
「未来の農をつくる」をコンセプトに豊橋市を実証フィールドとした農業課題の解決につながる新製品・サービス開発を目指すのが「TOYOHASHI AGRI MEETUP(豊橋アグリミートアップ)」です。
2025年1月28日(火)にはアグリテックコンテストのファイナルデモデイが開催され、全国から69件応募があった中で選ばれた8社のスタートアップ企業がプレゼンテーションを行い、審査の上で4月以降に実証実験に取り組む企業が決定しました。
来年度に向け更なる期待も高まる中、今年度最後となるTOYOHASHI AGRI MEETUP 第3回アグリテック企業との交流会が開催されました。
関連記事
会場はemCAMPUS STUDIO
emCAMPUS STUDIOはサーラグループが運営する貸会議室/コワーキングスペースです。豊橋駅からほど近い複合ビルemCAMPUS EASTの5階フロアにあり、開放的な空間が魅力です。
東三河の豊かな未来を創造するための「共創」をコンセプトに、「貸会議室」「コワーキングスペース」「まなびプログラム」「チャレンジ支援」の4つのサービスを通じ、様々な人や場所、知識との出会いを創出するプログラムやイベント等が実施されています。
アグリテック企業によるピッチ
アグリテック企業との交流会では、農業領域のスタートアップ企業と地域の農業関係者がリアルに接点を持つことで農業関係者が抱える課題とスタートアップがもつ製品やサービスの相互理解を深め、協働の機会を創り出していきます。
これまでの交流会を通じて、市内生産者や農業領域の企業が、実際に登壇したスタートアップの製品やサービスを導入したケースや実証実験のパートナーとしてマッチングしたケースもあります。
毎回ピッチ後に行われる質疑応答は農業関係者の疑問を解決するだけでなく、スタートアップ企業にとっても気づきを得られる機会となっています。
今回はどのような製品・サービスが紹介されたのか、豊橋市でどのような協業ニーズがあったのか、ピッチ概要とともにご紹介していきます。
ココカラ合同会社
「世界中の人が生きていける食料を得るため、新しい地球を創る」を企業理念・ミッションにしているココカラ合同会社からは、代表の大原 秀基氏が登壇。
扱いやすく次世代培土として注目されているヤシガラ培土「ココカラピート」の製造販売を行っています。
ココカラピートは機能が優れているだけでなく、作物ごとに合わせた独自配合が可能。インドの自社工場で生産を行い貧困や雇用といったグローバルな課題にも貢献します。
ピッチでは具体的な作物や利用シーンを例にココカラピートの活用提案が行われ、質疑応答では耐用年数や水捌けが悪くなった後の活用方法等、参加者から頂いた導入に関する質問に対し、大原氏からは具体的な活用方法をご回答頂きながら、参加者に、導入のイメージを掴んで頂きました。
株式会社天煌堂
電源不要の電子供給マルチシートによって収穫量と品質を向上させるetell earth技術を展開する株式会社天煌堂からは、代表取締役CEOの川尻 大介氏が登壇。
古来より「雷が多いと豊作になる」と言われているように電子が土壌にもたらす好影響を独自の素材で引き起こすことにより、手間のかかる有機農業の課題を解決し、同様の技術を使って出荷後の鮮度保持にも活用を目指しています。
会場では電子供給マルチシートのサンプルが展示され、実演も行われました。
ピッチ後の質疑応答では電子原理についての仕組みや有効性についての質問を頂いたり、地域で有機農業に携わる方からは、まだ知らない斬新なソリューションであるとの意見も頂きました。
株式会社YUIME
一次産業従事者の高齢化や人手不足等、人材にかかる社会問題の解決に向けた事業を展開する株式会社YUIMEからは、企画推進部 部長の熊谷 俊英氏が登壇。
株式会社YUIMEは、農業分野での国内外の人材確保をそれぞれ支援、人材育成などのサービスを展開しています。
とりわけ、特定技能外国人材を活用した人材派遣事業を行っていることが特色であり、また、人材を受け入れて頂く企業様にも、一定期間を派遣で受け入れてから直接雇用に切り替えるという方法もできるのが特徴です。
全国で特定技能外国人の数が最も多い愛知県において、豊橋市は、農業分野で最も特定技能外国人数が多いエリアでもあることから、本サービスの活用ポテンシャルが高いと考えられます。
春からは豊橋市にも拠点を設立し東海エリアの支援強化を行う予定とのことで、今後の展開が期待されています。
株式会社ルートレック・ネットワークス
AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」の開発・提供を行う株式会社ルートレック・ネットワークスからは、代表取締役社長の佐々木 伸一氏が登壇。
今回ピッチでは、農業事業者の声をヒントに民間企業や大学との協業で開発された「ゼロアグリ」の具体的な導入作物事例をご紹介いただきました。
また、本製品・サービスを活用し、生産コストの削減、気候変動への適応、労働環境の改善に向け他エリアで展開されている地方創成事業の事例もご紹介いただき、ぜひ豊橋エリアでも農業関係者と連携しながら、展開していきたいとのお話を頂きました。
ピッチ後の質疑応答では、ゼロアグリの強みや導入についての質問が挙がり、佐々木氏からは、顧客ごとに担当者がつき、細やかな対応を行うことでAI潅水施肥システムの導入が促進されることや、大学とも連携し、実証を行い蓄積した、10年間の実証データとエビデンスが強みであるとのご回答を頂きました。
「未来の農をつくる」TOYOHASHI AGRI MEETUP
今年度もマッチングプログラム、アグリテック企業との交流会、アグリテックコンテストとTOYOHASHI AGRI MEETUPの各プログラムが終了しました。
今年度も多くの皆様にプログラムにご参加頂きましたことにより、プログラム内で数多くのマッチングと新たな協業に向けた機会を多く創り出すことができました。
来年度以降も、皆様の更なる期待にお答えできるプログラムをご提供できるよう、事務局一同準備を進めてまいります!
TOYOHASHI AGRI MEETUPの公式サイトはこちらから▽