いかに企業の役に立てるか」を採用担当者にわかりやすくアピールするのがポイントです。
選択肢を幅広く持つ
高卒は求人数が少ないため、希望通りの求人が見つかるとは限りません。希望条件を絞り込み過ぎると、求人を見つけるのがさらに難しくなってしまいます。
選択肢を広く持つことで応募できる求人数を増やすのが、採用の可能性を広げる方法のひとつです。例えば、大手企業だけでなく中小企業も選択肢に入れてみましょう。中小企業のなかにも、特定の業種で大きなシェアを持つなど、魅力的な優良企業があります。採用の確率をあげるためには、より多くの求人にチャレンジすることが重要です。
資格を取得する
高卒者の転職を成功させるには、資格を取得するのが効果的です。資格は、前職で身につけた知識やスキルを客観的に証明できます。そのため、即戦力として業務をおこなうのに必要な知識やスキルを習得していると採用担当者にアピールするのに役立ちます。
また、通信制大学で学士号を取得するのもひとつの方法です。通信制大学はほとんどの授業で通学の必要がないため、働きながら学び、所定の単位を取得することで、大卒資格を取得できます。大卒の求人にも応募できるようになり、求人の選択肢を増やせるため、転職の可能性も広がります。
入社後やりたいことを明確にする
高卒の転職が難しい理由のひとつに、すぐに辞めてしまう印象を持たれやすいことが挙げられます。そのイメージを払拭するには、なぜこの企業に就職したいのかを明確に強くアピールすることが大切です。
入社してからやりたいことや、この企業で経験を積んで将来どのような人材になりたいかを説明することで、長く勤める意志とやる気があることをアピールできます。
経験やスキルを具体的にアピールする
高卒での転職は、学歴ではなく実力を評価してもらうことで採用につながります。そのために、今まで積んできた経験やスキルをわかりやすく採用担当者に伝えることが必要です。
例えば、具体的な数値やエピソードを提示したり、経験から得た教訓や業務に対する考え方などを説明することで、結果を出すのに必要な実力をつけてきたことをアピールできるでしょう。
給与など条件だけで企業を選ばない
一般的に、高卒は大卒より給与が低い傾向があります。厚生労働省が発表した「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、平均賃金(月収)は高卒が28万8,900円、大卒は38万5,800円です。
つまり、給与など条件で企業を選ぼうとしても、希望通りの条件を提示している求人が見つからない可能性があります。入社後のステップアップを視野に入れて企業を選ぶことが重要です。
高卒の転職におすすめの業種・職種
高卒の方が転職しやすい業種や職種には、以下のような業種・職種があります。
ここからは、業種・職種ごとに詳しく解説します。実力があれば採用されやすい業界や職種を選ぶことで、転職の確率をあげられるでしょう。
IT業界
IT業界は、学歴より実力を評価する傾向があるため、高卒の方が転職しやすい業界だといえます。スキルや知識を身につけられれば仕事を任せてもらえて、未経験でも応募可能な求人が多いのもおすすめです。成果をあげられれば給与アップも可能であり高収入を目指せます。
サービス業
サービス業の仕事は顧客にサービスを提供することであり、その業種や職種は多岐にわたります。そのため、学歴不問や未経験可の求人も多く、高卒の方が活躍できる可能性があります。自分の興味のある業種を選べば、モチベーションを保って長く続けることもできるでしょう。
建設業
建設業は生活に不可欠な業種であり、求人数も比較的多いです。学歴に関係なく採用する企業も一定数あり、転職しやすい業種といえます。
また、資格を取得したり経験を積んだりすることで、キャリアアップをはかりやすいのもおすすめです。
介護・福祉関連
介護・福祉関連は近年成長し続けている業界です。慢性的に人手不足だといわれており、求人サイトなどにも多くの求人が掲載されています。学歴不問の求人が多く、未経験でも働きやすい環境であり、高卒の方が転職しやすいといえます。
職種によっては専門的な知識やスキルを必要とする場合もありますが、勉強して資格を取得することでステップアップも可能です。リーダーやマネージャーなどのキャリアパスも豊富にあり、将来活躍していける業種です。
製造業
製造業は、モノを製造・販売する業種で、製造する製品は多岐にわたります。さまざまな製品から自分の興味のある製品を選ぶことも可能であり、興味を持って長く続けていけるでしょう。学歴不問の求人も一定数あるため、高卒の方も転職しやすいです。また、職種によっては未経験でも活躍できるチャンスがあります。資格を取得できれば専門的な職種にチャレンジすることも可能で、将来的なステップアップも目指せます。
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営業職
営業職は、モノやサービスを販売・提供する職種であり、活躍できる場はさまざまです。やる気と実力があれば学歴を問わず働ける求人も多く、高卒の方が転職しやすい職種です。仕事内容をイメージしやすいため、未経験でも馴染みやすいのも、高卒の転職に向いているといえます。初めの給与は高くなくても、インセンティブなどで高収入を目指すことも可能です。
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高卒で転職できる企業を探す方法
高卒の求人は数が少ないため、効率良く探す必要があります。ここからは、どのように探すと高卒の方を対象とした求人を見つけやすいかを解説します。
学歴不問の求人を探す
まずは、求人情報に「学歴不問」「実力重視」などと記載されている求人を探しましょう。そのような求人を出している企業は、学歴より実力を評価しており、実力があれば積極的に採用する方針です。そのため、高卒の方も採用されやすい求人といえます。
若い人材を積極的に採用している企業を探す
少ない求人のなかで採用の確率をあげるには、企業が求める人材に自分が合っている求人を探すのが効率的です。例えば、年齢を重ねた経験者や管理職候補を求めている求人に応募しても、採用は難しいでしょう。若い人材を積極的に採用している企業を探すことで、転職しやすい企業を見つけやすくなります。
転職エージェントを利用する
高卒の求人は数が少なく、一般的な求人サイトでは見つけにくいかもしれません。転職エージェントなら、高卒を積極的に採用している企業の求人を持っている可能性があります。自分だけで探すよりも効率良く、希望に合う求人を見つけられるでしょう。
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高卒の強みを上手にアピールして、高卒の転職を成功させよう
高卒は転職しにくいと思われがちですが、転職活動を成功させることは可能です。
高卒ならではの強みをアピールして、企業の役に立てることを採用担当者に印象づける必要があります。
また、学歴不問や実力重視と記載されている求人であれば、応募できるチャンスがあります。学歴に関係なく採用している業界や職種を選ぶことで、採用の確率をあげられるでしょう。
条件を絞り込み過ぎず、選択肢を広げることも採用への近道です。求人数が少ないために一般的な求人サイトで見つけられない場合は、転職エージェントがおすすめです。効率的に求人を見つけられるため、転職活動をスムーズに進めるのに役立つでしょう。