転職活動を進めているけれど、書類選考に通過できず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。なぜ通過できないのか理由がわからなければ、自信をなくしてしまうでしょう。
転職活動を成功させるためにも、書類選考に通らない理由と通過するポイントを知ることは大切です。
そこでこの記事では、書類選考の目的や選考の基準、通らない理由を解説します。企業が書類選考で重要視するポイントを理解して、書類選考を突破しましょう。
目次
転職における書類選考の目的
効率良く採用活動を行うために行われるのが書類選考です。担当者が会える人数は限られているため、企業が求めるスキルや経験にマッチしているかどうかを書類で確認し、面接で会う人を絞り込みます。
選別の基準は企業により異なります。選考基準を満たしていない場合は、選考対象に含めてもらえるような書類を作成する工夫が必要です。
スキルや経験が企業の募集要項に合っていると、書類選考を通過する確率が上がります。一方、スキルや経験がなくても、将来的に職場で活躍できる見込みがあると担当者が判断して面接に進むケースも少なくありません。
転職での書類選考の通過率は?
書類選考の通過率は、企業の規模や職種、募集人数などにより異なります。
人気のある大企業では応募者の数が多いため、通過率は低い傾向があります。ポストが空かなければ募集しない場合や定員が少ない部署では、採用人数が少ないため競争率が高くなるでしょう。
株式会社マイナビが行った「転職活動における行動特性調査 2022年版」によると、全体で求人に応募した数の平均は15.1件で、そのうち書類選考に通過したのは平均で5.7件であり、全体の通過率は38.1%となっています。
なかでも、医療・福祉 保育・教育・通訳の分野では通過率は63.1%、技能工・建築・土木の分野では43.1%となっており、専門的なスキルを必要とする職種では、スキルや経験があれば高い確率で通過できることがわかります。
また、営業の書類選考通過率は41.7%と高水準であり、特にベンチャー企業など積極性や意欲を重視する企業であれば、ポテンシャルややる気などを面接で確認したいと企業が考えれば通過する可能性が高いといえるでしょう。
書類選考の通過率を上げるには、企業が面接したいと思うポイントを押さえて、しっかりと書類を作成することが大切です。
参照元:株式会社マイナビ「転職活動における行動特性調査2022年版」p15
転職では書類選考の期間が早いほうが受かる?
書類選考の結果を待つ期間は緊張しますね。私も、選考期間が長かったときに、通らなかったのではないかと不安で落ち込んだ経験があります。
しかし、書類選考の期間は企業の規模や採用人数などにより異なり、早いほうが受かるとは限りません。企業によって、早ければ2~3日で結果がわかることもあれば、1ヵ月かかる場合もあります。想定より応募者が多く対応に時間がかかる場合や、一定の応募者数を集めてから選考を始める場合などは、選考期間が長くなるでしょう。
ただし、書類選考に通過していると、面接日の連絡が早いケースは多いです。企業が求める人材だと判断できれば、早く面接して確保したいと考えるためです。
選考期間の早さで選考の結果がわかるわけではありません。遅いからと落ち込んだりせず、結果を待ちましょう。
転職の書類選考で企業が重要視する4つのポイント
書類選考に通過するには、企業が重要視するポイントを押さえて書類を作成することが重要です。
この章では、書類選考で企業が確認しているポイントを項目ごとに詳しく解説します。
ポイント1:募集条件を満たしているか?
企業が求める人材の条件を満たしているかどうかは、書類選考を通過するために必要な要素です。
企業は採用活動を始めるにあたって、欲しい人材の条件を決めています。その条件に合わなければ、すぐれた人物だとしても採用に至りません。
スキルや経験、資格、今までの業務で達成した成果などを確認し、企業が確保したい人材であるかを判断しているのです。
ポイント2:経験やスキルがあるか?
転職の場合、経験やスキルが重要視される傾向があります。
人材の教育には時間とお金がかかるため、企業は即戦力となる人材を求めているケースが多いです。書類選考で、自社の業務に関係のある資格やスキルを持っている人材だと確認できれば、面接してみたいと考えるでしょう。
ポイント3:自己PRからわかる強みは何か?
入社後に活躍できる強みを持っているかどうかも、採用担当者が見ているポイントです。
自己PRや志望理由をもとに強みを探り、社風や職場に適しているかをチェックしているのです。
ポイント4:長く働いてもらえるか?
