友人や知人から転職先を紹介された経験のある人も多いのではないでしょうか。紹介された転職先を受けるべきか、断るべきかを判断するうえで、友人や知人の紹介による転職のメリットとデメリットを把握しておくことは大切です。
この記事では、友人や知人から紹介された転職のメリットとデメリット、注意点を解説します。どのように対応すればよいか迷った際は、ぜひ参考にしてください。
目次
友人・知人から紹介された転職は受けるべき?断るべき?
友人や知人から紹介された転職先は、選考を受けても断ってもかまいません。メリットとデメリットを考慮したうえで「紹介でなかったとしても入社したいと思えるか」を軸に考えるとよいでしょう。
紹介による転職は、通常の転職とは大きな違いがあります。
応募者にとっては、通常の転職より早く採用が決まる傾向があるため、転職活動にかかる時間を省略できます。親しい友人・知人による紹介だという安心感もあるでしょう。
企業側にとっては、選考過程を省略できるため経費と時間を節約できるうえに、優秀な人材を確保できるメリットがあります。近年では、社員の紹介による採用を制度として積極的に取り入れる企業も増えてきました。
一方、紹介による転職にはデメリットもあります。紹介された嬉しさから軽い気持ちで受けると失敗するおそれがあるため注意しなければなりません。
次章からは、紹介による転職のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
友人・知人からの紹介で転職するメリット
友人・知人からの紹介による転職には、以下のようなメリットがあります。
- 内部情報の収集によりミスマッチを防げる
- 選考がスムーズに進みやすい
- 職場に馴染みやすい
- 新しい職場でも心強い
ここからは、メリットを詳しく解説します。
内部情報の収集によりミスマッチを防げる
実際に働いている友人・知人からの紹介であるため、通常の求人ではわからない内部情報を収集できます。職場の雰囲気や企業の体質、評価制度などを入社前に確認できるのは大きなメリットです。知りたいことがある際に、友人なら気兼ねなく質問できるため、必要な情報を集めたうえで面接に臨めます。
現在働いている友人からの情報は信憑性があり、企業を知るために役立つでしょう。前もって詳細な情報を得ることにより、入社してからこんなはずではなかったというミスマッチを防げます。
選考がスムーズに進みやすい
通常の求人より、選考がスムーズに進みやすいのもメリットです。
紹介する時点で性格や働きぶりなどは紹介する友人によって確認されており、社風に合うと判断したうえでマッチングされているためです。面接する前にすでに高い評価を得ている場合が多いため、良い雰囲気で面接を進められるでしょう。
企業側も、面接で一から評価する必要がないため、短い選考で優秀な人材を確保できるメリットがあります。
友人の推薦により企業の信頼を得られることにより、双方にとってメリットがある選考となるでしょう。
職場に馴染みやすい
友人・知人が同じ職場にいれば、初めての職場にも親しみを感じることができます。
紹介であることを職場の同僚が知っていれば、話をするきっかけが作りやすくなります。友人から入社前に職場の雰囲気を聞いているため、初めての環境で戸惑うことも少ないでしょう。
友人・知人がいることで職場に早く馴染め、早い時期に業務に集中できる環境を整えられることも期待できます。
新しい職場でも心強い
友人・知人が同じ職場にいれば、わからないことを聞けたり相談に乗ってもらえたりしやすく、不安を解消しやすいでしょう。転職した新しい職場では、業務内容も人間関係も知らないため、困ったときに誰に相談すればよいかわからないことが多いです。友人・知人がいることで「心強い」「助かった」と思えることもあるかもしれません。
友人・知人からの紹介で転職するデメリット
友人・知人による転職では、メリットだけでなくデメリットもあります。例えば以下のようなデメリットが考えられます。
- 冷静な判断ができずミスマッチになってしまう
- 他社と比較せずに決めてしまう
- 条件の確認が不十分になる
- 選考辞退や退職をしにくい
- 期待に応えられないとストレスになる
デメリットを理解できれば、しっかりと対策を講じたうえで紹介による転職活動を進められるでしょう。
冷静な判断ができずミスマッチになってしまう
信頼している友人・知人からの紹介であれば、情報をよく確認せずにうのみにしてしまう可能性があります。友人が良い企業だと言えば、自分にとっても良い企業だと思い込んでしまいがちです。
しかし、友人に会う職場が自分にも合うとは限りません。自分に合っているかを冷静に判断できなかったために、入社してからミスマッチに気づく場合があります。
他社と比較せずに決めてしまう
友人・知人に紹介されると、紹介された企業だけを検討して入社を決めてしまいがちです。通常の転職活動のように、複数の企業の情報を集めて比較検討するわけではないため、良くない部分に気づかないおそれもあります。
紹介された企業だけでなく、似た業種や職種の企業の求人にも目を通しておくことをおすすめします。
TASUKIでは東三河の求人を幅広く紹介しています。働く人の声や取材担当者からの情報も掲載しているため、どのような職場なのかイメージしやすく、紹介されている転職先と近しい企業があれば比較するのにもぴったりです。
