「未来の農をつくる」をコンセプトとして、豊橋市は地域農業関係者と農業系スタートアップによる協働プロジェクト「TOYOHASHI AGRI MEETUP」を行っています。
2024年3月8日(金)、今年度最後のイベント「第3回アグリテック交流会」が行われました。この交流会は全国の有望なアグリテック企業と交流するのが目的で、好評につき昨年度よりも多く実施しています。
▽第1回交流会の様子はこちら▽
▽第2回交流会の様子はこちら▽
東三河を世界に名だたるフードバレーに!会場はemCAMPUS FOOD
会場はemCAMPUS EASTの1FにあるemCAMPUS FOOD。
emCAMPUS FOODは、世界中からサステナブルで付加価値の高い食農ビジネスをやりたい人が集まる「フードクリエイターの聖地」となるべく、さまざまなプロジェクトを通じて地域の食農に関わる課題解決に取り組んでいます。
今回アグリテック交流会の会場となったemCAMPUS FOODは、イベントレストランの他にも厳選された東三河の食材を楽しめるイートインやマーケットがあり、「買って・食べて・楽しむ」がギュっと詰まった空間です。
まずは豊橋市産業部 次長 髙橋泰男氏より開会の挨拶をいただきました。昨年度から始まったTOYOHASHI AGRI MEETUPは、交流会やアグリテックコンテスト等を通じて豊橋エリアの農業の課題解決に向けた、スタートアップと地域の良い化学反応が起きた事例もあることや、地域生産者の困りごとをアグリテック の力を借りて解決したいという期待をお話いただきました。
続いて、豊橋市地域イノベーション推進室 室井氏より改めてTOYOHASHI AGRI MEETUPの概要紹介が行われ、1月に実施された、ファイナルデモデイのアグリテックコンテストで選ばれたスタートアップ3社それぞれが地域での実証実験へ進んでいることも共有されました。
▽アグリテック コンテストの様子はこちらから▽
https://toyohashi-agri-meetup.jp/demoday
農業領域のスタートアップと地域生産者・農業事業者・地域支援者によるリアルな交流によってお互いの興味関心を知り、共創のイメージを形成し、連携を生み出していくことを目的としたアグリテック交流会。今回は5社によるプレゼンテーションと質疑応答が行われました!
海外市場を見据えて生産・流通を最適化!株式会社日本農業
「日本の農業で、世界を驚かす。」をミッションに革新的な生産方法の導入やDX、ブランディング、流通などを行う株式会社日本農業からは国内農業部事業開発部長の奥山 晃次氏が登壇。
日本の農作物が世界市場でシェアを獲得できるよう、グローバルスタンダードでの生産や流通の最適化で世界での競争性を高めています。質疑では海外市場についてより詳しく質問があり、現地産の農作物との競合や外国の食生活との兼ね合いについても熟知したお話が伺えました。
新技術の発熱体を農業で活用!金子コード株式会社
超省エネ面状発熱体を活用した土壌加温装置を開発する金子コード株式会社からは販売促進室 サブマネージャーの堀口 雄貴氏が登壇。
融雪などに使われていた土壌に設置する発熱体を農業でも活用できないかというアイディアで効果を検証し、製品化を目指しています。暖房でハウス内の空気を温めるよりも大幅なコストカットが期待でき、化石燃料の削減にも繋がります。また土壌の殺菌にも有効か実験を行っており、薬剤の使用削減も期待されています。
東大発スタートアップ! 株式会社きゅうりトマトなすび
東京大学の博士課程に在学中のメンバーで起業した株式会社きゅうりトマトなすびからは代表取締役の佐々木 佑介氏が登壇。徹底した現場主義と最先端の技術で農業の課題解決に挑みます。
具体的なサービスは3Dスキャンによる生育診断や・収穫予測や営農相談AIなど。作物ごとなどに特化したAIモデルも提供可能で、「現場に足を運んでディスカッションするのが好きなので、お困りごとはなんでも相談して欲しい」と述べられていました。
活性触媒で燃料効率を最大化!株式会社G-grow
炭素系液体燃料活性触媒を開発する株式会社G-growからはCO2削減事業 本部長の牟田口 康隆氏が登壇。時間経過により劣化してしまった燃料の燃焼効率を向上させることで使用量を削減し、二酸化炭素の排出を削減する活性触媒を開発しています。
活性触媒による燃費効率の向上は15〜20%ほどで、添加することでの設備の故障などリスクは低く、安全性も高いのが特徴。質疑では現場での液体燃料の使い方と絡めた内容や疑問にお答えいただきました。
地産地消をデジタル化!株式会社PROPELa
地域限定の会員制ECサイト「地産Market」を運営する株式会社PROPELaからは代表取締役社長の山中 祐一郎氏が登壇。出荷した農作物が余って戻ってきてしまわないような流通体制や直売所の農作物を安定的に飲食店が使える仕組みづくりなど物流を見直しシステム化することによって “地産地消のデジタル化“ を目指しています。
新しく企業や自治体などで働く人のためにまとめて注文を受けて配送する福利厚生の新サービスを展開予定です。
未来の農を豊橋から創り出そう!
「未来の農をつくる」がコンセプトのTOYOHASHI AGRI MEETUPでしたが、今回の第3回アグリテック交流会もまさに「未来の農」の姿を感じさせられるものでした。
今回の交流会にご登壇頂いた企業への生産者の関心度は非常に高く、ネットワーキングの場では、早速企業の圃場訪問や、登壇企業の製品導入等、次のステップに向けた具体的な話が交わされ、参加者にとって有意義な場であったようです。
豊橋市では、今後も農業関係者のみなさまと農業領域企業での意見交換や、農業現場の課題解決に向けたプログラム等を実施してまいります。