紙といったら、何を思い浮かべるだろうか。
日常生活にデジタル用品が増えていく中でも、周りを見ると本やポスター、チラシからケーキの箱まで、身の回りの至る所に紙が用いられていることに気がつく。
 
豊橋駅から車で10分ほど走ったところに、大きな「紙」という文字が印象的な建物が見えてくる。
今回のインタビューは、紙の卸店、 久保田紙店 の久保田社長にお話を聞いた。
 

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久保田充三さん
株式会社久保田紙店社長
(三代目)

 
初代、久保田三次氏が西小田原にて創業を開始し、今年で70周年を迎える久保田紙店。
現在は瓜郷町に本社を移し、愛犬のPanちゃんと17名の従業員で営業している。
 
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紙は、1枚なら薄くて軽いが、何枚も束になると重量物で場所もとる。
当然、久保田紙店の蔵も相当の大きさだ。
 
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製紙会社から届いた紙を受注に合わせ、東三河地区の印刷会社や官公庁、紙器関係(紙コップなど)の業者から文房具店にまで届ける。
紙の種類、色、厚さ、大きさの異なる紙を、約4,000種類以上、重量では400トン以上の在庫を保有する紙卸業者としては、東三河唯一の会社だ。
 

蔵の内部

さっそく、久保田社長に蔵の内部を紹介していただいた。

まず、保有量の最も多い上質紙。
上質紙は化学パルプで製造され、チラシや冊子などでよく利用される、馴染みの深い紙だ。見ただけでは分かりにくいが、紙には繊維の流れ(目)がある。手で紙をちぎった際に綺麗に切れる時と、どうしてもうまく切れない時があるのは、この目があるからだ。当然、印刷や折るのに影響を与えるので、その縦目・横目でも細かく管理されている。
 
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複写紙は上用紙、中用紙、下用紙に分けて格納されている。
綴られた伝票などで使われている複写紙をノーカーボン紙と言い、これはカーボン紙を挟む必要なく、ペンで上用紙に書けば下用紙に文字が書き写される紙である。上用紙に文字を書いた圧力が上用紙の裏面に塗られた染料入りのマイクロカプセルを壊し、下用紙に写る仕組みだ。
 
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奥の蔵には、自動で在庫の管理を行う大型設備もある。
 
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また、お客さまの注文に合わせ、紙を切り分ける大型の断裁機も完備。
 
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日常生活では机の上にある紙も、こんなに集まるとスケールが違う。
 
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社会的使命

久保田社長にとって仕事とはどういうものかと、尋ねると
「社会的使命」というキーワードが出てきた。

東三河に唯一の紙卸としてある以上は、この地域に紙を安定して供給させることが、社会的使命であると思っている」と、話すように久保田紙店がこの地域の紙へ与える影響はとても大きい。その責務をしっかりと受け止め、安定した供給ができるように日々、細心の注意を払い仕事に当たる、そんな姿に感銘を受けた。

「メディアとしての紙が減少し、これからは生まれた時からPCがある世代が増えて行く中で、紙の存在意義が無くなるのであれば、市場から無くなっても仕方がないと思う。しかし、紙という触媒だからこそ五感で感じ取れる良さがある。パッケージなどまだまだ紙が使われる場面はあるし、これまでと異なる用途としても注目され始めた分野もある。時代に合わせ、市場の需要に合わせた形態をこれからも取っていきたい」と、紙の未来を見据えた経営を教えてくれた。
 
久保田紙店
 
紙と共に歩んできた久保田紙店の次の80年目がとても楽しみだ。
 
 
【会社概要】
株式会社久保田紙店
代表:久保田 充三
愛知県豊橋市瓜郷町一新替30
 
 
 
 

 
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