2024年7月から11月の約半年間に渡り、豊橋市の学生が企業とタッグを組んでPRムービーを企画・制作するプロジェクト「学生×企業のムビプロ!(ムービー制作プロジェクト)」が開催されました。

この記事では、実際に学生がつくったユニークな企業PRムービーと、その制作の舞台裏を紹介します。

豊橋の企業に潜入して、PRムービーをつくろう!

どんな講座?

本プロジェクトは、豊橋市産業政策課主催「学生による企業の魅力発見・発信講座」事業に基づき、株式会社タスキの運営で開催されました。
豊橋市内の大学等に通う学生や市内在住の学生が豊橋の企業を取材し、企業をPRするためのショートムービーを作成するという半年間のプロジェクトです。

ムビプロ!学生チラシ

2024年度は、愛知大学、豊橋技術科学大学、金城学院大学、南山大学、名城大学から計19名が参加し、プロジェクトがスタート!
参加者はチームに分かれて実際に企業を訪問し、社長や社員へのインタビューを通じて、学生目線で感じた働きやすさや仕事の魅力を、60秒~90秒ほどのショートムービーにまとめました。

参加企業一覧

本プロジェクトには多数の企業から応募があり、抽選の結果以下6社が選ばれました(申し込み順)

  • サーラ不動産(旧:中部ガス不動産)(不動産業)
  • ジェイアンドシー(菓子・日用品等各種商品の輸出入)
  • ナツメ(銅など非鉄金属の加工品メーカー)
  • 平松食品(つくだ煮メーカー)
  • 大仙(温室やトップライト等の設計・製造・施工)
  • ミカワリコピー販売(OA機器の販売・メンテナンス等)

クオリティの高さに驚き!学生がつくった企業PRムービー

まずはさっそく、各チームのムービーをご紹介します!
チームみんなで「どうすれば企業の魅力が伝わるだろう?」「見る人が飽きないようにしよう!」と試行錯誤を重ねて作った、工夫いっぱいのムービーをお楽しみください。

サーラ不動産(旧:中部ガス不動産)

地域密着で不動産売買や賃貸、まちづくり事業など総合的に事業を展開する不動産会社、サーラ不動産(旧:中部ガス不動産)。
地域が大好きな人たちが集まっている会社であることもあり、社員同士の仲の良さ・アットホーム感が自慢のこの会社。どうすればそれがPRできるだろうか?とチームで検討を重ねた結果、『若手社員が語り合う座談会形式』を採用しました!

サーラ不動産取材風景

撮影は完成したばかりの豊橋駅前の商業施設emCAMPUS WEST4階のシェアハウス内で行われ、おしゃれな空間にチームメンバーのテンションもあがります。
ムービーは、社員同士が話している様子をテンポよく切り取り繋げることで、メリハリあるムービーに仕上がりました。

ジェイアンドシー

中国・香港・台湾等のアジア全般と北米を中心に日本の安全な食品や日用品を輸出、外国の日用品・消耗品などを海外現地工場から輸入・国内発送までを請け負う貿易会社、ジェイアンドシー。
学生らが率直に感じた最初のイメージは「貿易=書類とか数字とか難しそう…&男性が多そう」というもの。
でも、社員の方々へ実際にインタビューしてみるとイメージがガラリと変わったということで、その驚きをなんとしてもムービーで伝えたい!と、意気込みました。

ジェイアンドシー取材風景

ムービーの最後にはNGシーンを盛り込むという面白いアイデアも反映!『堅い』とは真逆のムービーとなりました!

ナツメ

主に、自動車メーカーの工場等のスポット溶接の電極として使われる銅製品の製造・加工を専門とする技術屋、ナツメ。
初めての工場見学に、学生もウキウキ!

ナツメ取材風景

最新鋭の機械やロボットとベテランスタッフの手作業という、普通は対極にあるようなものが見事に融合して1つの製品をつくり上げている姿を見て、ものづくりの奥深さを実感しました。
「このカッコよさを伝えたい!」という学生らの想いが、太鼓の音をバックミュージックに工場の様子を紹介するという表現にあらわれています。

平松食品

創業100年超、豊橋から世界の食卓につくだ煮を届ける食品メーカー、平松食品。
一般的な乾燥原料を使用したつくだ煮は1日で出来上がりますが、平松食品では生原料を多く使用し、創業時から守り続けている竹籠をつかった製法で3日間じっくり時間をかけて製造しています。

平松食品取材風景

おいしさや安全への徹底的にこだわったその製造過程が楽しく伝わるよう、「イワシくん」という探偵が潜入捜査をするというストーリーでわくわくするムービーに仕上げました。

