こんにちは、ライターの松浦です。
日本には日本語を母語としない外国人が数多く暮らしています。
東三河では子どもたちが通うクラスに両親や片親が外国人という子どもが居るというのは珍しくないでしょう。
学校では日常生活で使わないような用語がしばしば使われ混乱を招きます。また、母国とは違う日本独特の風習に戸惑う場面もあるでしょう。
今回は学校で実施されているやさしい日本語の取り組み実例や、あきえ日本語教室のあきえ先生が実施している子ども向けワークショップをご紹介します。
https://tasuki-inc.com/yasashiinihongo005/
日本語教師、入門・やさしい日本語(アスク出版) 認定講師
文化庁委託「就労者に教える日本語教師研修」修了
企業の担当者へのヒアリングを元に、現場の状況にあった『やさしい日本語』講座とワークショップ、異文化理解講座を提案しています。講座は対面かオンラインを選択できます。また、就労外国人向けの日本語研修にも対応します。
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日本の学校の取り組み事例紹介
校長時代、外国から来た保護者が多いのもあって学校文書を「やさしい日本語」にしました。結果、忙しい日本人の保護者に喜ばれたのと、保護者がプリントを見てくれない児童(これは切ない話ですが実際ありました)が自分で読めるので土曜授業の欠席や忘れ物が減りました。オススメです! https://t.co/22q5x7oTVw pic.twitter.com/a6YlDlD4zr
— 山口照美/大阪市港区長 (@TerumiYamaguch1) April 10, 2022
大阪市にある小学校ではプリントの文面をやさしい日本語に変更しました。外国から来た保護者への配慮がきっかけですが、誰にでも分かりやすい文章は日本人の保護者にも喜ばれました。
メールと併用してプリントの量を減らす、写真つきで説明するなどの改良も進められているそうです。
2020年度に和歌山大学・日本学教育研究センターの長友センター長が「外国につながる子どもへの教育支援プロジェクト」を発足。
2021年には同学の留学生と日本人学生の共修で「日本の小学校の1日」を紹介する動画とパンフレットを制作しました。
(参考:外国につながる子どもへの教育支援プロジェクト)
https://www.wakayama-u.ac.jp/kii-plus/projects/foreignchildren/
日本では当たり前の学校での習慣や行事でも、海外では珍しいということはよくあります。
例えば4月に進学・進級すること、給食があること、学校にプールがあること、掃除の時間があること、校内校外で履物が変わることなど。それに学校行事が多いのも日本の学校の特徴と言えるでしょう。
そのため、日本の学校で使われている用語が何のことか分からない、学校行事の名前を言われてもイメージできない外国人の人も多いのではないでしょうか。
パッと思いつくだけでもたくさんありますね。
日本では当たり前のことだからと詳しい説明を省いたり、曖昧な表現をしてしまうと外国人にはそれがどんなものかイメージできません。やさしい日本語や写真、イラスト等を使うことで情報が伝わりやすくなります。
もちろん日本人の保護者や子どもにとっても親切で、勘違いを減らしたり読解する労力を減らす効果が期待できます。
(参考)
世界の学校生活を比べてみよう!:https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/worldculture/schoollife/
世界の学校を見てみよう!:https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/kuni/index.html
先ほどご紹介した「外国につながる子どもへの教育支援プロジェクト」では同学の留学生と日本人学生で構成されたメンバー達が自国の学校の習慣について情報交換したそうです。
学生にとって海外の学校の習慣を知ることは世界への興味・関心を持つ良いきっかけになりそうです。また、他国について知ることで日本についての見方が変わってくることでしょう。
子ども向けやさしい日本語ワークショップを開催予定
あきえ日本語教室では家族で参加できるやさしい日本語講座を10月に2回開催します。
豊橋のこども未来館ココニコにて対面で行います。
ご家族での参加をお待ちしています。
お近くの方にもぜひお知らせください。
やさしい日本語×Canvaで外国人と国際交流しよう
日時 | 10月8日(土) 10:00〜11:30 10月29日(土) 10:00〜11:30 |
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場所 | 豊橋市こども未来館ココニコ 豊橋市松葉町3丁目1-1 |
参加費 | 無料 |
対象 | 小学3年生以上の子どもと、その家族 |
申込 | https://onl.la/HGtCF6Y |
あきえ先生は今年5月にも親子向けのやさしい日本語ワークショップを開催しました。ワークショップでは、まずやさしい日本語についての説明をしてから、ゲストの日本在住アメリカ人、イギリス人、ベトナム人とやさしい日本語でおしゃべりをしました。
参加した子どもたちはみな最初は緊張している様子でしたが、お互いにやさしい日本語で話すことで緊張がほぐれ、最終的にはいろいろなことを話せるようになっていました。大人より子どもの方がやさしい日本語を早く使いこなして外国人との会話を楽しんでいたようでした。
ベトナム人とイベント後も1時間以上お話していた9歳の双子の男の子たち。二人のお母さんは、「子どもたちはベトナムに興味を持ったようです。おかしな質問にも一生懸命答えてくれたり、いろいろ教えていただき、わたしも知らないことが多くて勉強になりました。」と話してくれました。
子どもの頃からいろいろな国の人と交流する機会があるというのは素敵なことですよね。
日本に住む外国人と日本語で話すという体験は、彼らにもゲストにも忘れられない経験になったことでしょう。
まとめ
学校で実施されているやさしい日本語の取り組みや、あきえ先生の子ども向けワークショップをご紹介しました。
いろいろな国の人と交流することでたくさんの刺激と発見があるでしょう。世界に目を向けるきっかけにもなりそうです。
いきなり外国人と交流する勇気がない、もしくはチャンスがないという方は、ワークショップ等に参加するのも良い方法かと思います。ぜひやさしい日本語で国際交流を楽しんでみてくださいね。