名鉄名古屋本線小田渕駅の近く、畑の中央を一直線に通る県道373号のそばに 中部CIC研究所 の御津プラントがある。
今日は、一風変わったハイレベルな避難訓練があると聞き、株式会社中部CIC研究所にお邪魔してその様子を伺うことにした。
 

 
 
 

中部CIC研究所


 
中部CIC研究所は、クリーンスーツ類の特殊クリーニングとチップトレーの精密洗浄を事業として手がける会社である。
清潔でクリーンな環境整備が求められる施設において、クリーンスーツやクリーンルーム関連の商品を提供しているのである。

早速、避難訓練の様子を見学させて頂いた。
 
 
 

避難訓練

非常ベルと共に、早速避難訓練がはじまった。
館内放送が流れ、一同が食堂に集まる。
 
各セクションの状況を工場長に報告し、職員の生存確認、建屋の状況確認を行った。
各班状況報告、41名行方不明者なし。
 

 
 
ここまでは、例年工場で取り組んでいる避難訓練と同様の実施体制であった。
 
 
 
ここからは、産業看護師岡田和子さんの出番である。
 

岡田 和子 さん

いきものがたり工房
講師:産業看護師

 
 
東海地域の大震災を想定し、万が一の事態に備えると同時に当たり前のものが無い状況の中、目の前にある物をフル活用して事態の対策に取り組むための練習を実施することとなった。
 
 
 
 

非常事態での課題解決

この訓練を通じて、一人一人が命を守るための働きをおこない、地域の方々と連携し合える知識を身につける。
そして、非常事態を考えその場に居合わせた人々で知恵を出しながら問題の解決に取り組む。
 
中部CIC研究所
 
各チームで、お題として提示された事態を想定し、状況に応じた適切な対応方法を、考え発表しあうのである。
 
災害の影響で傷を負ったり、ケガを負う方が出てきた場合を想定し、身近にあるものを代用して、事態に対処するという取り組みである。
 

トイレ

あるチームでは、トイレがお題としてあげられた。
 
災害時に水や電気が止まる事を想定すると、施設のトイレが使えなくなる場合がある。
そんな時に、身の回りのものを使ってどのように対処する事が出来るであろうか。
 
ダンボールに切り込みをいれ、中にビニール袋を入れる事で簡易トイレを完成させた。
 

 
実践するだけで終わりではない。
今回制作したトイレが果たしてしっかり機能するのか、振り返りを実施する。
 
最初に作った簡易トイレは小型のダンボールに少し大きめな切り込みを入れてしまったため、座面の強度が少し心配されるという指摘が出てきた。
 

 
 
 
こうした指摘を踏まえ、今度は大型のダンボールを使用し、切り込みを小さくして座面の強度を改善した簡易トイレを作成した。
 
 
 

 

骨折

腕を骨折した際には、三角巾で首からつるす事が一般的であるが、三角巾がない場合にはどうすれば良いのか?
 

 
 
工場にあったビニール袋を代用し、首からつるして骨折した腕を支えている。
新聞紙で強度の補強と添え木の代わりをもたせている。
 

 
 
 

外傷

 

 
外傷の対応もシビアな対応が要求される。
二次感染のリスクもあることから、より慎重な対応が必要である。
 
その点について中部CICの従業員は普段から徹底して衛生面に対する意識を持っている。
 
また、
「社内に備蓄してある過酸化水素水を薄めて消毒に活用出来ないか?」
 
といった踏み込んだ意見なども提案されており、非常に活発な課題解決のディスカッションが実施されていた。
 
 

 
 
そんな中部CIC研究所では健康経営に向けた取り組みを実践し、産業看護師の岡田さんと共に社内への浸透を図っている。
 

 
 

健康経営への取り組み

昨年、中部CIC研究所では、全国健康保険協会に『健康宣言チャレンジ事業所』として認定された。
さらに、今年は健康経営の取り組みを実施することで『健康取組優良事業所』への認定をめざしている。
 
 
 
「防災訓練における創意工夫・カイゼンの実施を従業員が積極的に取り組む事で、健康経営のPDCAを回し、より良い健康経営の実践と全社への浸透を図るねらいがあります。」
 
そう語って下さった産業看護師の岡田さんの援助も受けながら、従業員が健康で過ごしやすい環境作りにも取り組んでいるのである。
 
今回、実施した取り組みについて、岡田さんと山口社長にそれぞれお話しを伺った。
 

 
 
 

PDCAによる「カイゼン」

大手自動車企業でも産業看護師を勤めた経験をもつ岡田さんは、こうした災害時の取り組みにおいても「カイゼン」が重要である事を参加者に伝えた。
 
 
災害時の対応を考えるだけでなく、実施し、自身の行動を振り返った上で「カイゼン」を加えていく。
 
 
このように、
計画「Plan」
実践「Do」
確認「Check」
カイゼン行動「Action」
この4つのサイクルを回すことで、事態が起きた時により適切な対応を行う力を身につける。
 
 
突如起こった想定外の状態から、身近なものを代用し、事態に取り組む。普段慣れない作業においては、不完全な事項がつきものと言える。
 
訓練を通じて実践し、改善点を見つけることで、万が一が起こった際にはより落ち着いた対応が可能となる。
 
 
 

意義ある健康経営を目差して

今回の取り組みについて、山口社長からもお話しを頂いた。
 

山口 弘修 さん

株式会社中部CIC研究所
代表取締役

 
 
「今回の取り組みを通じ、従業員が自主的に考える状況を訓練を実施して行い、実施した内容のカイゼン活動を相互に意見を出し合う事ができました。
 
弊社としても地域の中で活動をしているわけですから、地域からも頼りにされる会社になるにはどうすれば良いのかを考え、万が一の際には地域の方々の避難場所としてお役に立てるよう、従業員に一人一人に意識を持ってもらいたいと考えています。
 
 
健康経営については色々な形があると思いますが、従業員が健康で働く意欲をもち、活き活きと働ける職場作りを目差します。
 
特に今年は、健康経営元年と位置づけ、具体的な取り組みを進めたいですね。
 
ストレスチェックや健康診断結果に対する従業員のフォローアップなど、従業員の健康を会社としてもサポートし、健康経営を意義あるものにしたいです。」
 
 
健康経営を形だけのものとせず、社内に浸透させてよりよい職場作りを行う山口社長の想いがうかがえた。
 
 
 

これからの健康経営

今回の取り組みについて、日常業務において衛生管理に気を配る企業であることから、災害時の対応も上手に日々意識している事を取り込んで考えていた姿が印象的であった。
 
また、こうした取り組みは日々の組織作りがあってこそ万が一の事態においても活かされているのだと言える。
 
企業の特色と会わせた健康経営を通じ、だれもが率先して自ら考える組織を作る取り組みは今後大いに着目されるかもしれない。
 
 
【会社概要】
株式会社中部CIC研究所
本社:愛知県豊橋市菰口町3丁目8番地
御津プラント:愛知県豊川市御津町上佐脇大郡23
三重事業所:三重県亀山市布気町字道野618-2
代表取締役:山口 弘修
0532-32-6882
HP:http://www.ccic.co.jp/
 
 
 
 

 
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