「今より年間休日が多い企業に転職したいけど本当に取得できる?」「転職したいので年間休日の詳細や平均を知りたい」こういった疑問を抱いている方もいると思います。転職して休日が減るのは避けたいですし、年間休日について転職活動をする際の注意点も知りたいですよね。
そこで今回は、年間休日について詳しく解説します。これを読めば、希望年間休日の求人を探す際の注意点もわかりますし、転職したい企業へ入社したあとの仕事とプライベートのイメージもできますよ。
私は年間休日が充実していると聞いた製造業に転職し、ワークライフバランスが整っている生活を送っています。そのため転職前に年間休日について深く知ることは、とても重要だと思っています。ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
年間休日とは
年間休日は一般的に以下2つの休日を指します。
- 法定休日:労働基準法で定められている
- 法定外休日:企業が独自に定めている
法定休日は労働基準法で定められた休日であり、年間最低日数は105日です。法定外休日は法律で指定されていない休日であり、会社や組織が独自に設定します。具体的には、ゴールデンウイーク・夏季休暇・年末年始休暇などです。両方の休日は労働者に休息とリフレッシュの機会を提供し、健康な労働環境を促進します。
有給休暇は労働基準法によって義務付けられた法定休暇で、個々の労働者によって取得可能な日数やタイミングが異なるため、年間休日の数には含まれません。企業や事業者は年間5日以上の取得を労働者に課しています。
また企業や事業者が独自で定めているリフレッシュ休暇や結婚休暇なども、同じ理由で年間休日には含みません。
年間休日の平均
次に厚生労働省が発表している「令和4年就労条件総合調査」より、年間休日の平均をみてみましょう。
【1労働者当たりの年間休日の平均】:115.3日
参照:令和4年就労条件総合調査
【1企業あたりの年間休日の平均】:107.0日
参照:令和4年就労条件総合調査
【1企業平均年間休日数の割合】
69日以下 | 4.3% | 100日~109日 | 29.6% |
---|---|---|---|
70日~79日 | 3.1% | 110日~119日 | 20.6% |
80日~89日 | 4.7% | 120日~129日 | 30.2% |
90日~99日 | 6.6% | 130日以上 | 1.0% |
120日~129日の割合が30.2%でもっとも多く、次に多いのが100日~109日で29.6%でした。
参照:令和4年就労条件総合調査
【企業規模別の平均年間休日】
企業規模 | 労働者1人平均年間休日総数 | 1企業平均年間休日総数 |
---|---|---|
1,000人以上 | 119.1日 | 115.5日 |
300人~999人 | 116.8日 | 114.1日 |
100人~299人 | 113.0日 | 109.2日 |
30人~99人 | 110.0日 | 105.3 日 |
企業規模が大きくなるほど、年間休日数と1人あたりの平均年間休日総数は多い傾向にあります。規模が大きい企業ほど従業員の健康や生産性を重視し、過度の労働時間やストレスを避ける傾向があったり、人材の確保と定着を図ったりするためです。
参照:令和4年就労条件総合調査
年間休日の例
求人の年間休日を確認すると、以下の日数を目にすることが多いです。
- 「125日・120日」
- 「110日」
- 「105日」
それぞれどのような休日の形態になっているのかを解説していきます。希望する年間休日や、転職希望先企業の年間休日などと照らし合わせてみましょう。
1.「125日・120日」の場合
年間休日が120日〜125日になるのは、土日・祝日・振替休日に年末年始やお盆・夏季休暇を追加した場合です。
これにより、一般的な企業よりも休日が多い環境が提供され、労働者はより充実したプライベートライフを享受できると同時に、仕事とのバランスも取りやすくなるのです。結果的に労働者の満足度が高まり、企業の生産性や労働環境の向上にも寄与します。
2.「110日」の場合
年間休日が110日になるのは、以下の場合が多いです。
- 年間休日が104日の完全週休2日に加えて、6日の夏季休暇や年末年始休暇が付与される場合。
- 日曜日を休日とし、隔週または月に1回出勤する土曜日を設け、夏季休暇や年末年始休暇、GWなどを追加の休日として付与される場合。