条件の確認が不十分になる
紹介で選考が始まると、雇用条件があいまいなまま話が進んでしま傾向があります。
紹介してくれた知人は条件面の詳細は知らないため、採用担当者に確認が必要です。
入社してから希望条件とかけはなれていることに気づいて早期に退職してしまうと、紹介してくれた友人に迷惑をかけることになりかねません。
紹介だからと安心せずに、社前にしっかりと条件を確認することが大切です。
選考辞退をしにくい
友人・知人から紹介されると、選考過程で自分には合わないと感じても辞退しにくく、そのまま流されるように入社してしまうケースがあります。
しかし、選考を辞退することは悪いことではありません。合わないと感じながらも入社し、そのあと早期に退職するのは企業にとっても自分にとってもプラスにはならないはずです。
自分に合わないと感じたら、できる限り早く選考辞退を申し出ましょう。紹介してくれた友人や知人には感謝の気持ちと「せっかく紹介してくれたのに申し訳ない」という気持ちを真摯に伝えれば、関係性が悪くなることもないはずです。
期待に応えられないとストレスになる
紹介による転職では、今までの働きぶりや業務成績を評価して選考へ誘われているため、企業側は即戦力として期待しています。そのため、期待に応えられなければ、ストレスになるおそれがあります。
友人・知人がいても職場に慣れるまで時間がかかったり、業務を行ううえで勝手が違ったりして、すぐに成果を挙げられない場合もあるでしょう。早く成果を挙げたいと焦ると、ますますストレスになってしまいます。また、実際の能力以上に企業側が期待してしまう場合もあります。
企業側の期待とのギャップが生まれないように、面接の段階で、期待されている業務と自分ができることをすり合わせておくことが大切です。
友人・知人から転職を紹介されたときに注意すべきポイントは?
友人・知人の紹介による転職においては、デメリットがあってもポイントを押さえて注意すれば失敗を防げるでしょう。
この章では、注意すべきポイントを解説します。
自分で情報収集する
入社後のミスマッチを防ぐためには、自分で情報収集することが重要です。
転職を紹介されると、友人からの情報だけを信じて判断してしまうケースが少なからずあります。
自分で集めた情報と友人から得た情報に異なる点があれば、入社前に確認しておくことも可能です。
通常の転職と同様に自分で情報を集め企業分析を行い、自分に合うかを客観的に判断しましょう。企業の業績や業務内容、主力商品、福利厚生などをしっかりとリサーチしたうえで、入社したいと思えれば選考を進めるとよいでしょう。
他社と比較検討する
友人からの紹介では、通常の転職とは違い、紹介された企業しか応募しない人もいます。他社と比較するのが紹介者に申し訳ないと気兼ねする気持ちもわかりますが、他社と比較することで、企業の良いところや良くないところなど、社内にいる友人からは得られない客観的な情報を得られます。
入社後のミスマッチを防ぐためには客観的な判断が大切です。他社と比較することで紹介された企業が本当に自分に適した企業なのかを判断する材料を集めましょう。
条件を確認する
雇用条件は転職を決めるうえで重要な要素のひとつです。紹介してくれた友人とは雇用条件が異なる場合が多いため、条件に関しては友人の話は参考にならないこともあります。
入社後に後悔しないためにも、面接の段階で自分でしっかりと条件を確認しましょう。面接官が明確に答えてくれるかどうかで、企業の体質や入社後の対応を判断する材料にもなります。
紹介がなくても働きたいかを考える
きっかけは友人・知人からの紹介であっても、面接を受けて転職するのは通常の転職と同じです。新しい職場で働くのは自分自身ですから、紹介がなくても働きたいかを考える必要があります。
- 紹介されたからその企業にした
- 友人が良いと言ったから良い職場だと思った
- 断るのは気が引けるから入社した
自分の意思で入社するわけではない場合「こんなはずではなかった」と後悔するおそれがあります。
通常の転職でもこの企業を選ぶかを自分で考えることが、紹介による転職を成功させるポイントです。
選考に落ちる場合もある
友人・知人からの紹介であっても選考に落ちる場合があります。企業側は、選考に入るきっかけが社員の紹介であり、これまでの実績や働きぶりから一定の評価をしていたとしても、最終的に採用するかは本人に会ってから決めます。
特に、志望理由は重要視される傾向があります。紹介だからという理由では採用できないと考えるでしょう。この企業で働きたい、この企業で実績をあげて利益に貢献したいなど、明確な意思が確認できなければ不採用になる場合もあります。
紹介だからといって安心せず、しっかりと面接対策を行ったうえで、選考に臨む必要があります。
まとめ
友人・知人の紹介による転職はメリットがあります。情報収集がしやすいためミスマッチを防げて、スムーズな選考により時間と手間を省略できます。また、新しい職場でも早期に馴染んで業務に集中できるでしょう。
一方、客観的な判断ができないことにより、条件の確認が不十分だったりミスマッチを起こしたりする場合もあります。選考を辞退しにくいのもデメリットでしょう。
自分でしっかり情報を集めることにより、デメリットを回避できます。集めた情報をもとに志望理由をしっかりと考えれば、ミスマッチや不採用のリスクを抑えられて、友人・知人の紹介による転職を成功させられるでしょう。