7月といえば七夕。
織姫と彦星の七夕伝説や短冊に書いた願いを笹に吊るすというのがおなじみですね。
この記事では、そんな七夕の由来や時期について、また意外と知らない伝承などをご紹介します!
七夕とは?名前の由来と歴史
七夕はもともと「棚機(たなばた)」と呼ばれる行事で、季節の変わり目に無病息災を願う日本古来の風習のひとつでした。
乙女が着物を織って棚にそなえ、神さまを迎えて秋の豊作を祈ったり穢れを払うというもので、織姫と彦星の物語などは仏教の普及とともに中国の伝承と融合して定着したものだと言われています。
江戸時代になると七夕は庶民の間でも広まり、当時は短冊に詩歌や文字を書いて手習いの上達を願って吊るされていました。
七夕には◯◯を食べる!?
現代でも七夕シーズンになると商業施設などで色とりどりの短冊に願い事が書かれて吊るされていますね。今でも七夕に無病息災を願っているという方は少ないかとは思いますが、特別な日として認識されている方が多いと思います。
そんな七夕ですが、実は当日に食べると良いとされているものがあるのをご存知ですか? それは索餅(さくべい)という、小麦粉や餅粉をねったものを油で揚げた中国の食べ物です。日本ではあまり有名ではありませんが、奈良県の一部の地域では「麦縄(むぎなわ)」と呼ばれ、現代でも親しまれています。
https://kspkk.co.jp/gourmet/60041/より引用
索餅はそうめんの元祖と言われており、長い麺が天の川や織糸のようにも見えることから七夕の行事食としてそうめんを食べるという風習が少しずつ認知されているそうです。
7月7日だけじゃない!?七夕はいつ行われるのか
七夕は7月7日…とも限らないんです!もともとは旧暦の7月7日が七夕であり、明治に暦が改められたのをきっかけに新暦の7月7日に行うのが日本では一般的となりました。
国立天文台によると、旧暦による七夕は「伝統的七夕」とされ、2024年は8月10日となっています。
一方で伝統的七夕は毎年日付が変わるため、7日という点は残して8月7日を七夕とする地域もあり、北海道や仙台が代表的です。
7月7日はまだ梅雨の地域が多く、せっかくの七夕なのに雨で星空が見えない…ということもありますが、8月にもまだ “七夕” のチャンスがあるんですね!
日本3大七夕祭りの1つ!安城七夕まつり
「仙台七夕まつり」「湘南ひらつか七夕まつり」と並んで日本3大七夕祭りの1つである「安城七夕まつり」。「願いごと、日本一。」をコンセプトに、竹飾りのストリートの長さでは日本一だと言われています。
安城七夕まつりは終戦後の商店街を盛り上げようという活動が下地になりつつ、1954年に第1回が開催。1960年には安城神社の北西に「安城七夕神社」も創建されました。
2013年には一つの竹にかける短冊の数を競うギネス世界記録™に挑戦し、13,809枚という記録で認定されました。
今日においても安城市の夏の風物詩として短冊飾りやキャンドルナイトなど大勢の人々に楽しまれています。
2024年は8月2日(金)・3日(土)・4日(日)の3日間に開催。詳しくは安城七夕まつり公式サイトをご参照ください。
世界の七夕
日本へ織姫と彦星の伝説を伝えた中国では、現代では七夕が日本のバレンタインデーのように恋人と過ごしたりプレゼントを贈るイベントになっているそうです。
韓国でも七夕は古くから七夕伝説にちなんで恋人同士が贈り物をしあう日。近年では、恋人だけでなく友人家族や友人といった親しい人にも花などのプレゼントを贈る日になっているようです。
フィンランドにも七夕伝説に近い伝承があり、ベガとアルタイルは死後に星となった仲の良い夫婦。再会を果たすために1000年をかけて星屑を集めて橋をつくったのが天の川だと言われています。
日系人の多いブラジルでは、毎年7月にサンパウロでスターフェスティバル ”Tanabata” として七夕をお祝いしています。南半球のブラジルでは冬の一大イベントとして、10万人を超える人々が集まり短冊に願いを書いたり出店や踊りで盛り上がるそうです。
まとめ
これまで知ってはいてもなんとなく過ごしていた七夕。調べてみると知らないことがまだまだあったことにとても驚きました。特に驚いたのは七夕の食べ物「索餅」で、本来は3月3日のひなあられや5月5日の柏餅のように季節の節目を感じながら食べられていたそうです。
ご近所で索餅を手に入れるのはなかなか難しいですが、形の似ているかりんとうを索餅に見立てるケースもあるのだとか。かりんとうよりもチュロスに似ている!という声もあり…ゆくゆくは「七夕にチュロスを食べる」なんていう文化が日本に根付くかもしれませんね。
皆さんもぜひ素敵な七夕をお過ごしください!