
田原市への転職や移住を考えているけれど、実際の仕事事情がよくわからない。そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
就業しやすい業種はどこか、収入は都市部と比べてどうなのか。
この記事では、公的データをもとに田原市の就業事情と収入水準をわかりやすく解説します。
田原市で就業しやすい業種は?

田原市で盛んな製造業のほか、今後は介護関連での雇用が期待できます。
田原市で働きやすい業種を探るには、産業別の就業者数や事業所数のデータが参考になります。統計から見えてくる田原市の産業構造と、今後注目される分野を確認してみましょう。
田原市民の就業状況|産業別の就業者数・就業者割合から考える
まずは、田原市民がどのような産業で就業している人が多いのか、全体像をとらえましょう。令和6年度の田原市の統計によると、令和2年の田原市民の就業者数は34,642人と示されています(国勢調査をもとにした、田原市在住者の就業先を集計したデータです)。
同資料より、令和2年の産業別の就業者割合は以下のとおりです。
| 第1次産業(農業・林業・漁業) | 28.8% |
|---|---|
| 第2次産業(鉱業・建設業・製造業) | 25.1% |
| 第3次産業(インフラやサービス業など) | 42.1% |
3次産業は含まれる業種が多岐にわたり就業者割合も多くなっていることを加味すると、次産業、2次産業、3次産業ともにバランスよく分散して就業していることがわかります。
1なかでも、最も就業者数割合が多いのは、農業(27.7%)です。次いで製造業(20.4%)、さらに卸売・小売業(10.0%)という構成です。
昭和35年では農業就業者割合が59.5%と最も高く、製造業就業者は9.2%にとどまっていました。
昭和、平成、令和、と時を経て、農業就業者割合が徐々に減少し、製造業就業者割合が増加してきています。
参考:田原市の統計(令和6年度)p29「3-8 産業別(大分類)就業者 」
田原市民+田原市通勤者の就業状況|産業別の事業所数・従業者数から考える
田原市における産業別の事業所数や従業者数から働きやすい業種を考えると、製造業がひとつの選択肢として挙げられます。
令和6年度の田原市の統計より、令和3年6月1日における産業別事業所数と従業者数を見てみましょう。
田原市にどのような産業の事業所がどのくらいあるのか?どのくらいの人が働いているのかを示しています。
※なお、前項の就業者数は「田原市に住んでいる人がどの産業で働いているか」を示す国勢調査のデータです。一方、この事業所数・従業者数は「田原市内の事業所に勤めている人(田原市民+市外からの通勤者)」を示す経済センサスのデータです。そのため、市外から田原市の工場へ通勤している人が多い製造業では、従業者数が前項の就業者数より大きく上回っています。また、農業・漁業などの1次産業は個人・家族経営が多く事業所として計上されにくいため、”従業者”数が少なくなっています。
| 事業所数 | 従業者数 | |
|---|---|---|
| 1次産業(農林漁業) | 121 | 1144 |
| 2次産業(鉱業・建設業・製造業) | 369 | 1万4607 |
| 3次産業(サービス業など) | 1740 | 1万4343 |
従業者数が最も多いのは製造業で1万3141人でした。複数の業種を含む3次産業全体に近い数字であり、田原市で製造業に従事する人がいかに多いかがわかります。
製造業が盛んな理由として、以下のような立地面でのアドバンテージが挙げられます。
- 日本のほぼ中央に位置している
- 自動車の輸出入世界トップレベルの三河港に面している
- 東名高速道路、国道1号、23号といった幹線道路に近接している
田原市にある複数の工業団地では自動車関連産業をはじめ、さまざまな企業が生産と物流の拠点としており、多くの雇用が生まれています。
医療や福祉のニーズが高まっている
田原市では医療や福祉分野のニーズが高まりをみせており、介護分野においては2040年ごろまで需要が増え続ける見込みです。
令和6年度の田原市の統計より、3次産業に分類されている医療・福祉については、平成17年の就業者割合(4.9%)から調査ごと(5年ごと)に毎回1ポイント前後の増加を続けています。
令和8年3月31日作成の指定区別年齢別男女別人口調より、65歳以上の割合が30.5%、75歳以上の割合が17.1%と、約半数近くが高齢者である事実からも、医療や福祉分野のニーズの高さが窺えます。
さらに、日本医師会が提供している地域医療情報システム(JMAP)で田原市の医療・介護需要予測指数を調べてみたところ、介護の需要が今後高くなる見通しです。2020年の指数を100とした場合、田原市の介護需要予測指数は、2030年では120。2035年~2040年にかけては123、2045年は120、2050年で121となっており、需要の増加が見込まれています。一方、医療に関しては2035年で99と100を切り、需要が低下していく見込みが示されています。
参考:田原市の統計(令和6年度)p29「3-8 産業別(大分類)就業者 」
田原市で働く場合の収入事情

