子持ち女性の転職は難しい…そういったイメージを持っている人が多いかもしれません。しかし、近年は子持ち女性が働きやすい環境が整備されつつあり、企業との相性やタイミングが合えば、心地よく働ける可能性も以前より大きくなってきています。
そこで今回は、子持ち女性が転職を成功させるコツや、企業を選ぶ際の見極めポイントなどを詳しく紹介します。
目次
子持ち女性は転職しにくい?
まずは、「子持ち女性は本当に転職しにくいのか?」という疑問を解消しておきましょう。ここでは、近年の傾向を解説します。
子持ち女性も転職しやすい環境が整いつつある
子持ち女性の転職がしにくいかどうかを議論する前にそもそも大前提として押さえておかなければならないのは、「企業は採用時に本人の能力以外の部分で選考をしてはならない」という点です。家族に関することなどを質問すること自体に問題はありませんが、その回答によって合否を判断することは禁じられています。
また、近年は別の観点からも多様な人材が働きやすい環境づくりを推進し、受け入れ体制を整備する企業が増えています。別の観点とは、企業の人手不足や、コロナ禍によるリモートワークの導入です。
特にコロナ禍を機に在宅勤務や時短勤務などのフレキシブルな働き方が浸透してきた点は、子持ち女性が働くうえでは追い風になったといえるでしょう。
子持ち女性は採用されにくいケースもある
子持ち女性が働きやすくなってきているとはいえ、一部の企業や業界では、子持ち女性の「時間の自由がききにくい」という特徴が採用への難易度を高めてしまうケースもあります。例えば、長時間働ける人材を求めている場合や、急な休みが取りにくい職場などです。
上記の場合、同じような経験やスキルを持ち、なおかつ時間の制約が少ない人がいれば、そちらが採用されやすいことは否めません。
子持ち女性が転職を成功させるための4つのコツ
では、子持ち女性がスムーズに転職を成功させるためには、どのようなことを念頭においておけばよいのでしょうか。ここでは、転職成功に向けて押さえておきたい4つのコツを紹介します。
①家族の理解や協力を得る
子持ち女性の場合、どのような働き方をするにしても、家族の理解や協力が不可欠です。転職後だけでなく、転職活動時にも子どもを預けたり、育児や家事を分担したりする必要があります。
併せて、子どもの病気やケガといった緊急時のサポート体制も確認しておくようにしましょう。
②キャリアプランを設計する
時間に制約がある子持ち女性の場合、未経験分野より、これまでのキャリアや経験が活かせる仕事がおすすめです。
自分の強みをアピールできるよう、まずはこれまでのキャリアやスキルの棚卸しを行ないましょう。棚卸しの結果を元にキャリアプランを明確にしておけば、企業とのミスマッチも防ぎやすくなります。
子どもの成長によって働き方が変化することも考慮に入れて将来設計を立てていくのがポイントです。
③譲れない条件を決める
仕事と家庭を両立させられれば理想的ですが、多くの場合、そうはいきません。無理なく働ける企業を探すためには、自分が譲れない条件を設定しておくことが重要です。
ただし、すべての条件を満たす求人案件の数はそう多くはないと予想されます。そのため、条件に優先順位をつけておくと、選択肢の幅が広がるでしょう。
④複数の求人案件に応募する
求人に応募してから選考結果が判明するまでには、数日~数週間の時間を要するのが一般的です。選考が数段階に分かれている場合には、月単位の時間がかかる可能性もあります。>
子育て中の転職活動では、子どもの預け先を確保する必要があるケースが多いでしょう。短期集中で動くためには、こまめに求人サイトをチェックしながら複数の案件に応募するのがおすすめです。
子持ち女性の転職に適さない時期は?