大仙

全国各地の家庭用から大型の園芸用温室を設計・製造・施工する大仙。現在は温室事業以外にも建築分野や額縁製造など、4つの柱の事業を展開しています。

大仙取材風景

施工事例のひとつとして市内の大型温室にて撮影させてもらいました。そのスケールの大きさをムービーで表現するため、3mの自撮り棒を使って頭上からのアングルで撮影したりと、工夫がつまったムービーになりました。
撮影中、急遽生まれた「社員みなさんで集合して、『大仙に、若い力を!』と声をだしてもらう」というアイデアにも快く協力していただき、温かい社風を感じた撮影でした。

ミカワリコピー販売

オフィスのトータルプランナーとして、三河エリアを中心にOA機器の販売・メンテナンス等を行うミカワリコピー販売。
最近改装したという本社オフィスは、緑がたくさん・フリーアドレスでおしゃれでビックリ!

ミカワリコピー販売取材風景

学生自身がキャスターとなって社内の雰囲気を深堀していく様子を、楽しく明るい雰囲気のムービーに仕上げました。取材中はこちらからの無茶振りも構わずどんどんお応えいただき、学生らしいユニークさのあるムービーになりました。

講座と撮影の裏側の様子をチラみせ!

取材前の事前準備セミナー

このプログラムの特徴として、初めての企業訪問でもしっかりと取材・撮影ができるよう、サポート体制を組んでいます。
第1回目の事前セミナーでは、名刺交換の仕方やビジネスマナーも学び、安心して当日を迎えられるよう準備しました。

2回目のセミナーには、企業の方々にもお越しいただき、何をPRするかやどんなストーリーにするか、どこで誰を撮影するかなど、まさに企業と学生が“タッグを組んで”、PRムービーの企画を進めました。

ドキドキの企業訪問

企業を訪問するのは初めて、という学生がほとんど。「緊張してる!」という声が多数でした。
お仕事中の社員の方に協力いただくシーンも多かったので、効率よくスムーズに撮影するため、しっかり撮影の順番など段取りを相談したうえで、撮影を開始しました!
外で撮る場合は空が晴れているタイミングが良いな、とか、工場内では周りの音ができるだけ入らないようにしよう、など、臨機応変な対応も必要でしたが、チームメンバーや企業の方と協力して、どのチームも満足いく撮影ができました。

こだわり抜いたムービー編集

ムービー編集も、もちろん学生自身で行います。過去に制作した経験がある学生もいましたが、ほとんどの学生が初挑戦。画像編集などで有名なcanvaを使って動画編集に挑戦しました。

どのチームも、「やるからには、最高のものを作りたい!」という思いで、各社のイメージに合わせた音楽を選んだり、見せ場を作ったり、ムービーの演出にこだわりました。

何度も打ち合わせや修正を重ね、ついに各チームの企業ムービーが完成しました!

完成ムービーをついにお披露目!最終発表会&交流会の開催

2024年11月18日(月)、本プロジェクトの集大成として、各チームによるムービーのお披露目と、企業紹介のプレゼン発表会を、まちなか図書館にて開催しました。
当日は参加学生・参加企業以外にもたくさんの方々が見学し、参加学生が学生目線で感じた企業の魅力を発信しました。

参加企業や見学者は、学生がつくったムービーのクオリティの高さにビックリ!
各チームそれぞれ見る人が楽しめる工夫がいっぱいで、あっという間にお披露目は終了しました。

発表会の後には企業と学生との交流会も実施し、ムービー制作の振り返りや今後の就活・キャリアなどの話題で盛り上がりました。

ムビプロ!を終えて

約半年の時間をかけて、事前セミナーの受講から企業調査、取材準備、ムービー企画、企業取材・インタビュー、ムービー編集などをやり遂げました。

参加した学生からは

  • グループで協力して完成させれたことで自信がつきました。また他大学の学生とも知り合うことができたこと、企業の方とも密に話せたことが何よりの良い経験となりました。
  • これほど、充実感のある楽しい企画になるとは思ってませんでした。直接企業の方と関わって、お話しして、動画という形の残る作品を作れたこと、嬉しく思います。自分自身を成長させることができたと思います。

といった声をいただきました。

どのチームも、企業の方とのミーティング前にしっかりと情報収集して企業のことを調べていましたが、それでも「実際に社員の方の話を聞いてみると印象が変わった」「企業訪問、工場見学を通じて、事業内容への理解度がかなりアップした」という意見が多数でした。
普段生活を送る中では、企業についてほんの表面上のことしか見えていません。
今回の参加者の中にはこれから就職活動をする学生も多いですが、企業の本当の姿を理解し、自分に合う企業を見つけるためには、能動的に情報を取りに行く姿勢が大切なことが伝わったのではないかと思います。

豊橋市には、まだまだ面白い企業がたくさんあります。
このプロジェクトやムービーを通じて、豊橋市内の企業や市内就職に関心をもつ学生が増えれば嬉しいです。