年間休日が110日になると祝日が休みにならない場合が多く、休日が少ない印象をもつことが多いです。求人を探す際に年間休日が110日と記載されている場合は、注意が必要です。
3.「105日」の場合
労働者が最低限の休日を保証される場合、年間休日は105日です。労働基準法では「週の労働時間は40時間かつ1日の労働時間は8時間」と定められているため、土日休日や週休2日の場合、祝日・夏季休暇・ゴールデンウィークなどは出勤しなければなりません。
長期休暇の取得が難しく労働にかなりの負荷を感じることが多いのが、年間休日105日の特徴です。
参照:労働基準法第三十二条
週休二日と完全週休二日の違い
完全週休2日制と週休2日制の違いを解説します。
1.完全週休二日制
完全週休二日制は、毎週2日間の休みがある制度を指します。具体的な休みの曜日は、企業ごとに異なり、週に2日ある休みの曜日が固定されている場合もあれば、固定されていない場合もあります。どの週をみても休みが2日ある状態であれば完全週休二日制といえます。以下は完全週休二日制の例です。
- 完全週休二日制(土・日):毎週土日が休み
- 完全週休二日制(日・水):毎週日曜日と水曜日が休み
- 曜日や祝日について明記されていない場合:企業のシフト制度や方針による
求人情報に完全週休二日制と記載されている場合は、休みの曜日が固定されているのか、シフト制などで週によって異なる曜日に毎週2日の休みがあるのかを面接などで確認することが重要です。
なお、ハローワーク求人では「休日等」の欄に「週休二日制 ”毎週”」と記載されているものが完全週休二日制を意味します。
2.週休二日制
週休二日制は、1週間に2日の休みが月に最低1回与えられている制度です。企業によってその休日の割り当て方は異なります。たとえば、以下のような場合が週休二日制です。
- 第1週に2日の休みがあり、残りの週は週休1日
- 第1週と第3週が週2日の休暇であり、第2週と第4週が週1日の休み
週休二日制は完全週休二日制と比べて、休日数が少なくなる場合があります。ただし、年末年始やお盆休みなど長期連休が長く、他の月で週6日の勤務がたった1週ある場合でも「週休二日制」であり「完全週休二日制」とはいえません。週休二日制だから必ずしも休みが完全週休二日制よりも少ないとはいいきれないケースもあるため、休日制度の詳細は面接などで確認するようにしましょう。
希望する年間休日の求人を探す際のポイント
希望の年間休日が取得できる企業を探すための注意点を解説します。
1.企業ごとに年間休日は異なる
企業ごとに同じ年間休日数でも、休みの日や曜日は異なります。年間休日が多くても、毎週2日休めるわけではなく、土日祝に休めるとも限りません。小売業では、現場の従業員は週末ではなく平日が休みであることが一般的ですが、本部の社員は土日休みのケースもあります。企業内でも部署ごとに年間休日が異なる場合があるため、募集要項や面接時の確認が必要です。
2.有給取得率を確認する
求人情報を確認する際には、休日数だけではなく有給休暇の取得率にも注目しましょう。休日数が多くても有給が取りづらいと、転職してもメリットを感じられないことがあります。転職口コミサイトや労働環境レポートなどで有給取得率を確認し、適切な労働環境の企業を選ぶことが重要です。
3.年間休日を絞り込んで検索する
年間休日を希望日数で絞り込んで検索してみましょう。例えば転職サイトや検索エンジンなどで年間休日120日と検索すると、条件を満たした求人情報を取得できる可能性が高いです。
4.年間休日が多いだけで転職先を選ばない
年間休日が多いという理由だけで転職先企業を探すのは、おすすめできません。やりたい仕事ではない企業に転職してしまう可能性がありますし、早期退職の原因となる可能性があります。年間休日数も考慮しつつ、自分がやりたいこと・これまでの結果・新しい職場でどのような貢献ができるかを考えましょう。
取得できる年間休日は企業ごとに違う
年間休日は会社や部署ごとに異なり、105日・110日・120日・125日と設定する企業が多いです。希望の年間休日が取得できる企業なのかを調べた上で転職活動をおこないましょう。とはいえ年間休日数だけで転職先を選ぶと、思っていた仕事内容と違うことに戸惑い、早期退職を余儀なくされる可能性もあります。
年間休日が取れる企業なのかも調べつつ、やりたいことやどのような活躍ができるのかも考えながら、転職先企業を探しましょう。