転職で応募しすぎた

転職活動で、たくさんの求人に応募してしまったという経験のある方は多いのではないでしょうか。転職活動では、応募しすぎると対策が行き届かなくなる可能性があるため、応募先は厳選するのがおすすめです。

そこでこの記事では、大量応募がよくない理由と対処法を解説します。応募先の厳選方法もご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

転職活動で応募しすぎたらよくない?

転職活動で応募しすぎ

転職活動をしていると、内定をもらえるだろうかと不安になってたくさんの求人に応募してしまうことがあります。また、最近ではスマホで簡単に応募できるため、気がついたら大量に応募していたということもあるでしょう。

転職活動で応募しすぎるのはおすすめできません。チャンスを増やそうと大量に応募すると、かえって転職が成功しにくくなってしまうためです。応募数を増やせば採用される数が増えるというわけではありません。スケジュール管理や面接対策などバランスを考えて応募する数を決めていくことが大切です。

ただし、40代や50代の転職では求人数が減る傾向があるため、若い世代より応募する企業数を増やすほうがよい場合もあります。とはいえ、応募しすぎるデメリットを考えれば、たとえ年齢が上がってもむやみに応募先を増やすのではなく、無理のない範囲で増やしていくとよいでしょう。

大量応募を避けるには、応募先の選び方を知るのが不可欠です。仮に応募しすぎてしまっても、適切な対処法を知っておけば、失敗するリスクを減らせます。

大量応募がよくない理由

転職大量応募よくない理由

では、応募しすぎるとなぜよくないのでしょうか。大量応募がよくない理由には、主に以下の3つが考えられます。

  • スケジュール管理が複雑になる
  • 準備時間が不足する
  • 合わない企業に応募してしまう

ここからは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

スケジュール管理が複雑になる

同時期に応募すると、面接の日程が重なる可能性があります。大量に応募して複数の応募先で書類選考を通過してしまえば、短期間でいくつもの面接をこなさなければなりません。最近では一次面接をオンラインで行う企業もありますが、所在地の違う企業を何社も訪問しなければならなかったり、一次面接や二次面接、最終面接とひとつの企業につき何度も面接に行かなければならなかったりして、過密スケジュールになってしまうでしょう。移動時間や面接時間を計算しながら、日程や時間帯を調整していくのは負担の多い作業です。

企業によっては面接日を指定する場合もあり、日程が重なれば応募先に日程の変更をお願いしなければなりません。面接日の変更は応募先に対して気を遣いますし、何度も変更すれば志望度が低いと見なされて、選考から外れてしまう可能性もあります。

仕事をしながら転職活動をしている場合は、仕事のスケジュールを変更したり有給を取ったりしなければならず、スケジュール管理が複雑になるでしょう。

準備時間が不足する

面接を受けるには、指定された日時に会場に行けばいいというわけではありません。面接までの期間には、企業の理解を深めるための企業研究、志望理由、入社してやりたいことなど想定される質問への回答など、準備しなければならないことがあります。

面接準備は時間のかかる作業です。短期間にいくつもの企業の面接を受けることになると、準備時間が不足してしまいます。準備不足で面接に臨めば、面接官の質問に答えられなかったり、自分の考えをしっかりと伝えられなかったりして失敗してしまうでしょう。場合によっては優先順位の高い応募先の準備に手が回らず、志望度の高い企業へ転職するチャンスを逃してしまう可能性もあるのです。

転職活動を成功させるには、面接で伝えたい内容を吟味して、面接官に納得してもらえる回答を準備し、自信を持って回答することが重要です。応募しすぎて準備時間が不足してしまえば、面接の成功が難しくなるでしょう。

合わない企業に応募してしまう

企業を深く研究せずに表面的な雇用条件だけを見て応募してしまうと、企業の社風や職場環境などが自分に合っているか確認できずに、入社してから自分に合わないと気づくケースも少なくありません。自分に合わない企業とのミスマッチを起こしてしまえば、転職活動を繰り返してしまう原因にもなります。

あっちもこっちもと応募しすぎると、企業に対して深く検討することが難しくなります。合わない企業に応募してしまわないためにも、応募しすぎは避けるべきです。

応募しすぎたらすべきこと

転職応募しすぎたらすべきこと

もし応募しすぎても、適切に対処できれば失敗を防げます。応募しすぎたときにすべき対処法は以下のとおりです。

  • 慌てない
  • 企業の優先順位をつける
  • 採用スケジュールを整理する
  • 断りの連絡は早めにする

以下に、項目ごとに解説します。

慌てない

まずは、慌てないことが大切です。応募した企業全ての書類選考に通るわけではないので、企業から連絡がくるまで、落ち着いて待ちましょう。

企業の優先順位をつける

応募した企業からの連絡を待ってる間に、するべきことがあります。仮に複数の企業から書類選考を通過したと連絡があった場合に備えて、日程が重なったときどちらを優先させるか、企業の優先順位を決めておきましょう。優先順位の高い企業から順番に面接の日程を決めていくようにすれば、行きたい企業が後回しになってしまうのを避けられます。面接日程の調整を迷わず進めていけるでしょう。

採用スケジュールを整理する

企業ごとに内定が出るまでのスケジュールや期間は異なります。応募先の採用スケジュールを確認して、内定までにかかる日数を計算し、スケジュールが重ならないように日程を調整することが重要です。