長期間働いてくれる人材であることは、企業にとって大切なポイントです。なぜなら、採用活動には一定の期間とお金がかかり、人材が不足していると業務に支障が出るためです。業務を安定して進めるためにも、企業側は長く働いてくれる人材を求めています。
本人のやりたいことと業務内容が違う、社風が合わない、将来独立を考えているなど、いずれ退職してしまう恐れがある場合は採用にならないでしょう。
転職の書類選考に通らない原因
書類選考に通らない原因を把握することは、転職活動において重要です。原因を知ることで、書類を作成する際に対策を立てられ、面接に進むチャンスを得られます。
書類選考に通らない場合の、主な理由は以下のとおりです。
- 求めるスキルや経験が足りない
- 年収や希望職種、業務内容など条件が合わない
- 転職回数が多い
- 熱意が伝わらない
- 書類に誤字脱字や不備がある
スキルや経験不足、条件面の不一致など、企業が求める人材ではないと書類選考の段階で判断されると面接へは進めません。書類選考に通過したいがためにスキルや経験を盛るのはNGです。しかし、謙遜しすぎるとアピールができません。スキルや経験については自信をもって記載し、条件や希望などを盛り込みすぎないようにしたいところです。
転職回数が多い場合は、長続きしないかもしれないと判断されることがあります。転職回数が多い人の書類の書き方は次の章「転職で書類選考に受かるためにするべきこと」で詳説します。
なお、定型文や転職ガイド本の例文を丸写ししたような自己PRや志望動機では熱意は伝わりません。誤字や脱字も、やる気や誠実性、丁寧さやマナーを疑われて書類選考に落ちる原因になり得ます。
転職で書類選考に受かるためにするべきこと
書類選考に受かるためには、ポイントを押さえた対策が必要です。
この章では、転職で書類選考に通るためにすべきことを解説します。ポイントを理解して、しっかりとした対策を立てられれば、書類選考に通過できるでしょう。
書類の不備・誤字脱字がないか確認する
書類を提出する前に、必ず誤字脱字と不備がないかを確認しましょう。パソコンの場合は誤変換に気づかない場合があるため、特に注意が必要です。文章の校正ツールを利用すれば、誤変換や誤字脱字に気づきやすいでしょう。
誤字脱字や書類の不備があると、入社後に業務を行う際にも注意力や丁寧さに欠けるのではないかと判断されてしまう可能性があります。書類の形式や記載内容を指示されているのに守れていない場合も、仕事上でも指示を守れない人だと判断されます。
経験やスキルを企業の希望に合わせる
企業が応募条件に指定しているスキルや経験があれば、応募書類に漏れなく記載しましょう。
また、今までの経験やスキルを、企業が求める内容に添わせることも大切です。経験や資格をどのように業務に活かせるかを具体的に説明できれば、入社後に成果を挙げられるとアピールできるでしょう。
自己PRで強みや得意なことをアピールする
自己PRや志望動機は、採用担当者に自身を売り込むチャンスです。応募者が多い場合は、他の応募者との差別化を図ることが大切です。
アピールは具体例を挙げて記載することをおすすめします。「〇〇の資格を取得した」「〇〇賞で表彰された」「社内で〇位の売上を挙げた」など、今までの成果や得意なことを具体的に記載しましょう。
企業が欲しがっている情報は最初に書く
採用担当者が読みやすい書類にするために、企業が欲しがる情報は最初に書きましょう。
短時間で数多くの書類に目を通すため、知りたい情報がすぐにわからないとしっかり読んでもらえない恐れがあります。特に、募集要項で指示された内容がある場合は、わかりやすく簡潔に書くことが大切です。
募集要項によく出てくる語句を使うと、採用担当者の目にとまる可能性が高くなるでしょう。
納得できる転職理由を考える
転職回数は企業側が気にするポイントのひとつです。
企業側の不安を解消するためにも、企業が納得できる転職理由を考えましょう。私も転職する際は、就きたい職種が現在の会社になかったなど、具体的で説得力のある転職理由を考えるようにしていました。転職回数が多くても、転職理由に合理性があれば、企業の不安を払拭できるでしょう。
また、複数の職場を経験したからこそ身につけられたスキルや能力があれば、いかに業務に活かせるかをアピールするのもひとつの方法です。
長く働いて企業の利益に貢献することをアピールする
企業にとって重宝するのは長く働いて貢献してくれる人材です。自分がそのような人材であることをアピールすることで、書類選考を通過する可能性を上げられるでしょう。
自身の将来的なライフプランにおいてこの企業で働くことが大切であると、長いスパンでアピールすることも効果的です。
スキルや強みを上手にアピールして、転職の書類選考を通過しよう
転職の書類選考は、企業が面接で会う人を選別する目的で行う採用活動です。
書類選考に通過するには、企業が重要視しているポイントを押さえた書類を作成することが重要です。そのために、書類選考で落ちる理由を理解し、受かるための対策に活かさなければなりません。
自分が企業の求める人材の条件に合っており、自分の持つスキルや強み、経験を活かして活躍できることを、具体的にわかりやすく書きましょう。長く働いて企業に貢献できることを上手にアピールできれば、転職の書類選考を通過する可能性が高くなるでしょう。