キラリと光る東三河の企業を紹介! Vol 05 株式会社トヨコン

東三河は農工商バランスのとれた産業構造となっており、製造品出荷額や農業産出額が全国的にも有数の規模を誇っています。そんな東三河を拠点に活動する魅力的な企業を取材し記事として紹介していきます。
第5弾は、愛知県豊川市に本社を構える株式会社トヨコンです。
代表取締役の明石 耕作(あかし こうさく)様にお話をお伺いしました。

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会社の概要を教えてください。

株式会社トヨコン(以下、トヨコン)は愛知県豊川市に本社を置き来年60周年を迎える総合物流会社です。
包装資材及び物流機器販売、包装設計、システム開発、倉庫管理業務、梱包業務、組み立て事業、またグループ会社にて100台ほどの自社トラックの操業なども手掛ける総合物流サービス業です。

トヨコンの強みについて教えてください。

トヨコンの強みは常に変化に対応し、新しい事業に挑戦し続ける事です。

トヨコンは1963年に創業した、豊川梱包工業(株)から歴史がスタートしています。名前の通り創業当時は大手精密機器メーカー専用の梱包を請け負う会社でした。その後、様々な時代の変化から、事業の多角化の必要性を感じ、1973年には資材販売部を分離し豊川東海資材㈱設立しました。この地域には部品メーカーなどの工場も多かったため、梱包に使用する段ボールやテープ等の外販をはじめ、梱包屋から包装資材販売業へと事業領域を拡大しました。
さらに1979年に東海陸運株式会社をM&Aし、包装梱包した先の物流までサポートできる体制になりました。現在は包装設計・梱包業務はもちろんのこと、システム開発や倉庫管理まで対応しています。
お客さまのニーズに寄り添いながら挑戦し、トランスフォーム(変容)できることがトヨコンの強みです。

最近の挑戦や取り組みについて教えてください。

2020年8月に10年後にトヨコンがどう変わっていきたいかを示す「2030年ビジョン」を策定しました。その中の「3ヵ年方針」には、「SDGs」・「DX(デジタルトランスフォーメーション)」・「地域社会への貢献」の3つのビジョンを柱として立てています。

3つ全てのビジョン達成に向けて精進していますが、「SDGs」への取り組みには特別に力を注いでいます。
梱包資材はどうしても開封後にはゴミになります。持続可能な世界の実現が求められ、世間からは梱包資材は環境負荷が大きいと言われ始めました。今のタイミングで、物流業界が環境問題の解決に取り組むのは、最大のミッションだと思います。近年でこそ「脱プラスチック」と謳われていますが、プラスチックは安くて軽くて扱いやすく、梱包業界において無くてはならない存在でした。ところが今では、欧州向けの包装材はプラスチックを使わないでほしいという要望を頂くまでに社会は変わっています。
ただし、ここで思い出していただきたいのは、トヨコンは物流が発端ではなく、梱包から始まった会社だという点です。トヨコンには商品に合わせて梱包材の素材を選び設計する設計部門があり、段ボールメーカーでもプラスチックメーカーでもないため、多くの仕入れ先からのいろいろな素材を自由に組み合わせて使用できます。さらに、どんな新素材が開発されたかなどの有益な最新情報も各取引先から仕入れることが可能です。
トヨコンだからこそできる方法でSDGsへの取り組みに挑戦しています。

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SDGsへの具体的な取り組みを教えてください。

SDGs商品を2つ紹介します。

1つ目は「ワッフルパッド」という梱包材です。「ワッフルパッド」は段ボール立体緩衝材です。電化製品などの梱包材はもともと発泡プラスチックで作られることが大半でしたが、その緩衝材を段ボールで作った商品です。「ワッフルパッド」はトヨコンで登録商標を取得している商品であり、ワッフルのような凸凹から名前が付きました。プラスチック製のものに比べて環境への負荷が少なく、重ね合わせての輸送も可能なため、お客さまからもご好評をいただいております。

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2つ目は「トランスフォーム段ボール」通称「トラダン」です。
「トラダン」は段ボール箱に保管・輸送以外の新たな機能として“遊び”を付加した商品です。使用された後、捨てられてしまうことの多い段ボール箱。再利用されることで循環しているものの、新たな使い道がないかと考えたのが「トラダン」です。
通常の保管・輸送用の箱として使用した後に、変形させることで2次利用が可能であることがポイントです。
使用用途としては「災害備蓄品」の保管箱としての活用を考えています。大規模災害発生時の課題の一つとして、生活者の精神的負担が大きいと知り、今回の商品を災害備蓄用の商品保管箱として活用することで解消できると考えています。

トヨコンは2022年8月から株式会社湘南ベルマーレフットサルクラブ様と【Chance&Empowerment パートナー】を締結しています。これは、湘南ベルマーレフットサルクラブが推進している、社会課題を様々な企業・団体と共に解決するパートナー協定です。トヨコンは防災に関わる課題解決において協定を結んでおり、「トラダン」を一緒に広める活動をしています。

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現在の課題について教えてください。

SDGs商品の開発と言っても一筋縄にはいきません。いくら環境に配慮した梱包ができたとしても、値段が上がりすぎるとお買い上げいただけません。また、梱包に携わる会社として、最も大切なものはお客さまが作っている商品です。環境に良いという理由で、守るべき商品が壊れてしまうような梱包材では意味がありません。
環境への配慮、値段、安全性への全てをそろえる必要が生じます。中でも環境への配慮と値段のバランスが難しい点です。

SDGsへの取り組みにおいては東京などの大都市企業が先行している印象です。環境に配慮した梱包をお求めの精密機器メーカーさんがいたら是非お問い合わせ下さい。

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インタビューを通して

トヨコンさんからは多方向で挑戦し続け、結果として社員のトランスフォームに繋がっているという印象を受けました。記事では紹介しきれませんでしたが、2016年に名刺管理サービスsansanを導入し、MA(マーケティングオートメーション)を活用しています。MAは、今となってはよく聞く単語になりましたが、トヨコンさんはいち早く時代の流れを察知し、挑戦してきました。冒頭にご説明いただいた沿革からもうかがえる様に、挑戦とトランスフォーム(変容)というキーワードがトヨコンさんの企業文化として根付いていると感じました。今も挑戦は続いており、さらなるSDGs商品に挑戦しているとのことです。今後もトヨコンさんの挑戦から目が離せません。

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会社名 株式会社トヨコン
住所 〒442‒0837 愛知県豊川市川花町2丁目62番地
設立 1964年(昭和39年)9月
代表取締役 明石耕作
HP 株式会社トヨコンHP
電話番号 0533‒84‒3191(代表)