モックアップソンDAY2

ビジネスアイデアを実際に形にする段階で悩まれている皆さんと、その大詰めとなるプロトタイプを作り一緒に伴走するプログラムである「モックアップソン」が、2024年11月9日(土)と23日(土)の2日間にわたって開催されました。
DAY2では、株式会社Liremの代表取締役・籔内龍介氏を講師にお迎えし、スマホアプリやwebアプリのデザインツール「Figma (フィグマ)」を使ってアプリモックアップの作成について学びました。
この記事では、DAY2の当日の様子をご紹介します。

▼DAY1の内容、参加者の感想等はこちら

モックアップソンとは

モックアップソンとは

事業のアイディアが定まりプロダクトが具体化していく過程で、そのプロダクトが課題の解決策になっているのか(Product Solutions Fit:PSF)を把握することが重要となります。
リソースに限りがあるスタートアップ起業家にとって初期段階からむやみに時間やコストをかけて製品制作に着手するのではなく、実用的なニーズを図るための最小限のプロダクトで仮説の正しさや顧客の広がりを客観的に示すことが重要であり、この段階で検証するべきことをどこに設定し結果を正しく把握できるかが、次の製品化等へ進める分かれ目になります。モックアップを通じて、何を仮説検証するのかのブラッシュアップから、検証のための最小限のモック作りを2日間で行います。

【モックアップソン概要】

■DAY1
11月9日(土)10:00~17:00
インプット「プランからMVPへの道」
内容:M V Pとは何か、ターゲットとユーザーストーリーの設定
ワーク「ペーパープロトを作る」
内容:検証内容の作り込み、ペーパープロトの作成、プレゼン&フィードバック

■DAY2
11月23日(土)10:00~17:00
インプット「アプリモックをFigmaでつくろう」
内容:Lirem籔内氏を講師に、使い方等の説明実施
ワーク「モックを作る」
内容:インプットしたFigmaを使用してモックを作成。最終的にはモックの成果を発表・共有

【講師】籔内 龍介氏

籔内 龍介

籔内 龍介(ヤブウチ リュウスケ)

講師を務めるのは、株式会社Liremの代表取締役、籔内龍介氏です。
籔内氏は、宇部工業高等専門学校を卒業後、豊橋技術科学大学に3年次編入。在学中に株式会社Liremを設立し、代表取締役に就任しました。「起業家人財」をテーマに、学校教育から人財採用、さらには研修プログラムまで幅広く提供しています。 特に注目される活動として、『火-Okoshi(ヒオコシ)』という“火を起こして、人を起こす”をテーマにした伴走型プログラムを3期(3年間)実施。産学官連携で取り組み、後援自治体は愛知県を含む7自治体、連携企業50社以上、総参加学生45名(6大学、4高校)、参加した学生の半数以上が起業家や団体設立を実施しています。 現在、籔内氏は起業家人財の採用マッチングプラットフォーム『YourLiFe(ユアライフ)』を成長させ、起業や就職の新しい選択肢を生み出すことを目指し活動を続けています。

当日の様子

Figmaとは?

フィグマ

2日目となるDAY2のテーマは「アプリモックをFigmaでつくろう」です。Figmaは、ブラウザ上で利用できるデザインツールで、Webデザイン、UIデザイン、プロダクトデザインなど幅広い用途に対応しています。このツールを使えば、本番の製品やシステムを構築する前に、サンプルや試作品(モックアップ)を作成し、アイデアを具体化することが可能です。
講師の籔内氏は、モックアップを行わずに本番の製品やシステムを構築してしまうリスクについて次のように語りました。 例えば、1,000万かけてwebサービスを制作したけれど全く利用されなかった、そのあとユーザーの声であわせて作り直したというケースもあります。これによる資金損失は大きく、場合によっては事業を継続できなくなることもあります。このような失敗を防ぐためにも、モックアップを作成し、事前に検討・検証するプロセスが重要であることを強調しました。

ワーク:モックを作る

後半では、実際にFigmaを使ってモックを作成し、4つのグループに分かれて発表を行いました。その中で、特に注目を集めたチームの発表をご紹介します。

教職学生特化型学校バイト求人サイト​「EduShift(エデュシフト)」

このチームのアイデアは、教職課程を履修中の学生に特化した学校バイト求人サイトを作るというものでした。
サイトは学生向けのサイトになっており、利用者は、希望勤務地や通勤距離、小学校・中学校どちらに行きたいかなどを選択し応募。マッチングした学校があれば後日連絡がいく仕組みになっています。
また求人サイトでありながら、お悩み相談ができる相談室や、実際に学校バイトを経験した学生による体験談記事を見ることが出来るなど仕様を明確化し、学生に寄り添うサイトが出来上がりました。
モック作りを通じイメージしていたことを形にすることで、求人と相談室のページをどのように分けたら使いやすいか、利用者にとってどんな選択肢があったら嬉しいかなどを具体的に考えることができたとの感想を話していました。

「EduShift」はその後、第24回東三河ビジネスプランコンテストにてアイデア部門で優秀賞を獲得しました。
モックアップソンでのブラッシュアップが、受賞への一助となったことはとても素晴らしいことです。事業化に向けた今後の活躍も期待されます。

東三河ビジネスプランコンテストについて詳しく知りたい方は公式サイトをご覧ください。
東三河ビジネスプランコンテスト公式サイト

その他の参加メンバーからは、「2日間でアイデア段階から形にすることができ、自分自身のイメージもより鮮明になった」「参加してよかった」などの声が上がりました。

モックアップで未来を描く

パソコンを見る笑顔の女性

今回のイベントでは、Figmaの操作方法だけでなく、モックアップの重要性や効果について深く学ぶことができました。アプリ開発やサービス企画を検討している人のために、モックアップ作りは欠かせないプロセスです。
Figmaを活用したデザインプロセスを育て、より質の高いプロジェクトづくりに役立つスキルが身についた2日間になったのではないでしょうか。