
愛知県の最低賃金が2026年10月1日から1,195円になります。現在の1,140円から55円、率にして4.82%の引き上げです。
「最低賃金は時給の話でしょう?月給で働くから関係ない」と思う方も多いかもしれませんが、月給で働く場合も最低賃金は関係します。
月給を時給に直したとき、1,195円を下回っていたとしたら…?
この記事では、愛知県で仕事を探している方が、求人票の月給を自分で確認できるようにまとめます。
月給は時給に直して確認する

月給制の場合、次の式で時給に換算し、最低賃金と比べます。
月給(最低賃金の比較対象になる賃金)÷1か月平均所定労働時間 =時間額
1か月平均所定労働時間は、1年間の所定労働時間を12か月で割って求めます。
たとえば、年間の所定労働日数が255日、1日の所定労働時間が8時間の会社の場合です。
- 年間所定労働時間:255日×8時間=2,040時間
- 1か月平均所定労働時間:2,040時間÷12=170時間
月給20万円は、会社によってアウトにもセーフにもなる

「月給20万円あればさすがに最低賃金は下まわらないんじゃない?」と考えている人は、大きな落とし穴にはまっているかもしれません。
先の例と同じく、年間の所定労働日数が255日、1日の所定労働時間が8時間の会社で月給20万円の場合を計算してみます。
20万円÷170時間=約1,176円
現在の1,140円は上回りますが、10月からの1,195円は下回ります。
一方、1か月平均所定労働時間が160時間の会社なら、結果が変わります。
20万円÷160時間=約1,250円
こちらは1,195円を上回ります。
同じ月給20万円でも、アウトにもセーフにもなるのです。
ぱっと見たときの数字に惑わされないよう、月給と最低賃金を比べるうえで気をつけたい2つの落とし穴について解説します。
落とし穴① 月給の下限は所定労働時間によって変わる
最初の落とし穴は、先述したとおり「所定労働時間」です。
同じ月給20万円でも、月平均の所定労働時間が170時間の会社と160時間の会社では、月給の下限に約12,000円の差が出ます。
つまり月給○○円以上なら大丈夫」という一律の線はありません「。求人票の月給を見るときは、次の2つもあわせて確認してください。
- 1日の所定労働時間
- 年間休日(休日が多いほど、年間の所定労働時間は短くなります)
ちなみに、年間休日125日、1日8時間労働の場合の月平均の所定労働時間が160時間です。
落とし穴② 手当や賞与は月給に入れずに考える
2つ目の落とし穴は、「月給の中身」です。
最低賃金と比べるとき、次の賃金は月給に含めずに考える必要があります。
- 時間外労働手当、休日労働手当、深夜労働手当
- 精皆勤手当
- 通勤手当
- 家族手当
- 臨時に支払われる賃金
- 賞与(1か月を超える期間ごとに支払われる賃金)
- 固定残業代(みなし残業手当)
求人票の「月給」にはこれらが含まれていることがあります。含まれている場合は、これらの手当を引いた金額で計算してください。
たとえば、次のような求人があったとします(あくまで計算のための架空の例です)。
- 月給22万円(うち固定残業代3万円を含む)
- 月平均所定労働時間170時間
固定残業代を除いた19万円で計算すると、19万円÷170時間=約1,118円になります。
月給22万円と聞くと十分に感じますが、最低賃金を下回ってしまうため「アウト」です。
手元の求人票を見て!3ステップで確認しよう

ここまでの内容を踏まえて、実際の求人票を確認する手順を3ステップにまとめます。
ステップ1:求人票の月給から、比較対象にならない手当(固定残業代、通勤手当、家族手当など)を引く
ステップ2:1日の所定労働時間と年間休日から、1か月平均所定労働時間を計算する
ステップ3:ステップ1で出した金額を、ステップ2の時間で割り、1,195円と比べる
計算して1,195円を下回るときや、内訳がわからないときは、応募先に確認しましょう。
よくある質問

Q. 愛知県の新しい最低賃金はいくらで、いつからですか?
A. 1,195円で、2026年10月1日からです。現在の1,140円から55円(4.82%)の引き上げになります。
Q. 月給で働く場合も、最低賃金は関係ありますか?
A. 関係あります。月給を1か月平均所定労働時間で割って時給に直し、最低賃金と比べます。
Q. 1か月平均所定労働時間は、どうやって求めますか?
A. 年間の所定労働時間を12か月で割って求めます。365日から年間休日を引くと、年間の労働日数が算出できます。たとえば、年間休日110日なら年間の労働日数は255日です。255日×1日8時間なら年間の所定労働時間は2,040時間。それを12で割ると、月平均は170時間です。
Q. 月給20万円だと、最低賃金を下回りますか?
A. 会社によって変わります。月平均所定労働時間が170時間なら約1,176円で、1,195円を下回ります。160時間なら約1,250円で、上回ります。
Q. 通勤手当や家族手当は、月給に含めて計算できますか?
A. 含められません。通勤手当、家族手当、精皆勤手当は、最低賃金との比較対象から除かれます。
Q. 固定残業代(みなし残業手当)は、月給に含めて計算できますか?
A. 含められません。時間外・休日・深夜労働の手当と同じく、最低賃金との比較対象から除かれます。求人票の月給に固定残業代が入っている場合は、その分を引いて計算します。
Q. ボーナス(賞与)は、月給に含めて計算できますか?
A. 含められません。1か月を超える期間ごとに支払われる賃金は、最低賃金との比較対象から除かれます。
Q. 求人票の内容と、実際の労働条件が違っていたらどうすればいいですか?
A. まず、違いが生じた理由を確認します。ハローワークの求人なら、ハローワークの窓口や「ハローワーク求人ホットライン(求職者・就業者専用)」に申し出ると、ハローワークが企業に事実確認や指導を行います。
「月給だから無関係」は間違い!時給換算で確認しよう
愛知県の最低賃金は、2026年10月1日から現在の1,140円より55円高い1,195円になります。
月給で働く場合も、月給を1か月平均所定労働時間で割って時給に直し、この金額を下回っていないかを確認する必要があります。
たとえば月給20万円は、月平均所定労働時間が170時間の会社では約1,176円となり、1,195円を下回ります。ところが160時間の会社では約1,250円となり、上回ります。同じ月給でも、会社ごとの所定労働時間によって結果が分かれるのです。そのため、求人票では月給の額だけでなく、1日の所定労働時間と年間休日もあわせて見ておきたいところです。
もうひとつ気をつけたいのが、月給の中身です。通勤手当や家族手当、固定残業代などを月給に入れて最低賃金と比較することはできません、求人票の月給に左記の手当などが入っている場合は、その分を引いて計算する必要があります。
「月給だから大丈夫」と思い込まず、求人票の数字を自分で計算してみることが、納得して働ける職場を選ぶ第一歩になります。