子持ち女性の転職活動は、家族の状況や事情も考慮しながら進める必要があります。なかでも以下の条件に当てはまる時期は、転職は考え直すのが無難です。
- 育休中
- 預け先が未定の場合
- 子どもの小学校入学前後
- パートナーの転勤・転職が予定されている時期>
保育者の不足が叫ばれる今、すぐに子どもの預け先が見つかるとも限りません。そのため、預け先が未定のまま転職活動を行うのは危険です。
育休中の転職は法的に禁じられているわけではありませんが、自治体によっては「元の職場に復帰する」ことが保育園在園の条件とされている場合があり、転職によって在園許可が取り消される危険性があります。
また、子どもの小学校入学前後も避けたほうがよいでしょう。準備や慣れない生活で親子共々不安定になりやすいうえ、4月いっぱいは1年生の給食がない自治体も少なくありません。
子どもだけでなく、パートナーの状況の確認も必須です。状況の変化によって予定通りに家事・育児の分担や緊急時の対応ができなくなるおそれがあります。
子持ち女性の転職先選びで押さえておきたいポイント
では、いざ子持ち女性が転職先企業を選ぶ際には、どのようなところを確認すればよいのでしょうか。ここでは、5つのポイントを紹介します。
家や預け先から行きやすいか
転職先は、家や預け先から行きやすいところが理想です。悪天候時での送り迎えや緊急時対応などを考えると、それぞれ10分以内で移動したいところです。
距離だけでなく、交通利便性も重視する必要があります。多少離れていても、電車やバスを使えばすぐに行ける場所は選択肢に含めてよいでしょう。
柔軟な働き方ができるか
子育て中の人には、休暇が取りやすく、急な休みにも対応可能な職場が向いています。子どもの行事や体調不良は避けて通れない道です。
また、仕事と家庭を無理なく両立するためには、時間の融通が利くかどうかも確認しておきたいところです。時短勤務やリモート勤務が導入されていれば、子育てをしながら働きやすい環境が整備されていると考えらます。
子育てを支援する制度が充実しているか
今後も妊娠・出産の予定がある場合は、産休・育休制度の内容や取得実績を確認しておきましょう。産休の設定は企業に義務づけられていますが、育休については任意のため、しっかりと確認しておきたいところです。
子持ち女性は在籍しているか
子持ち女性の在籍数や活躍も、重要な判断要素です。企業が子持ち女性を積極的に受け入れているかどうかを知るバロメータ―にもなるうえ、同じような境遇の人が多くいれば急な休みなどの理解や協力も得られやすいでしょう。
これまでのスキルや経験は活かせるか
先に紹介したとおり、子持ち女性の転職ではスキルや経験が活かせる仕事がおすすめです。未経験分野への転職も不可能ではないものの、知識やスキルを習得し、仕事に慣れる必要があることを考えると、これまでのキャリアを活かした転職のほうがスムーズに新生活が始められると予想されます。
子持ち女性の転職活動では面接対策が重要
子持ち女性の場合、ミスマッチを防ぐために企業から多くの質問をされる傾向にあります。答えにくい質問も、伝え方によってはプラスに評価されることもあるため、しっかりと対策しておきましょう。
できることとできないことを正直に伝える
面接ではついついできることばかりをアピールしてしまいがちですが、できないこともしっかりと伝えることが大切です。できない部分があることの理解を得られていないと、入社後にトラブルに発展してしまうかもしれません。
できないことを伝える際には、「●●はできない代わりに、××はできます」などのポジティブな伝え方を心がけましょう。
予想される質問の答えは用意しておく
子持ち女性の場合、面接では家族状況や希望の就労形態について詳しく訊ねられることが多い傾向にあります。
少なくとも、以下の3点は対策しておきましょう。
- サポート体制や家族の理解について
- 就労時間などの制限
- 予想される休暇日数
ミスマッチを防ぐために、あくまでも正直に答えるのがポイントです。ここでも、できる限りポジティブな伝え方を心がけてください。
まとめ:子持ち女性の転職では相性の見極めが肝心!求人サイトを活用してたくさんの選択肢を確認しよう
子持ち女性の転職では、自分だけでなく、家族の状況も考慮しながら企業との相性を見極めなければなりません。子どもを預けて転職活動を行う場合には、時間的な制約もあるでしょう。
一見難しいように思える子持ち女性の転職ですが、譲歩できる点・できない点を明確化したり、同時に複数企業に応募して短期集中で活動したりすることで、成功に導くことは可能です。まずは求人サイトで、どのような選択肢があるのかを確認してみましょう。