田原市で働く場合、収入はどのくらいになるのでしょうか。「田原市では都市部よりも収入が落ちるのでは?」と心配している人もいるかもしれませんが、かならずしも収入が減るとは限りません。就労する職業やポジションによっても収入は大きく変わってきます。とはいえ、なにも目安がないのも不安なはずです。
公式な平均年収データはありませんが、家計所得や公務員給与などの公的データをもとに、田原市民の収入水準の目安を見ていきます。
給与収入なら約534万円が目安
田原市の平均収入を直接的に示す公的データは見当たりませんでした。そのため、愛知県の市町村民経済計算統計表(2023年度)を用いて考察します。同資料によれば田原市の2023年度の「人口一人あたりの家計所得」は383万7,000円と発表されています。
家計所得とは何か?ごく簡単に説明すると、家族全員の収入から各種控除を差し引いたものです。一人ではなく、世帯の所得と考えるとわかりやすいでしょう。そして、”人口一人あたりの”家計所得は、子どもなど就労していない人も含めた人数で割り算したものです。
したがって、田原市民の平均所得を正確にあらわすものではありませんが、383万7,000円よりも少し高い値が田原市民の所得(収入から控除をひいたもの)の水準として目安になりそうです。
ちなみに、給与”所得”で383万7000円の場合、給与”収入”に換算すると、約534万円程度となります(ZEIMO「給与所得から給与収入を逆算するツール」より算出)。
公務員の給料から他市との差を推測する
公務員の給料体系と民間の給料体系は異なります。公務員の給料から民間企業で働く人の給料を推測することは困難です。しかし、地方公務員の給料は地元民間企業の給料との均衡を考慮して決められている面もあるため、田原市の給料と他市の公務員の給料とを比較することで、「他市の給与水準と比べてどうなのか」を探るヒントになり得ます。
田原市職員・名古屋市職員の給料(手当含まず)を比べてみましょう。
| 田原市 | 名古屋市 | |
|---|---|---|
| 行政職 | 324,100円 (平均年齢42.8歳) | 317,768 円 (平均年齢40.8歳) |
参考:田原市公式HP「田原市の給与・定員管理等について(令和6年4月1日現在)p2」
名古屋市公式ウェブサイト「令和6年名古屋市職員給与実態調査の概要p4」
市職員の給料を比較するかぎりでは、田原市も名古屋市と大きな差はありません。民間にそのまま当てはめることはできず、また市職員のなかでも平均年齢、勤続年数、階級等によっても異なるため一概に「名古屋市と同水準」ということもできません。
しかし「大きな差はなさそう」というヒントにはなり得るのではないでしょうか。
田原市の求人数は都市部より少ない傾向、情報収集や条件の絞り込みで工夫を

田原市における転職で注意しておきたい点は、全体の求人数です。都市部と比べると少ない傾向があります。
名古屋市の全体求人数が14,132件(2026年4月25日ハローワーク正社員求人)であるのに対し、令和8年4月24日時点でIndeedに掲載されている田原市の正社員求人は3,531件、ハローワーク求人検索でのフルタイム求人は229件にとどまっています。
「求人数が少ない=選択肢が少ない」というのは事実ですが、応募者数も少なかったり、職種によっては意外と競争が激しくない可能性もあります。 大切なのは、求人数が少ないからと悲観しすぎないことです。求人情報を広く集める、譲れない条件を絞り込んでおく、といった工夫でカバーしましょう。
求人情報は、ハローワークや大手求人サイトだけでなく、TASUKIのように地域に特化した求人サイトの情報を並行して見ることをおすすめします。また、自治体の移住・就職支援相談窓口に問い合わせてみる、田原市に住んでいる人にコネがないか聞いてみる、などオフラインの転職活動が功を奏する可能性もあります。
地方転職はコネがないと難しい?仕事を探すときに知っておきたい現実
まとめ:製造業を中心とした雇用と都市部に引けを取らない収入水準

田原市は製造業を中心に雇用が安定しており、今後は介護分野でも需要拡大が見込まれています。
収入面に関する直接的なデータはないものの、複数のデータから推測する範囲では「都市部より大きく引けをとるのではないか?」という心配も少しは拭えたのではないでしょうか。ただし、求人数は都市部に比べて少ない傾向がみられる点では、情報収集等に工夫が必要になるでしょう。
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