主に、以下のようなスケジュールを、企業ごとに確認しておきましょう。

  • 面接日・面接回数
  • 内定が出るまでの日数
  • 内定承諾の期限

次のような表などにまとめておくとわかりやすく、漏れを防ぐことができます。

企業名 応募した日 面接回数 書類選考期間 初回面接日の目安 内定が出るまでの期間 内定が出てから承諾までの期限
A社 〇月△日 2回 2~3日 〇月□日 2週間程度 3日以内
B社 〇月■日 3回 1週間程度 〇月▲日 1ヵ月間 1週間以内
C社 〇月☆日 1~2回 1週間以内 〇月◎日 1週間~10日 2日以内

応募しすぎは対応漏れの原因となり、大切な企業の対応を忘れてしまうことにもつながります。どの企業が選考過程のどこにいるのかを、わかりやすく整理しておくことが重要です。

また、面接が進んでいるあいだに、すでに内定が出ている他の応募先へ承諾の返事をする期限がせまってしまう場合もあります。優先順位と採用スケジュールを照らし合わせて、先に内定が出た場合にどう対処するかを決めておきましょう。

断りの連絡は早めにする

「複数の企業の面接が重なってしまい、日程の調整が難しかった」「とりあえず応募してみたけれど、落ち着いて考えると自分には合わないと気づいた」など、残念ながら選考を辞退することもあります。

断りの連絡をするときは、できる限り早めにするのがマナーです。企業は採用のスケジュールをたてて選考を進めています。役員面接などは、前もって役員の予定をおさえている場合もあるでしょう。急なキャンセルは企業に迷惑をかけてしまう恐れがあります。断るのは気が重いため後回しにしたくなりますが、辞退する場合はできる限り早めに連絡しましょう。

応募先を厳選する方法

応募先を厳選する方法

応募しすぎないためにも、応募しすぎたときの対処法としても、応募先を厳選する方法を知っておくことは大切です。応募先を選ぶために必要な手順は、主に以下のとおりです。

  • 希望条件をはっきりさせる
  • 行きたい企業だけを選ぶ
  • 一度に応募する企業数の上限を決めておく
  • 応募できる企業が少ないときだけ条件を緩める

ここからは、ひとつずつ詳しく解説しましょう。

希望条件をはっきりさせる

転職活動を始めるにあたって、転職においてゆずれない条件をはっきりさせることが大切です。転職の原因となった問題の解決や目的の達成のために必要な条件、応募先の企業に求めることを明確にしましょう。給与、勤務条件、仕事内容、キャリアアップなどゆずれない条件を明確にしておくことで、たくさんある求人のなかから自分に合った企業を選ぶ基準を持てます。また、企業に優先順位をつけられるため、日程が重なったり複数の内定をもらえたりしても、迷う心配がありません。

行きたい企業だけを選ぶ

転職活動をしていると、不安になってとりあえず応募してしまうことがよくあります。そうすると、応募先がどんどん増えてしまい、結果としてどの企業が行きたい企業なのかわからなくなってしまうことも少なくありません。

たとえ不安になったとしても、行きたいと思う企業だけを選んで応募しましょう。対策が疎かになったり自分に合わない企業を選んでしまったりして、失敗するリスクを減らせます。結果として、希望に合った転職へとつなげられるでしょう。

一度に応募する企業数の上限を決めておく

面接日を調整しやすくし、準備時間を確保するためには、自分が対応できる数を把握しておくことが大切です。一度に応募する企業数の上限を決めておくことにより、余裕を持って対策を進めることができます。

応募しすぎて対策が疎かにならないためにも、上限より多い数の応募は避け、応募先を絞り込むことをおすすめします。

応募できる企業が少ないときだけ条件を緩める

応募した数が少ないと不安になり、もっと増やしたほうがいいのではないかと思いがちです。しかし、前述のようにむやみに応募先を増やすのはおすすめできません。応募先を選んだけれど応募できる企業があまりにも少ないという場合だけ、希望条件を緩めて応募先の企業を増やしましょう。

条件を緩める場合もむやみに緩めるのではなく、希望条件の優先順位に合わせて緩めていきます。そうすることにより、希望条件の優先順位がぶれずに、軸を保ったまま応募先を選んでいけます。

応募先を選ぶにあたって、どれくらいの企業数に応募するのが適切なのか気になる方も多いでしょう。応募する企業数の目安は、次の記事で詳しく解説しています。参考にしてみてくださいね。

応募しすぎても慌てずに自分に合う企業を見極めよう

ビジネスバッグを持つ笑顔の女性

転職活動では、ついたくさんの求人に応募してしまうことがあります。しかし、応募しすぎはデメリットがあり、おすすめできません。

応募しすぎてしまうと、スケジュール管理が複雑になり、難しい日程調整が必要になります。うっかりと日程が漏れてしまう可能性もゼロではありません。

また、面接までの準備にかける一社あたりの時間が短くなってしまい、企業を深く研究して志望動機や質問への回答を準備することが難しくなります。企業研究が足りないために、自分に合わない企業へ応募してしまい、入社後のミスマッチにつながる場合もあるでしょう。

応募しすぎないためには応募先を厳選しなければなりません。転職における希望条件を明確にし、優先順位をつけます。そして、行きたい企業だけに応募しましょう。また、自分が対応できる数を把握しておき、一度に応募する企業数の上限を決めておくのも対策のひとつです。

もし応募しすぎてしまったら、慌てずに企業からの返事を待つことが大切です。全部の企業の書類選考に通ることはほぼありませんので、待っている間に希望条件を整理し、優先順位をつけておきましょう。選考を辞退する場合はできる限り早めに連絡するのがマナーです。

面接対策に時間をかけてひとつひとつの企業に準備をするのが、転職成功への近道です。転職活動の内容を濃くすることにより、自分に合った企業を見つけ、しっかりと対策ができます。やみくもに応募するよりも内定を勝ち取りやすくなるでしょう。応募しすぎないように注意しながら、企業を厳選していきましょう。