豊橋市及び隣接する田原市・浜松市を含むエリアは、全国区でも有数の農業地帯です。しかし、一方で多くの営農上の課題も抱えているのが現状です。
こうした課題を解決するためにはスマート農業やアグリテックといった新たな知識や技術などを積極的に取り入れていく必要があります。
そこで豊橋市の農業者、農業関連企業と全国の有望な農業系スタートアップをマッチングし、本市を実証フィールドとした農業課題の解決につながる新製品・サービス開発を目指そうというのが「TOYOHASHI AGRI MEETUP」です。
TOYOHASHI AGRI MEETUPでは生産者と農業系スタートアップの交流会や地域の農業が抱える課題を深掘りするプログラムなどを経て賞金総額1000万円のコンテストを行い、選ばれた企業は豊橋市内で実証実験を行います。
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https://toyohashi-agri-meetup.jp/
今年度も新しいプログラムがスタートし、2024年7月29日(月)ホテルアークリッシュ豊橋にて第1回アグリテック企業との交流会が開催されました!
会場はホテルアークリッシュ豊橋 3F「THE GARDEN」
https://www.arcriche.jp/2020/09/14/garden-202009/ より引用
豊橋駅から徒歩1分、「人とまち、暮らしと文化をつなぐ豊かな架け橋でありたい」というコンセプトのホテルアークリッシュ豊橋。
宿泊事業だけでなくレストランでの地産地消メニューの提供やフードビジネスの人材発掘や育成を図る「東三河フードバレー構想」のもと料理監修を行うなど地元の農業と深く関わっています。
3年目のTOYOHASHI AGRI MEETUPがスタート!
交流会の冒頭では豊橋市地域イノベーション推進室より開会の挨拶と趣旨説明が行われました。
よりよい内容とするために毎回内容がアップデートされているTOYOHASHI AGRI MEETUPですが、今年度は職員を首都圏に派遣しアグリテック企業との繋がりを深めています。実際に今回の交流会には首都圏からアグリテック企業や農業分野の新事業創出に関心の高い多くの企業の参加がありました。
パネルセッション ~産業の壁を超えていけ~ 農業×○○イノベーションの未来
パネリストはAGRIST株式会社 代表取締役の齋藤 潤一氏、三栄商事株式会社 代表取締役社長の後藤 正幸氏、豊橋技術科学大学大学院 工学研究科 教授 髙山 弘太郎氏の3名。デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社の篠原 佑太郎をモデレーターとし、和やかな雰囲気で始まりました。
自己紹介の段階でお話は白熱し、パネルディスカッションでは「東三河の可能性」に絞ってさまざまな意見が交わされました。
東三河のポテンシャルは高く、行政や生産者が同じ方向を向いてイノベーション創出に取り組んでいるのが他地域に比べて良いポイント。”広く知られること”は重要で、お互いにシナジーをもって「世界の豊橋」を狙うという視座で取り組む必要があるという指摘がありました。
「意欲的な企業が分散してしまっているのがもったいないポイントで、タッグを組めば本当に世界を狙える」「自分たちはあたりまえだと思っている技術が実は第三者から見ると光るものがあり、そういったものをつなぎ合わせるだけでも世界を狙える可能性が高い」といった意見が出ました。
「どんなにすごいことをやっていても、歴史の長い企業にとっては成果を謙遜してしまう文化がある」という意見もあり、それをいかに打ち崩すかが地域の課題の1つであるという指摘も。
“農家じゃないからこそ”わかることもあり、農業分野の事業者だけで頑張ろうというのではなく、工業やベンチャー企業など立場の違う人々がミックスされることで何かが生まれるのではと期待されていました。
ただし誰と組んでもいいというわけではなく、シナジーを産むために本当に大切なのは”本気の人”と組むこと。「なにか生まれるといいな」と思っているだけでは何も進まないので、まずはとにかく行動! そうすると次に繋がっていくので、とりあえず一歩踏み出せるかどうかが大きな違いだと語られました。
また、やりたいことをとにかく声に出して多くの人々に伝えることでチャンスが生まれるという効果を実例を交えてご紹介いただきました。各パネラーの皆さんから豊橋の地で挑戦できそうな農業イノベーションの具体例が共有され、まだまだ語り足りないくらいではありましたがパネルディスカッションは終了しました。
アグリテック企業によるプレゼンテーション
株式会社アグリノーム研究所
アグリテックの多様な分野の研究者が集まり、スマート農業から得られるデータやサーキュラーエコノミーの活用で農業現場の課題解決に取り組む株式会社アグリノーム研究所からは代表取締役の宮内 陽介 氏が登壇。
さまざまな事業がある中で特に竹を活用したサーキュラーエコノミーの取り組みを紹介。今回の交流会を通じて「豊橋モデル」の地域循環化や付加価値化を目指したいという想いを語っていただきました。
やさいバス株式会社
誰もが美味しい食を手に入れられることを目指し、地域の生産者と利用者をつなぐDXを活用した共同配送物流システム「やさいバス」を運営するやさいバス株式会社からは東海エリア事務局の古田 晴久 氏が登壇。
システムの詳細や地域資産を活用した事例、昨年の3月からスタートした豊橋エリアの展開、現場に足を運び地域と一緒に創り上げるプラットフォームであるということを紹介いただきました。
株式会社CULTA
独自技術で品種開発を5倍速で進め、生産者と共に独自品種の農産物を生産・販売する東大発スタートアップの株式会社CULTAからは代表取締役の野秋 収平 氏が登壇。
“適地が適地でなくなってしまっている”現状の中で未来の適作適地の実現を目指し、AIなど最新技術を使った品種開発から生産管理・販売まで「農家が儲かる」ビジネスモデルの説明や新しく開発したイチゴの品種を紹介いただきました。
株式会社TOWING
脱炭素と減化学肥料・有機転換を実現する土壌改良資材である高機能バイオ炭の普及を通じ持続可能な農業を目指す株式会社TOWINGからは国内事業開発部 西日本事業開発チーム 西日本事業開発リーダーの阿部 浩人 氏が登壇。
名古屋大学発ベンチャーであり、現在豊橋市に自社工場を建設中です。豊橋エリアで進んでいる栽培実証や試作プラントの建設、Jクレジットの発行・売却など具体的な取り組みを紹介いただきました。
今回も大盛況!第2回の交流会は9月30日(月)に開催
会場80名、オンライン50名という多くの参加者の方が集まり、とても熱量の高い交流会となりました。
アグリテック企業によるピッチの後に行われた交流会でも「サービスを早速使ってみたい」「製品開発の協力に興味がある」といった声を頂き、今回の交流会をきっかけに豊橋エリアでの事業展開が進んでいきそうです。
次回のアグリテック企業との交流会は2024年9月30日(月)に開催を予定しています。全国から集まったアグリテック企業と直接ご交流いただける貴重な機会です。新しい農業の在り方や、自分たちの抱える農業課題の解決に興味ある方、ぜひご参加ください!
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https://toyohashi-agri-meetup.jp/meetup