こんにちは。ちゃんらいです。
 
前回の記事でおいちゃんがイノベーションについて語ってくれました。
 

 
皆さんの生活を日々豊かにする影の立役者は、数々の企業が追い求めた数多くのイノベーションであると言っても良いでしょう。
 
豊橋鉄道市内線は、日本で数少ない路面電車の一つです。
豊橋の街を駆け回り、私たちの生活の足となってくれる車体は、今年で29歳となる私よりも先輩達がいます。例えば、豊鉄3500型車両は、かつて他の鉄道を走っていた車両で、その製造は1950年代と長きにわたって乗客を運び続ける車両です。
近代化が施されながら、他の鉄道での役目を終え、いまでは第二の人生を歩んで、日本一の急カーブをまた今日も走っています。
最年少である低重心の次世代LTVのほっトラムは、豊鉄3500型車両から半世紀以上も後に製造された車体で、様々な進化を遂げています。
その一方で、自身の曲がれない急カーブを曲がって乗客を運ぶ先輩達をどのように見ているのでしょうか?
ほっトラムの洗練されたデザインと、どこか懐かしい風景を漂わせる車体のデザインが交差するレールの上で、時代の流れとイノベーションが入り混じっているようにも思います。
 
そんな時にこそ、原点に立ち返り、「そもそもイノベーションってなんだろう?」という視点で考えてみてはいかがでしょうか?今日はイノベーションという用語についてお話ししたいと思います。
 
身の回りで見つかる「イノベーション」を思い浮かべながら、また、皆さんのイノベーションを考えるきっかけになれば嬉しく思います。
 
 

そもそもイノベーションってなんだろう

イノベーション1
「イノベーション」という言葉を追いかけると、必ずたどり着くのがオーストリアの経済学者であるシュンベーターです。彼の論文において「企業者によって行われるところの生産諸要素の新結合」と述べており、イノベーションを「新結合」として表現しています。

新結合の例として下記の内容を挙げています。
①新しい財貨の生産
②新しい生産方法の導入
③新しい販売先の開拓
④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
⑤新しい組織の実現

新たな財貨を生産することが出来ないか。
新しい生産方法は確立出来ないか。
新たな販売先を見つけることは出来ないか。
新しい素材や部品の調達先は見つからないか。
新しい組織形態を構築することは出来ないか。
上記5つがイノベーションの切り口としてヒントになるのではないでしょうか。

 
 

イノベーションの分類

イノベーションの分類に関してアバナシーとクラークはイノベーションを、技術面と市場面による「四象限モデル」で類型化しています。技術(製品、生産、業務のあり方)と市場(市場、顧客との関係)の2つの面について、それぞれ変革力が破壊的(既存の資源が価値を失う)か、温存的(価値を保持する)かによって4つに分類しているのです。
 
構築的革新
→既存の技術体系を破壊し、新しいマーケットを開拓するイノベーション。
今までに無い新しい技術を用いた製品によって、今までに無い顧客を創造するようなイノベーションです。
 
革命的革新
→既存の技術体系を破壊し、既存のマーケットを開拓するイノベーション。
今までに無い製品を、既存顧客に向けて創造するようなイノベーションです。
 
ニッチ創造
→既存の技術の中で、新たな市場を開拓する。
今までにありふれた商品も、少し打ち出し方や見方を変えることで、新たな顧客を創造する事があります。そのようなイノベーションがこれにあたります。
 
通常的革新
→既存の技術体系を強化し既存のマーケットを深耕するイノベーション。
4つの中では一番地道なイノベーションになりますが、このようなイノベーションを着実に進めた日本企業が世界でシェアを広げたという実績もあります。
 
 
このように、全く新しいものを世の中に生み出すだけでなく、技術・生産手段の改良等により、より安く高品質の製品・サービスを提供する。あるいは、今までに提供していなかった新しい顧客・市場を見つけ出すことも、イノベーションのための発想として考えることが出来るのではないかと言えます。
 
 
 

持続的イノベーションと破壊的イノベーション

持続的イノベーション


イノベーションというと、技術力の高い大手企業にしか成し遂げられない様に感じてしまいますが、それだけでは無いことを知って頂くため、様々な種類のイノベーションについて紹介します。
クリステンセンは、既存製品の性能を高める技術を「持続的技術」と呼んでいます。世に出ている製品の顧客が評価する性能指標を向上させるため、既存製品の性能を向上させることであり、例えば、記録媒体の容量やデジタルカメラの画素数が日々増加していく例をイメージして頂ければと思います。このように、持続的技術がもたらす変化の事を持続的イノベーションと言います。
 

破壊的イノベーション


一方で一時的に製品の性能を引き下げる効果を持つイノベーションがあるとしています。これを「破壊的技術」と呼んでいます。破壊的技術によってもたらされる変化を破壊的イノベーションと言います。
破壊的イノベーションには二種類あり、安価で必要最低限の機能によって構成される製品が市場に投入され、いわゆる価格破壊が起こるローエンド型破壊的イノベーションと、これまでの常識が覆されるほど、世に出回っていた商品にはなかった新しい価値を提供する製品が市場に投入される新市場型破壊的イノベーションがあります。
 
 
 

豊橋にあるイノベーション


始めに紹介した、シュンペーターが定義したイノベーションの5つの例を豊橋で見かける実例に当てはめてみました。
おいちゃんの記事で述べたように、イノベーションに向けた取り組み、環境作りは東三河の地域でも行われていたように思います。
 
①新しい財貨の生産
豊橋カレーうどんや、ブラックサンダーの他社製品とのコラボ商品といったように、新しい商品やサービスの生産がこれにあたるといえます。駅前にオープンした「みかわいいもの」のショップにも、地域の特産を活かした新しい商品を見ることができます。
 
②新しい生産方法の導入

例えばサイエンス・クリエイトに常設している3Dプリンタやレーザー加工機は、これまでに無い生産方法を提供してくれますが、個人で取得するには莫大な資金を必要します。そのような機械へのアクセスを容易にする事で、新しい生産方法の導入というハードルを低くし、新しいものづくりにもチャレンジする環境が整っていると思います。
 
④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得

豊橋市の取り組みとして平成29年度より始まった「生ゴミ」の分別は、バイオマス資源利活用施設において、下水汚泥、し尿・浄化槽汚泥とともに生ごみの「メタン発酵処理」を行い、生成されるメタンガスを電力化するために行われています。また、発酵により発生する残渣は、炭化燃料にすることで、生ごみは100%エネルギー化しています。
これまではゴミとして処分されていたものから、メタンガスや炭化燃料という新しい原料の供給源となり、市民が一体となってイノベーションを行ったと見ることも出来ますね。
 
⑤新しい組織の実現

企業という従来の組織の枠組みを超えて、様々な方が集まる場としてトライアルビレッジをはじめとしたコワーキングスペースがこれに当たると思います。人の集まる場所だからこそ、勉強会の機会やコミュニティが創出され、新たな組織としてイノベーションを生み出すキッカケになるかもしれません。
 
③新しい販売先の開拓
③が飛ばされて不思議に思ったかもしれませんが、ちゃんと当てはめています。
私たちTASUKIのホームページです。東三河の地域の良さや、魅力ある企業を発信し、これまでに東三河と接点の少なかった人達に対してこの地域の事を伝え、引いては新しい販売先の開拓にも繋げられればと考えます。
 
 

終わりに

このように一部私の勝手な解釈もありますが、もっと東三河の地域でイノベーションを身近に感じてもらいたいという想いを胸に、自分たちとしてもイノベーションの創出に関われるように活動したいと思います。
 
 
 
 

 
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