第2回アグリテック企業との交流会

豊橋市の農業者、農業関連企業と全国の有望な農業系スタートアップをマッチングし、スマート農業やアグリテックに代表される新たな知識や技術などを積極的に取り入れながら、本市を実証フィールドとした農業課題の解決につながる新製品・サービス開発を目指そうというのが「TOYOHASHI AGRI MEETUP(豊橋アグリミートアップ)」です。

TOYOHASHI AGRI MEETUPでは生産者と農業系スタートアップの交流会や地域の農業が抱える課題を深掘りするプログラムなどを経て賞金総額1,000万円のコンテストを行い、選ばれた企業は豊橋市内で実証実験を行います。

詳しくはこちらから▽
https://toyohashi-agri-meetup.jp/

7月に続いて2回目となるアグリテック企業との交流会が9月30日(月)に開催されました。

会場は豊橋技術科学大学

豊橋技術科学大学

豊橋技術科学大学は日本に2校しかない「技術科学大学」の1つで、大学院に重きを置いた工学系の大学として高専の卒業生が多く通う国立大学です。

実践的な技術の開発を重視しており、農業分野でも研究や人材育成を積極的に行っています。

豊橋技術科学大学セッション

先端農業・バイオリサーチセンターの概要

最初のセッションでは豊橋技術科学大学 先端農業・バイオリサーチセンター長の髙山 弘太郎氏から「先端農業・バイオリサーチセンター」の概要と設立の経緯や現状について紹介されました。

同センターでは「スマート化技術をつくる」ための先端研究と「スマート化技術を使う」ための先端農業人材育成が行われており、続くセッションでは具体的な取り組みがそれぞれ紹介されました。

社会人向け農業分野実践教育プログラム内容の紹介

発表者は同センター 特任准教授 山内 高弘氏。「IT食農先導士育成プログラム」や「東海地域の6次産業化推進人材育成」など独自の人材育成プログラムについて特徴やカリキュラム内容、地域との連携などが紹介されました。

昨年度からは「スマート農業特別講義」として、関心が高まるスマート農業の研究を最前線で行っている豊橋技術科学大学の教員が月に1回 全6回のカリキュラムで社会人向けにウェビナーを行っています。

農業分野における最新の研究活動事例発表

アグリテック企業農業分野研究活動

豊橋技術科学大学 バイオリサーチセンター 准教授でもある広瀬 侑氏から「新規藻類を用いたフコキサンチンの生産事業」が紹介されました。この研究は実用的にも有望であることから、豊橋技術科学大学発ベンチャーとして合同会社サイナルジを設立、広瀬氏が代表を務めています。

フコキサンチンは抗肥満作用があるという研究結果が出ており、市場規模は世界で300億円を超えさらなる成長が見込まれています。広瀬氏は基礎研究から生まれた独自の技術でフコキサンチン生産の課題を解決する技術を発見し、特許を取得。現在は豊橋市内で生産試験を進めています。

近年増加している廃ビニールハウス設備を再利用できることから、地域課題の解決とともに高付加価値農業を実現させることで、地域農業の発展へ繋げたいという想いも紹介されました。

アグリテック企業によるピッチ

株式会社Perma Future

アグリテック企業株式会社Perma Future

“半日は農業、半日は自由に過ごす”ワーケーションを提供するマッチングプラットフォーム「ののの(No 農 No Life)」を運営する株式会社Perma Futureからは代表取締役の池田 航介氏が登壇。池田代表ご自身が農学部に進学し、全国のさまざまな農家を巡りながら感じていた深刻な人手不足の危機感から、サービスを立ち上げられました。

参加者からは、本サービスの競合優位性や、サービスを利用する契約農家をどのように探しているかといった質問がありました。

カルテック株式会社

アグリテック企業カルテック株式会社

光触媒技術を使った鮮度保持システムによって食品ロス低減や衛生管理の向上、高付加価値化を目指すカルテック株式会社 執行役員の原園 豊洋氏が登壇。同社は大手製造業出身の技術者が多く、製品開発から生産まで一貫して対応できる強みがあります。

豊橋市における農業現場が抱える課題を知り、生産現場や加工・流通現場での検証実験で協働したいとのお話もありました。参加者からは、光触媒技術を利用することにより、保存用の農薬散布が軽減できるかといった質問がありました。

株式会社WAKU

アグリテック企業株式会社WAKU

農業領域で肥料としての製造販売に向け、「酸化型グルタチオン」の研究開発を行う株式会社WAKUからは代表取締役CEOの姫野 亮佑氏が登壇。植物のCO2固定機能を向上させるグルタチオンによって環境負荷の軽減と生産性向上を両立させることを目標に農業での試験を重ねています。

豊橋市では、グルタチオンを活用した化学肥料の軽減や環境ストレス耐性の強化を検証するために、農業関係者と実証実験を行いたいとの話がありました。参加者からは、グルタチオンの具体的な使用方法についての質問がありました。

株式会社FieldWorks

アグリテック企業株式会社FieldWorks

農業用草刈りロボットの開発・製造を行う株式会社FieldWorksからは、代表取締役の山岸 開氏が登壇。当社は、昨年度のアグリテックコンテストの入賞企業であり、今年度より豊橋市において生産者と実証実験を行っています。今回のご登壇では、現在実証実験を行っている畝間での動作に特化した小型除草ロボット「ウネカル」が紹介されました。ウネカルの導入によって夏場の作業負担が約30%を短縮可能との実証実験を踏まえた結果の共有がありました。

参加者からは、製品のバッテリー駆動時間や遠隔操作の可否、傾斜での動作など製品を実際に使用した際を想定した具体的な質問がありました。

来年1月28日(火) ファイナルデモデイ開催!

今回の交流会もたくさんの方々にお集まりいただき、ピッチ後のネットワーキングでも熱量ある交流が行われました。
アグリテック企業ファイナルデモデイ

12月下旬までにはアグリテックコンテストのファイナリストが決定し、2025年1月28日(火)にはファイナルデモデイが開催され、来年度の実証実験へと進むアグリテック企業が決まります。

豊橋エリアの農業課題についてどのような企業からどのような提案がされるのか、ぜひご注目ください!

詳しくはこちらから▽
https://toyohashi-agri-meetup.jp/contest