
子どものころ、お正月といえばお年玉が楽しみでしたよね。今では子どもや親戚の子ども達に渡す立場になりました。
この記事では意外と知らないお年玉の歴史からマナー、最近のお年玉に関する実態調査、気になる子どもたちの使い道までご紹介します。
お年玉の歴史
もともとは五穀豊穣や稲の神様である歳神様をお迎えするために備えた丸いお餅が「お年玉」の起源と言われています。
歳神様をお迎えすると家族に幸福をもたらすと考えられており、そのお餅を歳神様の魂に見立て、「御歳魂(おとしだま)」と呼ばれていました。それが後になって「お年玉」となったという説が有力です。また、そのお餅は歳神様の魂(生命)とされており、家族に分け与えることで、一年を無事に過ごせるように祈りました。
室町時代には、お餅だけでなく年始の贈り物全般が「年玉」と称されていた記録があります。何を贈るかは職業などによってさまざま。江戸時代になっても年始に物を贈る文化は記録されていますが、徐々に「目上の人に贈るものは年賀」「目下の人に贈るものは年玉」と違いが定着していったようです。
現代のような「お年玉」の形になったのは昭和30年代以降とされています。経済成長とともに社会は都市型となり、「子どもへ現金を渡す」というのが一般的になっていきました。
参考:https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/70302
最新の実態調査
株式会社マルアイが実施した2026年のお年玉に関する実態調査および今年の年末年始の過ごし方調査によると、最新のお年玉は以下のような傾向があるようです。
お年玉の金額は「やや増加」
物価上昇が続く中、お年玉の金額についても「前年より増やす」と考える人が一定数見られます。一方で「前年と同じ金額にする」という回答も多く、急激な変化というよりは、生活実感に合わせた微調整が行われていると言えそうです。
キャッシュレス送金は話題になるものの、主流は依然「現金」
近年はキャッシュレス決済の普及が進んでいますが、お年玉の渡し方に関しては、現金をポチ袋に入れて手渡すスタイルが依然として主流です。調査結果でも、キャッシュレス送金や振り込みを利用する人は少数派にとどまっています。
「高校卒業まで」が最多だが、大学生以降にもあげる人が増加
お年玉をあげる年齢の目安として最も多いのは「高校卒業まで」ですが、大学生や社会人になっても渡すという回答も一定数見られます。
特に大学生は「もらう側」なのか「あげる側」なのか悩ましいタイミングですが、いつまであげるかは「働き出すまで」「結婚するまで」と人生の節目で分ける方が多いですね。渡す側になるのは「自分で働いて稼ぐようになったらあげる側になる」という方が多いようです。
知っておきたいお年玉のマナー

お年玉に厳格なマナーはありませんが、やはり気持ちよく渡したいですし、受け取りたいですよね。お年玉を渡す際の一般的なマナーは次のようなものがあります。
新札やきれいな硬貨を用意する
人の手に渡るお祝い事のものなので、やはり紙幣も硬貨もきれいな状態のものが好ましいとされています。
ポチ袋や祝儀袋に入れて渡す
売買するとき以外でお金を渡す時は紙や布に包んで渡すのがマナーです。予定外のお年玉も想定して、ポチ袋は多めに用意しておきましょう。どうしてもない時はティッシュペーパーでもいいので紙に包み、ポチ袋がなかったことに対してお詫びをしましょう。
お札は三つ折りにする
お札は肖像画のある面を内側に、左→右の順に軽く折り、上下を間違えないようにポチ袋を正面に向けて入れます。最近では、お札を折らずに入れられるポチ袋もありますので、そちらを使っても大丈夫です。
硬貨は製造年月日の刻印がある方が裏になりますので、表をポチ袋の正面側に来るように入れましょう。
ポチ袋の表には相手の名前、裏には自分の名前を書く
ポチ袋のデザインによっては、名前が書きづらいものもあるかと思いますが、相手の名前と自分の名前は書くようにします。誰に渡したか把握できますし、頂いた方も誰に頂いたかすぐわかり、管理できます。
気をつけたいお年玉のNG
忌み数を避ける
「死」を連想する4や「苦」を連想する9などの忌み数は嫌な方もいるので、避けたほうが無難です。
喪中の相手には控える
お年玉は新年のお祝いを目的としていますので、喪中の相手には控えましょう。どうしても渡したい場合は「おこづかい」など表記を変えて渡すようにします。
目上の人に渡さない
お年玉は、その成り立ちから目上の人から目下の人に渡すものです。そのため、子から親や部下から上司に渡すのは失礼にあたりますので気をつけましょう。
どうしても渡したい場合は「お年賀」として渡すか、お菓子などを渡すようにします。また、目上の方のお子さんに渡すことも失礼に当たるので「お年賀」としてお菓子を渡すか、最近ではQUOカードなどのギフトカードを現金の代わりに渡すという場合もあります。
みんなはいくら用意してる?相場は?

家庭内や親戚の間で決まっているのなら、そちらを優先して大丈夫です。相場は以下のようになりますので、参考にしてみてください。
- 未就学児 1000円を中心に、1000円~3000円
- 小学1年生~3年生 1000円~3000円
- 小学4年生~6年生 3000円~5000円
- 中学生 5000円を中心に3000円~10000円
- 高校生 5000円~10000円
- 専門学生・大学生 10000円
まとめ
子どもにとっては一大イベントのお年玉。
ただ現金を渡すだけでなく、歴史やマナーも継承していけたら素敵ですね。
今回の記事をぜひご参考にしてください!