「未来の農をつくる」をコンセプトとして、豊橋市は地域農業関係者と農業系スタートアップによる協働プロジェクト「TOYOHASHI AGRI MEETUP」を行っています。
6月の第1回交流会に続き、9月19日に第2回交流会が行われました。
▽第1回交流会の様子はこちら▽
第2回交流会には、6社のアグリテック企業と約90名の農業関係者にご参加頂きました。前回と同様に熱気あふれる交流会となった会場の様子をレポートします!
地域と共に生きる農協!会場はJA豊橋本店
会場は、同事業のサポーター企業でもある豊橋農業協同組合(JA豊橋)の本店をお借りしました。「豊かな農業の確立と進展」、「魅力ある、足腰の強い農協」、「地域と共に生きる農協づくり」を理念に経営されている協同組合です。
道の駅とよはしにあるJAあぐりパーク食彩村には、地元の農産物が生産者から直接届きます。市民はもちろん、市外の方々にも人気のスポットです。
https://michinoeki-toyohashi.jp/store/index6.htmlより引用
第2回交流会開会にあたり、JA豊橋 常務理事の繁原好幸氏よりご挨拶をいただきました。農業の抱えるさまざまな課題解決やDX化への対応に、スタートアップ企業の持つ先端技術を活用することへの期待感等をお話しいただきました。
事業説明を経てピッチがスタート!
次に、豊橋市地域イノベーション推進室の室井がプロジェクトの概要説明やスケジュール等の説明を行いました。
関係者で一丸となって本事業に取り組んでいくことが重要であるという観点から、アグリテック企業と農業関係者の方々がリアルな場で交流できるよう、今年度は交流会の回数を増やした点等、昨年度からの変更点を紹介。続いて、アグリテック各社のピッチがスタートしました。
1.選択収穫を自動化!inaho株式会社
鎌倉に本社を置き、オランダにも現地法人を持つinaho株式会社からは、代表取締役の菱木豊氏が登壇。同社は、トマトやナスといった収穫時期を迎えた実だけを収穫する「選択収穫」を自動化するロボットを開発しています。
このロボットは、人工知能を使って作物の色から収穫時期を判断し実のなっている場所を認識することが可能です。収穫ロボットと人間が乗る台車を併用して使用することも可能で、人件費を1/3に削減できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Fmok-ghJIYYよりキャプチャにより引用
2.衛星データで野菜畑を見える化!株式会社Agriee
東京と九州のに拠点を持つ株式会社Agrieeからは、代表取締役の鈴木 千夏氏が登壇。同社は、衛星データを利用して作物の生育状況を把握するシステム「GrowthWatcher」を展開しています。穀物ではなく野菜をメインにしている同様のサービスはまだ少なく、中小規模の農地に強いという点が特徴です。
GrowthWatcherは生産者向けだけでなく、自治体やJA向けのサービスも開発中だそうです。情報の可視化によって生産者と関連企業・団体が密にコミュニケーションを行いながら、効率よくデータを活用することを目指しています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000106748.htmlより引用
3.事業継承の新しいプラットフォーム!株式会社ライトライト
事業承継プラットフォーム「relay(リレイ)」を運営する株式会社ライトライトからは代表取締役の齋藤 隆太氏が登壇。relayではこれまでのように売却企業名がわからないように匿名状態で行われる「ノンネーム型」ではなく、業界で初めて「オープンネーム型」の事業継承プラットフォームを採用し、事業者の情報を見える化した記事から情報を探せるプラットフォームを形成しています。
日本の産業の中で最も高齢化が深刻なのが農業です。若い労働力や後継者が不足するだけでなく、これまで農村で農業や地域を支えてきた高齢者も2025年以降は減少するとされています。relayは事業全体でなく、一部の継承も可能であり、「オープンな事業継承文化をつくりましょう!」という力強いメッセージで締めくくられました。
4.脱炭素の取り組みを収益化!株式会社フェイガー
販売手続きの代行によってカーボンクレジットの流通をサポートする株式会社フェイガーからは取締役COOの高井 佑輔氏が登壇。農家と協力して温室効果ガスを削減、カーボンクレジットを生成する一方で、カーボンクレジットを必要としている企業をサポートし販売を促進させることで、脱炭素の取り組みを社会に広めることを目標としています。
カーボンクレジットの販売は直接的な収入増や環境のためだけでなく、認証や取り組みのPRによって商品ブランド力の向上にも繋がるというお話も伺えました。
5.農作物の魅力を発掘!TUMMY株式会社
第一次産業領域に特化して農産物の魅力を活かしたブランド開発を支援するTUMMY株式会社からは、代表取締役CEOの阿部 成美氏が登壇。阿部氏は食べることが好きで農学部へ進学。「畑に埋もれる魅力を伝えられる人になりたい」という想いから、卒業後は前職である総合広告代理店の株式会社博報堂へ入社し、農業のブランディングに取り組んできました。
その後、同社を立ち上げ、フードカタログギフト「aiyueyo」、愛食コミュニティの展開等、愛ある食材の魅力を見つけ、消費者へと届けるサービスを展開されています。
6.利用組織数が2万組織を突破!ウォーターセル株式会社
営農支援システム「アグリノート」を展開するウォーターセル株式会社からは、執行役員 事業推進担当の戸川 洋一 氏が登壇。アグリノートは今年で11周年を迎え、2023年9月4日時点で利用組織数が2万を超えます。年間6,600円という価格で利用でき、多様な作物管理に使えるアプリです。
アグリノートの機能を活用することで、JGAP/ASIA GAPの認証取得も効率的に取り組むことが可能となっています。また、アグリノートで集約した情報をアグリノートマネージャーを使って行政やJAがデータを一元管理することも可能です。
気になる登壇者と直接交流!
ピッチの後は、会場レイアウトを変更して名刺交換会を行いました。ピッチ後に直接スタートアップと情報交換でき、名刺交換が可能なこともアグリテック交流会の魅力のひとつです。たくさんの方々が時間の許す限り交流を行っていました。
今回のアグリテック交流会には、生育に直接関わるサービス以外のスタートアップ企業も多く集まりました。さまざまな角度からのアプローチや、ステークホルダーの協力によって、農業の明るい未来が実現する可能性をとても強く感じることができました。
今年度のアグリテック交流会は、3月にあと1回予定されています。次回もどんな素敵な出会いがあるのか、楽しみですね!
いよいよアグリテックコンテストが開催!
豊橋市の農業者が抱える課題を解決するスタートアップを全国から募集し、市内の農家とマッチングして実証の支援を行う採択企業を決めるアグリテックコンテストの募集が始まりました。
こちらで解決策を募集される地域の農業課題は、8月中、3回に渡って行われたマッチングプログラムを通して形成されたものです。応募されたスタートアップの中から12月下旬にファイナリストを選出し、2024年1月29日(月)のファイナルデモデイによって採択企業が決定します。
採択された企業は、豊橋市や豊橋アグリミートアップ事務局が伴走支援しながら、自らのソリューションをもって当該地域の農業課題の解決を目指した実証実験へと進みます。
▽アグリテックコンテストについて詳しくはこちらから▽
https://toyohashi-agri-meetup.jp/contest
▽マッチングプログラムの様子はこちらから▽
■DAY1
https://tasuki-inc.com/tam-matching-program-day1/
■DAY2
https://tasuki-inc.com/tam-matching-program-day2/
■DAY3
https://tasuki-inc.com/tam-matching-program-day3/