豊橋地域でのイノベーション創出、創業・起業、人材開発など地域産業発展に繋がる事業を展開する株式会社サイエンス・クリエイトが、地域産業の活性化を図るきっかけ作りとして毎回様々なテーマで実施しているハッカソン。
今回の記事では、平成28年度から令和5年度までに実施したハッカソンイベントを振り返ります。
ハッカソンとは?
ハッカソンというイベントをご存知でしょうか。
ハッカソンとは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を組み合わせた言葉です。
エンジニアやプログラマー、学生にデザイナー、課題を持った人、プレゼンスキルを磨きたい人など、多種多様なバックグラウンドを持った人たちがグループを作り、議論や共同作業をしていく参加型のイベントで、提示されたテーマに対して決められた時間の中で、自分たちのスキルを活用してアプリケーションやハードウェア、課題を解決するための提案など、プロダクトと呼ばれる成果物を作り上げることが特徴です。
これまで開催されたハッカソン
平成28年度から令和5年度までに、なんと9回ものハッカソンが開催されました。
平成28年度~30年度 介工ハッカソン(第1回~第3回)
介工ハッカソンとは「介護×工業」テーマに、介護・看護の現場で必要なモノやサービスをみんなで作るイベントです。
介護・看護の専門家や福祉を学ぶ豊橋創造大学の学生、そして工学に強い豊橋技術科学大学の学生たちが参加し、多角的な視点から様々なアイデアが生まれました。
その中でも注目を集めたのが、ALS患者向けの新しいコミュニケーションボード「ゆめばん」です。 ALS(筋萎縮性側索硬化症)は1万人にひとりの割合で発症する難病です。「ゆめばん」は、透明なボードに文字やイラストが描かれており、眼球の動きだけで意思を伝えることができるツールです。従来の透明文字盤の「重い」「持ち運びが不便」などのといった課題を解消し、より軽量で歩きやすい設計が特徴です。
このイベントは平成28年度から30年度までに3回に渡り開催されました。
平成30年度 農工ハッカソン
農業大国であり、ものづくりの産地でもある東三河の特徴を捉え、「農業」と「工学」の分野をテーマにしたハッカソンを実施しました。
豊橋の生産者の方々にご協力をいただき、圃場にて日々のリアルな現場を見たうえでニーズ発見ができ、実用的なアイディアがたくさん生まれました。
平成31年度 プロスポーツハッカソン
地元のプロスポーツをアイデアで盛り上げる「プロスポーツハッカソン」を実施しました。
東三河を拠点に活躍する、プロバスケチーム「三遠ネオフェニックス」とプロサーファー萩原健太さんをお招きして、プロスポーツの現場で生じる問題の解決を探求しました。
参加者の「地域のプロスポーツをもっと盛り上げたい!」「更に良い環境にしていきたい!」という思いから様々なアイディアが生まれました。
令和2年度 まちなかハッカソン
アフターコロナ・ウィズコロナの豊橋まちなかを、どのようにしていったら魅力的な街にしていけるか考え、“こんな時だからこそ街に「あったら良いな」と思えるモノ・サービスを本気で作っていくハッカソン。
最優秀賞を受賞したチーム「てんこく feat.T」は、木製のARキューブと地域の施設を連携させた「〜まちへおでかけ〜にこにこキューブ」を開発しました。このサービスは、子どもたちが楽しみながら地域の魅力を探検し、スマートフォンで思い出を記録できる仕組みです。
令和3年度 交通ハッカソン
新幹線、鉄道、市電、バス、タクシーなど様々な交通機関が街中をめぐる豊橋で、交通機関の可能性をハックしよう!という趣旨で開催されたハッカソンです。
社会人や学生ら約30人がチームでテーマを設け、課題解決に向けて知恵を出し合いました。斬新なアイデアが出揃い、「サウナ付きの市電」や「電車や駅でキャンプ」といったユニークなアイディアも生まれました。
令和4年度 アグリフードハッカソン
「農業王国」と言われる東三河で、地域の農業課題を解決することを目的として開催されたアグリフードハッカソン。参加者は5つグループに分かれ、課題を解決するためにアイディアを出し合い、各グループから地域の農業を支援するための実用的なアイデアが生まれました。最優秀賞は、アプリを使用して無人農産物販売を管理するサービス提案した「Agri portal」に贈られました。
令和5年度 仕様書ソン
「仕様書ソン」と名付けられたこのイベントは、起業家もしくは起業に向けたビジネスアイディアをもつ参加者に対し、資金調達を経てアルファ版のプロダクト制作に進むために必要な『仕様書』づくりをレクチャーするワークショップです。
参加者からは、「志の高い、他の起業家たちの現状を知り、自分ももっと頑張らなければと奮い立たされた」「事業アイディアレベルだったのに、この2日間の講座で手を動かしたことで、自信を持って『これで起業したい』と周囲に言えるようになった」といった声があり、成長に繋がる貴重な機会だったと好評でした。
仕様書ソンについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
ハッカソンに参加して東三河を盛り上げよう!
これまでのハッカソンの振り返りを通じて、地域社会に貢献する数々のアイディアやプロダクトが生まれてきたことがわかります。
また、食農ハッカソンや交通ハッカソンなど幅広いハッカソンに参加した学生がそのまま起業し、現在も地域を巻き込んだ事業を進めるなど、アイディアから複数の事業に発展している事例もあります。
そしてサイエンス・クリエイトではハッカソンで生まれたアイデアをブラッシュアップし、実現させるサポートやプロダクトをユーザーに評価してもらうプログラムも提供しています。
地域で今後もさまざまなテーマで開催されるハッカソン。みなさまもぜひ奮ってご参加ください。