高い気温や体調、行動などで体温の上昇と発汗など体温の調整機能のバランスが崩れることでさまざまな症状を引き起こすのが熱中症です。
熱中症は真夏の炎天下で発症するイメージが強いですが、実は室内や30℃未満の気温でも熱中症のリスクはあります。
この記事では熱中症の症状や重症度レベルによる違い、予防法などを解説しています!
熱中症の症状とは? 初期症状を見逃さないポイント
一口に「熱中症」と言っても、重症度ごとに症状が異なり救急搬送する必要性など対応も異なります。
ここでは厚生労働省が示す熱中症の重症度レベルⅠ〜Ⅲごとに症状と対応をご紹介していきます。
重症度レベルⅠ(軽症)
以下のような症状の場合は「現場での応急処置で対応できる」とされています。まずは後述する基本的な応急処置を行い、症状が回復しなければ医療機関を受診しましょう。
- めまい、立ちくらみ
- 筋肉痛、筋肉がつる
- 気分の不快感
重症度レベルⅡ(中等症)
以下のような症状の場合は「病院への搬送を必要とする」とされています。意識がある場合でも無理をせず、医療機関を受診するようにしてください。症状が悪化した場合は救急車を呼ぶようにしましょう。
- 頭痛
- 吐き気、王都
- 倦怠感、虚脱感
- 体がぐったりする
- 力が入らない
重症度レベルⅢ(重症)
以下のような症状の場合は「入院して集中治療の必要がある」とされています。特に意識のない熱中症疑いのある方を見つけた時には、迷わず救急車を呼ぶようにしましょう。
※レベルⅡの症状に加えて
- 意識障害
- 痙攣
- 手足の運動障害
- 高体温
(参考 | 熱中症予防情報サイト)
救急車を待っている間にも熱中症の症状は刻一刻と悪化していきます。軽症や中等症の場合と同じく、すみやかに次のような応急処置を行いましょう。
覚えておきたい熱中症の応急処置
まずは涼しい場所へ移動して安静にし、衣服をゆるめて身体の熱をできるだけ放出させます。
保冷剤など冷たいものを首筋やわきの下、足の付け根といった太い血管の通っている場所に当てて体温を下げます。肌に水をかけてうちわやタオルであおいで冷やすことも有効です。
塩分や水分の補給を行いますが、嘔吐の症状が出ている時には無理に飲ませないようにしましょう。カフェイン多く入っているものやアルコールはNGです。
気をつけたい子どもの熱中症サイン
自分の体調把握や症状が上手く伝えられない子どもは、特に気をつけてあげる必要があります。
また背の低い子どもは大人よりも熱がこもりやすく、大人の感覚で過ごしていると知らぬ間に熱中症になってしまうことがあります。
次のような様子が見られる時は、すみやかに涼しい場所へ移動して水分・塩分をとって休息させるようにしましょう。
「眠い、疲れた」と言う
子どもがよく言いがちなセリフではありますが、熱中症によって脳への血流が不足すると眠気や疲労感が症状として現れます。
大量の汗をかいている、もしくはまったく汗をかかない
汗だくになって遊びまわる子どもですが、尋常でない量の汗をかいていたり逆に不自然なほどに汗をかいていない時は熱中症の疑いがあります。
筋肉痛や筋肉のけいれんがある
いわゆる「こむら返り」や、筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなるというのも熱中症の症状のひとつです。
これらはいずれも「子どもによく起こること」と似た症状なのが熱中症の怖いところです。軽く受け流さず、しっかりケアして様子をみてあげるようにしましょう。
また、大人と同じく意識が朦朧としていたり水分補給できないといった場合はすぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
これも熱中症!?意外な症状
熱中症が引き起こす症状の中には、大人にとっても意外なものがいくつもあります。
ここでは、あまり一般的ではない熱中症の症状について紹介していきます。
寒気を感じる
熱中症によって体温調節機能に異常が起こると、暑さではなく寒気を感じることがあります。
これは重症度レベルⅡに相当し、できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。
腹痛や下痢
脱水になって血液が濃くなると腸の働きが鈍り、下痢をしやすくなります。また熱中症になると体内で炎症物質が増え、こちらも腹痛や下痢を引き起こす原因に。
また脱水にならないようにと一気に水分をとりすぎると腸で水分が吸収しきれずに下痢っぽくなってしまうので、水分は少しずつ何回かに分けて摂取するようにしましょう。
当日には発症しない「翌日熱中症」
熱中症の中には、暑かった当日ではなく翌日に症状が発症するケースもあります。これは暑さによってダメージを受けた内臓がゆっくり悪化することで症状が現れるまでのタイムラグが発生するためです。
疑わしい症状が出ても「暑かったのは昨日だし…」と受診が遅れてしまうと大変危険です。症状が重症な時は救急車も迷わずに呼びましょう。
生活を整えて熱中症を予防しよう!
いざという時のために、熱中症の症状を詳しく知っておくことは大切ですね。
しかし、できれば予防できるのが一番です。
水分や塩分・糖分をしっかりとるのはもちろん、適度な運動で発汗機能が鈍らないようにしたり睡眠環境を整えて睡眠不足にならないように気を付けるのも大切なポイントです。