
本格的な暑さがやってきましたね。夏と言えば、海・山・川・キャンプ・バーベキュー・花火、そしてスイカ割り!
みんなで盛り上がって美味しいスイカも楽しめる、これぞ夏の風物詩ですよね。
この記事ではスイカ割りの起源、ルールからコツなどを徹底的にご紹介します!
諸説あり!スイカ割りの起源
スイカ割りの起源には諸説ありますが、有力なものは以下の3つです。あなたはどれだと思いますか?
武道・居合斬りの練習説
日本刀の試し斬りや居合斬りで、剣術のスキルが高いことを示すために、野菜や果物を素早く切るというパフォーマンスをすることがあり、それがスイカ割りとして広まったという説。
豊作祈願説
現在日本で食べられているスイカは、アフリカで品種改良したものです。アフリカでは、水分量が多いスイカを貴重な資源として飲み水や食材、また生活用水としても使用していました。そんなスイカの豊作を祈る風習があり、それが日本でスイカ割りとして変化して定着したという説。
戦前の儀式説
ちょっと怖い話になりますが、中国「三国志」の時代の戦いの前の儀式に由来しているという説もあります。戦いの前に、罪人を首の下まで土で埋め、頭をこん棒で叩くという儀式がありました。これは、戦いの相手に自分たちの残虐さを見せつけることで、戦う気力を奪うのが目的だったそう。それがあまりにひどいということで、罪人の頭ではなく、頭と同じぐらいの大きさの、中身が赤いスイカが使われるようになり、そこからスイカ割りが広まったという説。
なぜわざわざ「割る」の?
目隠しをして周りの声だけを頼りにスイカを探し、棒でたたくという体験は普段の生活ではなかなか味わえるものではありませんよね。
スイカを割るには周りの人からのサポートも必要なので、みんなが一致団結します。協力しながら苦労することでスイカが割れた時の達成感をみんなで感じ、最後は割れたスイカを食べて楽しめます。
そして実は、スイカ割りは子どもの成長を促す遊びでもあるんです。目隠しをすることで聴覚や集中力を養い、棒を握ることで握力や力加減を学ぶことができます。方向感覚や空間認識能力も養うことができるんですよ。
スイカ割りには公式ルールが存在する?!
なんと、スイカ割りには正式なルールがあります。スイカの産地として有名な山形県のJAみちのく村山の有志の人によってつくられた日本すいか割り推進協会が定めており、スイカまでの距離・棒の長さ・ぐるぐるバットの回転数・審判員になるための項目までも記載してあります。
公式ルール
- スイカと割る人の距離は5m~7m以内とし、棒は直径5㎝以内、長さ1m20㎝以内とする
- 割る人1人と進む方向を指示する複数名のサポーターでチームを作る
- スタート時に右回りに5回と3分の2回転を行い、持ち時間は1分30秒とする
- スイカに棒が当たらなければ、持ち時間内で3回まで棒を振れる
- 定められた点数表に従って審判員が点数をつけ、一番多い点数が付いたチームが勝ち
次のスイカ割りの機会は、ぜひ正式ルールにのっとって正々堂々プレーしてみてはいかがでしょうか。
スイカ割りのコツ
せっかくスイカ割りをたのしむなら、きれいにスマートに楽しみたいですよね。そのためのちょっとしたコツをお伝えします。
土台を作る
棒がスイカをかすった時に変な風にひびが入ったり、転がって行ったりしますよね。それを防ぐためには、スイカを土台に載せてあげましょう。きれいに洗ったツナ缶などの空き缶でもいいですし、木の板やかたい板にタオルを円形においてスイカを固定させても大丈夫です。
地面が浜辺などやわらかいと、割った時の衝撃を地面に逃がしてしまうため、きれいに割れませんのでご注意を。
スイカの上下をさかさまに置く
ヘタの部分を下に向けて置くと、割った時に真下まできれいにヒビが入りやすくなります。
逃がし包丁を入れておく
よく熟れたスイカは、少しの衝撃で割れやすく、「棒がスイカに少し当たったけど、少しのヒビなのでもう1回!」ができなくなるかもしれません。
簡単に割れないようにするには、花落ち(スイカのお尻)部分に包丁の刃元で2~3㎝の切り目を数か所入れておきます。大きいスイカの場合は、表面や茎の方にも数か所逃がし包丁を入れるのもおすすめです。
木の棒を使う
スイカを力で割るのではなく、棒の重さを利用して、振り落とすように割るときれいに割れます。そのため、軽い竹ではなく、自重のある木の棒を使うと良いでしょう。
日本すいか割り推進協会は、ヒノキ製のスイカ割り専用の棒の販売もしていますよ。
スイカの皮の浅漬けで帰りのごみを減らそう!
スイカの皮って分厚くて、結構なゴミになりますよね。野外で食べたのならなおさらゴミの始末に困ってしまいます。そこでおすすめなのが「スイカの皮の浅漬け」。筆者の父は、スイカの赤い実の部分より、この白い部分の漬物が好きで、赤い部分を私と母が食べ、白い部分を父が食べるので、スイカのゴミはかなり少なかったです。
作り方は簡単!スイカの赤い部分を食べ終わった後、緑のかたい皮をむいて、白い部分だけにします。一口大に切って、ポリ袋に浅漬けのもとと一緒に入れてもむだけ。シャキシャキの食感とさっぱりとした口当たりはビールがすすみます。ぜひお試しください。
おうち遊びでスイカ割りごっこ
先述したとおり、スイカ割りは子どもの成長を促す効果があります。でも、スイカ割りはそんなに頻繁にはできないですよね。そんな時にはおうちの中で雨の日でもできる「スイカ割りごっこ」です。
スイカの代わりにボールを使い、棒の代わりに新聞紙を棒状に丸めたものやラップの芯を使ってもいいですね。紙風船を割るようにすれば、「パンっ!」という音が気持ちよく、達成感を高めてくれるのではないでしょうか。鈴を入れた風船を使えば、棒が当たった時に音が鳴るので、こちらもおすすめです。
まとめ
筆者が子どものころ、親せきや家族と毎年川へ行き、バーベキューとスイカ割りを楽しんでいました。
子ども達は川とバーベキューを往復し、大人たちはビール片手にそれを見守る。食後はみんなでスイカ割りで盛り上がり、子どもたちはまた川へと遊びに行き、大人たちのおつまみにスイカの皮の浅漬けが加わる……記事を書きながら、思い出がたくさんよみがえってきました。
今は私がその夏を子どもたちに届ける番になりました。スイカ割りは遊びながら世代をつなげてくれる、やさしい夏の思い出製造機かもしれませんね。