ムビプロ2025アイキャッチ

2025年7月から11月の約半年間に渡り、豊橋市の学生が企業とタッグを組んでPRムービーを企画・制作するプロジェクト「学生×企業のムビプロ!(ムービー制作プロジェクト)」が開催されました。

この記事では、実際に学生がつくったユニークな企業PRムービーと、その制作の舞台裏を紹介します。

【ムビプロ】豊橋の企業に潜入して、PRムービーをつくろう!

ムビプロってどんな講座?

本プロジェクトは、豊橋市産業政策課主催「学生による企業の魅力発見・発信講座」事業に基づき、株式会社タスキの運営で開催されました。
豊橋市内の大学等に通う学生や市内在住の学生が豊橋の企業を取材し、企業をPRするためのショートムービーを作成するという半年間のプロジェクトです。

ムビプロチラシ

2025年度は、愛知大学、豊橋技術科学大学、金城学院大学から計21名が参加し、プロジェクトがスタート!
参加者はチームに分かれて実際に企業を訪問し、社長や社員へのインタビューを通じて、学生目線で感じた“働きやすさ”“仕事の魅力”を、60秒~90秒ほどのショートムービーにまとめました。

ムビプロ参加企業一覧

本プロジェクトには多数の企業から応募があり、抽選の結果以下6社が選ばれました。

クオリティの高さに驚き!学生が制作した企業PRムービー

まずはさっそく、各チームのムービーをご紹介します!
チームみんなで「どうすれば企業の魅力が伝わるだろう?」「見る人が飽きないようにしよう!」と試行錯誤を重ねて制作した、学生たちの工夫が詰まった、個性あふれるムービーをご覧ください!

伊勢安金網製作所

工業用の金網からインテリアにも活用されている金網など、人々の暮らしを支える各種金網製品の製造を行い、受注生産を得意とする伊勢安金網製作所。
社員の方々に工場内を案内してもらったり、一緒に食事をしたりと、企業と学生の交流が深まり、撮影現場は笑顔と活気であふれていました。

伊勢安金網製作所取材風景

動画内では実際に簡単な金網づくりを体験したり、企業の強みを紹介したりと、社内の雰囲気がよく伝わるムービーになりました。
社員の皆さんにも快く撮影にご協力いただき、アットホームなムービーに仕上がったのではないでしょうか。

メガネ流通センター

眼鏡・補聴器の販売を行うメガネ流通センター。「メガワールド」と聞けばピンとくる方も多いのではないでしょうか?
メガワールドでは、すべての店舗に眼科が併設されており、高品質なサポートが受けられることが魅力のひとつです。
企業を訪問した際には様々なお話を伺うことができ、眼鏡業界についての理解度をより深められた様子でした。

眼鏡流通センター取材風景

ムービーでは、学生自身がモデルとなり、接客の流れを分かりやすく紹介する工夫が盛り込まれていました。また、社員の方へのインタビューを行うことで、“やりがい”や“業界の今後”など、現場のリアルな声がしっかりと伝わるムービーになりました。

明輝クリーナー

一般・産業廃棄物の収集やリサイクルを通じて、私たちの日常を見えないところで支えている明輝クリーナー。
「廃棄物に関わる仕事」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
おそらく、“きつい”、“大変そう”といったマイナスの印象を持つ方が多いかもしれません。
しかし、実際に企業を訪問してお話を伺うと、人々の暮らしや地域を支えるとても大切な仕事であることが分かります。
今回撮影に参加した学生たちもムービー制作を通じて、「イメージがガラッと変わった」「必要とされ続ける仕事で将来性を感じた」など前向きな感想を口にしていました。

明輝クリーナー取材風景

今回のムービー制作では、これまで抱かれがちだったマイナスイメージを、プラスへと転換できるような、企業の魅力がぎゅっと詰め込まれた内容になりました。

豊橋まちなか活性化センター

中心市街地の活性化支援・企画運営等を行う豊橋まちなか活性化センター、通称TMO。
TMOの方に案内していただきながら街歩きを行い、普段はつい見逃してしまうような豊橋の魅力にたくさん気づくことができました。
撮影を通して、豊橋市民あるあるの「豊橋には何もない」という思い込みを払拭するとともに、学生たちも、自分たちが豊橋のまちづくりに直接関われる可能性に興味を持っていました。

まちなか活性化センター取材風景

今回のムービーでまず注目してほしいのが冒頭のナレーションです。実はプロやAIがナレーションを担当しているわけではなく、参加学生が収録したものなんです。それぞれが得意分野を活かしながらムービーを作り上げていくのも「ムビプロ!」の魅力のひとつ。チームで力を合わせてクオリティの高いムービーに仕上げることができました。

宮川工機

豊富な経験と実績から得たノウハウを活かし、プレカット専用機械の製造やソフトウェアの開発などに力を入れ、日本一のシェアを誇る宮川工機。
プレカットとは、家の骨組みなどをあらかじめ工場で正確に加工し、現場での組み立てをスムーズにする、建築を支える技術です。

