
皆さんの会社で夏のボーナスは支給されましたか?
欲しかったアレを買おう!行きたかったあの場所に行こう!ボーナス払いで全部消えちゃう、いろんな方がいると思いますが、そもそも「ボーナス」とは一体なんなのでしょうか。
この記事ではボーナスの起源や企業側の意図など普段なかなか考えないボーナスの背景を紐解きます。
そもそもボーナスとは?
まず、一言でボーナスと言っても、公務員と一般企業では少し異なります。
公務員
公務員のボーナスは期末・勤勉手当と呼ばれ、金額は基本給に一定の倍率をかけた金額が基準となり、法律に基づいて支給されます。職種や勤務地・勤続年数・勤務経験など複数の要素に応じて調整され、特徴は景気の影響を受けにくく安定している点です。
ボーナス支給日は、国家公務員の場合、ボーナスは年2回に分けて、6月30日と12月10日に支給されることが決まっています。地方公務員は各自治体の条例によって決められていますが、多くが国家公務員と同じタイミングで支給されます。
一般企業
一般企業のボーナスは、毎月お給料を受け取っている労働者に対して毎月のお給料とは別に支払われる特別配当・報奨金です。一般的に、労働者の日々の貢献を評価して今後のモチベーション向上を目的に支給されるもので、ボーナス額の計算方法や金額・支給回数・時期などは通常各企業の判断によって自由に設定でき法的な支払い義務はありません。
海外では会社の業績や個人の成果に応じて支払われるものであり、成績の良い人へ還元することによって他社からの引き抜きを防止する役割もあるようです。日本では能力差による金額の差に大きな差はなく、ほぼ一律に支給されているため事実上は生活基本給の一部という性質があります。
ボーナスはなぜ夏と冬が多いの?
企業によっては、年1回、3回、元々ボーナスの制度がないという場合もありますが、日本で夏と冬にボーナスが支給される企業が多いのには2つ由来があります。
①江戸時代の習慣
当時は奉公人に対し、お盆に「氷代」年末に「餅代」として金品を渡したり、故郷へ帰省する際に主人から「お仕着せ」として着物や金品が与えられていました。その習慣が、現代のボーナスの原型になったとされています。
日頃のお給料とは別に奉公先のご主人様のご厚意頂いていた金品ですので、まさしくボーナスですね。
②企業の都合
日本の企業は3月末に決算を迎える会社が多く、4月から新年度がスタートします。
その結果、春からの業績の見通しや目標が或る程度見えてくる6月から7月は、これまでの成果をねぎらうタイミングにちょうどいい時期。つまり夏のボーナスは「上半期の頑張りに対する”ありがとう”の一区切り」でもあるのです。
冬のボーナスは、期末ではないものの年末というのはやはり特別な節目。「今年もありがとう」という意味が込められています。
そして、一般的には冬のボーナスの方が夏のボーナスよりも多く支給される傾向があります。これは、年末年始を気持ちよく過ごしてほしいとの配慮から、冬の特別金品を厚くする習慣が残っているためです。
ボーナスは未来への投資でもある
働き手への感謝の意味の他にも、会社からするとボーナスは未来への投資にもなります。
ボーナスを通じて社員のモチベーションが高まり、仕事への意欲が上がること企業の業績が上がったり採用活動にもプラスに働くことが期待されています。
また、決算賞与としてボーナスを支給することで法人税の節税効果も期待できます。
ボーナスを支払うこと自体は企業の負担とも言えますが、それを上回るメリットがあるんですね。ボーナスは、従業員へのご褒美であると同時に、企業の未来を作る仕組みというわけです。
求人票から読み解く!ボーナスがある会社・ない会社
求人票を見るとき、休日・給与に合わせて、ボーナスの有無を気にする方も多いのではないでしょうか。
「賞与あり」「年2回支給」と書かれていると、つい安心してしまいますが、その言葉だけでボーナスの実態を判断するのは要注意です。
求人票の「言葉の裏」を読み解く力が、納得のいく就職や転職につながります。求人票からボーナスがあるのかないのかを見極めるポイントをチェックしましょう。
「賞与実績」の有無
例えば、「年2回支給(前年度実績〇ヶ月)と具体的に書かれていれば比較的安心ですが、「年2回」とだけ書かれている場合、支給は予定されているものの、金額はゼロというケースもあります。
「実績により支給」という文言
「実績により支給」「実績あり」という表現も注意が必要です。これらは「支給されることもある」という意味で、確約ではありません。企業の実績が悪ければ出ない可能性もありますし、金額が極端に少額になることもあります。
「賞与の対象」に自分は含まれる?
ご自身がパートや契約社員で働く場合、この「賞与の対象」にご自身が含まれているかも確認しましょう。正社員のみが対象である企業も多いので、応募前に確認しておくことが大切です。
求人票で分からない場合は、面接や会社説明会の場で「昨年度の支給実績」「雇用形態ごとの支給対象」など、具体的に質問してみるのもひとつの方法です。
ラクに見えて落とし穴も?ボーナス払いの注意点
クレジットカードや住宅ローンなどで毎月の支払いとは別に夏や冬のボーナス時期にまとまった金額を支払う「ボーナス払い」。家電や車の購入、旅行の計画など、ついつい「ボーナス払いでいいかも」と考えてしまいますよね。
まとまったお金が入る安心感から、つい財布のヒモもゆるみがちですが、注意してほしいポイントがあります。
ボーナス払いは月々の負担を軽くし高額商品を購入しやすくするのがメリットです。しかし、ボーナスが予想より少なかったり、急な支出が重なった場合、支払いが困難になるリスクがあります。
また、諸条件にもよりますが毎月のローン返済とボーナス返済を併用した場合、総返済額が多くなることもあるので要注意です。
知ることで変わる、ボーナスの価値
ボーナスはただの「臨時収入」ではありません。
起源や企業の思いを知ることで、日々の働き方やお金の使い方が少し違って見えてきますね。
これを機に、ご自身の働く企業の思いに耳を傾けつつ毎日のお仕事に向き合い、お金の使い方を考えてみませんか?