宮川工機取材風景

企業を訪問してまず驚いたのは、若手社員の多さでした。ムービー撮影を通じて、働きやすい環境づくりや新入社員へのサポート体制が整っていることが、若手社員が多い理由だと感じました。
撮影には多くの社員の皆さまにご協力いただき、宮川工機の高い技術力はもちろん、福利厚生の充実度や社内の雰囲気まで伝わる、宮川工機の魅力を余すことなく詰め込んだムービーに仕上がりました。

サンソマテクノ

「街の酸素になりたい」というグループ基本理念のもと、地域社会に貢献し、地域のインフラを支えるサンソマテクノ。
絵コンテの段階からクオリティの高さを感じるチームでしたが、完成したムービーも想像以上の仕上がりになりました。上映会では企業担当者の方からも「一生使います!」と、絶賛の声をいただきました。

サンソマテクノ取材風景

グループ企業が多く、1分半程度の尺の制限がある中で、どうやって伝えたいことをまとめていくか苦戦していまいしたが、シーンの取捨選択や編集の工夫で上手にムービーをまとめることができました。
ムービー冒頭から登場する“ソマくん”がとてもかわいらしく、上映会当日も参加者の皆さんから大好評でした。

ムビプロ事前準備講座と撮影の裏側を公開!

取材前の事前準備セミナー

このプログラムの特徴として、初めての企業訪問でもしっかり取材・撮影ができるよう、サポート体制を組んでいます。

1回目の事前セミナーでは、名刺交換の仕方やビジネスマナーを学び、安心して当日を迎えられるよう準備を進めました。

2回目の事前セミナーには、企業の方々にもお越しいただき、“何をPRするか”や“どんなストーリーにするか”、“どこで誰を撮影するか”など、まさに企業と学生が“タッグを組んで”、PRムービーの企画を練り上げていきました。

ドキドキの企業訪問

企業を訪問するのは初めて、という学生がほとんどで、「緊張してる!」という声が多く聞こえてきました。
お仕事中の社員の方に協力いただくシーンも多かったので、効率よくスムーズに進められるよう、しっかり撮影の順番や段取りを事前に相談したうえで、撮影をスタートしました!
外で撮影する場合は「空が晴れているタイミングが良いな」、とか、「工場内では周りの音ができるだけ入らないようにしよう」、など、臨機応変な対応も必要でしたが、チームメンバーや企業の方と協力して、どのチームも満足のいく撮影を行うことができました。

こだわり抜いたムービー編集

ムービー編集も、もちろん学生たち自身で行います。過去に制作した経験のある学生もいましたが、ほとんどの学生が初挑戦。画像編集などで有名な“canva”を使って動画編集に挑戦しました。

どのチームも、「やるからには、最高のものを届けたい!」という思いで、各社のイメージに合わせた音楽を選んだり、見せ場を作ったりと、ムービーの演出にこだわりました。

何度も打ち合わせや修正を重ね、ついに各チームのムービーが完成しました!

完成ムービーをついにお披露目!上映会&交流会の開催

2025年11月18日(火)、本プロジェクトの集大成として、各チームによるムービーのお披露目である上映会を、まちなか図書館にて開催しました。
当日は参加学生・参加企業に加えてたくさんの方々が見学に訪れ、学生たちは“学生目線で感じた企業の魅力”を発信しました。

参加学生たちは他チームのムービーの完成度にも興味津々。どのチームも個性のあるムービーで、質疑応答の時間にはムービーについて様々な質問が飛び交い、企業・学生ともに盛り上がる活気のある上映会となりました。
企業の方からの講評では、どのチームもとてもいい評価を受けることができ、参加学生たちも思わず笑顔に。努力してきた半年間がしっかりと実を結んだ瞬間でした。

上映会の後には企業と学生の交流会も行われ、ムービー制作の振り返りや今後の就活・キャリアなどの話題で盛り上がりました。
約半年間の取り組みを通して、企業と学生の距離がぐっと縮まったことを実感できる、有意義な時間となりました。

ムビプロ!を終えて

約半年の時間をかけて、事前セミナーの受講から企業調査、取材準備、ムービー企画、企業取材・インタビュー、そしてムービー編集・発表までやり遂げました。

参加した学生からは、

  • ムビプロへの参加をきっかけに、訪問した企業のインターンにも参加し、より企業理解を深めることができました。
  • 普段関わる機会のない企業の方々と協力してムービー制作に取り組めたことは、とても貴重な経験でした。今後の進路を考える上でも、有意義なプロジェクトだったと感じます。

といった声をいただきました。

どのチームも、企業の方とのミーティング前にしっかりと情報収集を行い企業理解を深めていましたが、それでも「実際に社員の方からお話を聞いてみると印象が変わった」、「企業訪問や工場見学を通じて、事業内容への理解度が一気に高まった」という意見が多数でした。
普段生活を送る中では、企業について“ほんの表面上の部分”しか見えていません。
今回の参加者の中には、これから就職活動をする学生も多くいましたが、企業の本当の姿を理解し、自分に合う企業を見つけるためには、自ら積極的に情報を取りに行くことが重要であるという気づきを得られたのではないかと思います。

豊橋市には、まだまだ面白い企業がたくさんあります。
このプロジェクトやムービーを通じて、豊橋市内の企業や市内就職に関心をもつ学生が増えれば嬉しいです。